映画『ポゼッサー』物語エンディングまでネタバレと感想「一生この監督作品を観続けたい」




「この映画を観ないのは人生の損失だ」海外で大絶賛も日本では全く知名度がない新感覚ホラー映画『ポゼッサー』物語エンディングまでネタバレと感想、日本配信はされているのか?などを解説。デヴィッド・クローネンバーグ監督の息子であるブランドン監督長編第二作目にして傑作ホラー映画は視聴後の多幸感を味わえる稀有な作品に仕上がっています。

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映画『ポゼッサー』作品情報

あらすじ

脳にチップを埋め込み他人の体に憑依しターゲットに近づき暗殺する遠隔殺人を生業とする秘密組織に所属するエージェントヴォスは長い間他人に憑依を繰り返した結果、自分を見失うパラノイアに襲われていた。新しい仕事を引き受けるが彼女の精神は限界を迎え異常事態が起きている。

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スタッフ&キャスト

監督&脚本
ブランドン・クローネンバーグ

キャスト
ガブリエル・グラハム… ホリー
ハンネケ・タルボット… キャサリン
マシュー・ガーリック … エリオ
ダニエル・パーク… 警察官
アンドレア・ライズボロー… タシャ・ヴォス
ジェニファー・ジェイソン・リー… ガーダー
フラント・アリアナク… リード・テクニシャン
レイチェル・クロフォード… メリス博士

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「ポゼッサー」を配信しているのはどこ?

Netflix・Hulu・アマプラ・U-NEXTなど全ての配信先を確認したが、映画『ポゼッサー』は2022年7月時点では日本で配信はされていません。

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ブランドン・”クローネンバーグ”監督について

驚いた。クローネンバーグって・・あの?と思って調べて驚いてしまった。映画「ポゼッサー」の監督ブランドン・クローネンバーグは、裸のランチ。ヴィデオドロームなどのデヴィッド・クローネンバーグ監督の息子だった。ポゼッサーのなかでCGに頼ることなくアナログな手法で魅せるシーンが多く、多少の古さを感じながらも懐かしさもあったのだが錯覚ではないことが分かって嬉しい。息子も色濃くクローネンバーグの意志を受け継いでいるからなのだろう。新しいのに古いがハイセンスな魅せ方で微塵も飽きることなく最後まで疾走する映画「ポゼッサー」はブランドン監督2作目の長編映画作品。なのにこの完成度はさすがとしか言いようがない。お楽しみに。

第1作目「ANTIVIRAL」もかなりの狂気を孕んだ内容で数々の賞を受賞している。あらすじだけで狂気を感じると思うが、予告編のセンスも見事。

ANTIVIRALあらすじ
近未来では、有名人の病気を熱狂的なファンに売る産業が盛んである。従業員のシド・マーチは、このシステムを利用しようとするが、致命的な事件に巻き込まれ、裏目に出てしまう。

そんな息子の活躍を脇目に、父親でありレジェンドで鬼才デヴィッド・クローネンバーグ監督は相変わらず独自のセンスで映画制作を続けている。最新作「Crimes of the Future」は近未来、痛みに疎くなった人々の間で人体改造が流行していた。その中、体の中で新たな臓器を生み出し舞台の上で腹を割いて臓器を取り出すパフォーマンスに熱狂している。その頃、有毒なプラスチックを食べることができる子供が現れる。人類に変貌が起きる時、それは新たな進化か、狂った人たちは選択しなければならない。あらすじだけで狂気満載の世界をヴィゴ・モールテンとレア・セドゥが全裸で体当たり演技して話題になっています。

日本公開日はまだ未定のデヴィッド・クローネンバーグ最新作「Crimes of the Future」のグロいネタバレを読むなら【こちらをクリック】

それではお待たせしました。

個人的にはデヴィッド・クローネンバーグ監督の才能を昇華させた映画を作り上げるブランドン・クローネンバーグ監督最新作「ポゼッサー」の物語ネタバレをしていきます。

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映画『ポゼッサー』物語エンディングまでネタバレ

どこかの浴室。

黒人女性が頭に10cmぐらいの電極のようなものを深く突き刺し、謎の装置を操作している。

場面が変わって例の黒人女性は高級ホテルにいた。屋上で行われるパーティーに参加すると、VIPの男性に向かって歩き出しナイフで首とお腹を滅多刺しにして殺すと、銃を取り出して口に咥え撃ち自殺をしようとするが、涙を流して死ぬことに恐怖しているのか銃を下ろすと突入してきた警察官に向けて銃を向け警察官に撃たれて死亡する。

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パラノイアに悩まされる殺し屋

2008年、タシャ・ヴォス(アンドレア・ライズボロー)は、他人の身体を乗っ取って暗殺を行う組織の一員である。宿主の脳にインプラントを埋め込み、特殊な機械でホストの心に自分の意識を送り込み自分の思うがままに動かし、今回のようにターゲットに楽に近付ける宿主を見つけ暗殺し自ら自殺することで完全犯罪が可能である。しかしデメリットがないわけではない、離脱するには宿主を殺さないと自分の体に戻ることができないのである。

そしてもう一つ、ヴォスはこの仕事で長い間他人に宿る時間が長かったため自身のアイデンティティから乖離する症状に悩まされていた。仕事を終えてプライベートに戻る前に夫のマイケルや息子のアイラと会う前に「普段の自分」を演じるため何度も自分の名前やセリフを口に出す練習をしている。しかしアイラを寝かしつけるとき、マイケルとセックスするとき、普通に会話中であっても暴力シーンがフラッシュバック(時には夫の首に刺し傷が見えてしまうなどの妄想)してしまう症状に悩まされているのだった。

組織でヴォスの担当をしている元殺し屋ガーダー(ジェニファー・ジェイソン・リー)は、徐々に薄れていく家族との絆を求める彼女に批判的だった。個人的な愛着や執着がない方が良い殺し屋になれるのにと伝える。本当の自分を取り戻すための報告会で、ヴォスは思い出の品々を整理し、幼い頃に額に入れた蝶に目を留めその蝶を殺してしまった罪悪感をガーターに伝える。

失敗

精神状態が不安定で仕事にも疲れていたにもかかわらずヴォスは富豪のCEOジョン・パースを殺すため、パースの娘アバの婚約者であるコリン・テイトに憑依してパースを暗殺する大仕事を引き受ける。組織はジョン・バースを誘拐し憑依するためにインプラントを埋め込み解放、組織の設備でヴォスは憑依を開始する。

しかし、この作戦は一部しか成功しなかった。ヴォスの症状が悪化したからだ。テイトに憑依はしているが常にパラノイアに悩まされてしまう続けるヴォスはジョン・パースを灰かき棒で残忍な方法で痛めつけ、目撃者のアバは銃で撃ち殺すとヴォスはテイトに拳銃自殺をさせてその場を逃れようとするが、引き金を引こうとすると、それを拒否するテイトの力が働いてしまい行動ができなくなってしまう。

組織のベッドで眠っているヴォスは大量の血を吐いてしまう。ヴォスが宿ったままのテイトは混乱した様子でトイレに向かうと頭に埋め込まれていた憑依に必要な装置を自ら取り出してしまう。その結果、インプラントは破損しヴォスはテイトの体から離れることも、テイトの意志を制することもできなくなってしまう。突如、制御を取り戻したテイトは混乱する。なぜ愛する恋人を殺したのか、なぜ他人の、つまりヴォスの人生の断片的な記憶が頭の中に存在して経験したかのように”知っている”のかわからないのだ。

記憶の共有

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一時的に自らを取り戻した友人のリータのアパートへ逃げ込む。突然テイトの主導権を取り戻したヴォスは目撃者のリータを殺害する。ヴォスの会社の社員エディがアパートにやってきて彼を中に招き入れると突然拳銃のようなものを打ち込まれ気絶する。エディは組織の一員によって憑依されていた工作員だった。彼の働きで再びインプラントを打ちこみヴォスのコントロールを取り戻し、ヴォスの意志で自殺させて元の体に戻ろうとしてくれているのだった。しかし、その試みは失敗に終わる。ヴォスがテイトの意識を奪おうとするとテイトの精神力がそれを阻止、再びヴォスの意識を跳ね返しテイトは覚醒する。テイトが目を覚ますとエディは死んでいた(仕事を終えたため自殺?)友人のリータも浴室で死んでいた。突然テイトの頭の中にヴォスの記憶が大量に流れ込み記憶を共有してしまう。

エンディングネタバレ「彼女の意志は」

そしてテイトはヴォスの家に行き、彼女の夫に銃を突きつけ、俺に何をしたのか知りたいと叫ぶ(もちろん夫は何も知らない)。そこにヴォス(の意識)が現れテイトをそそのかしてマイケルを殺させようとする。彼女を長年苦しめてきたプライベート部分の執着から解放されるためにだった。そして隙を見てマイケルがテイトから銃を奪い撃とうとするとテイトは肉切り包丁で彼を滅多刺しにして殺害。(冒頭の仕事でヴォスがVIPを滅多刺しにしたのと同じように)銃を咥え死のうとするが涙を流して諦めてしまう。

その刹那、息子のアイラに喉を刺されてしまう。テイトを見ると明らかに組織の何者かによって操作されていることが分かったヴォスは叫びながらアイラを撃ち殺す。

自分の体に戻ったヴォスは隣でガーターがテイトとの闘いを終わらせるためにアイラを操っていたことを発見する。怒り狂うと思われたが、アイラとマイケルが死んだ今、彼女はガードの思惑通り、人間との関わりなどの憑物が払われたような表情だった。

その後の報告会では、冒頭と同じように身の回りのものを見て心を整理しているヴォス。彼女は再び蝶の標本を見ているがかつての蝶を殺したことへの罪悪感は出てこなかった。それを見たガーダーは微笑みながら、”Very good “と答え物語は終了する。

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まとめ「視聴後の良い映画を見たという感覚」

うぁああ、最後のナイフで滅多刺しにするシーン周辺のヴォスとテイトどっちの意志だったのか、最後の家族が死んでスッキリ。。。というよりも喪失感を通り越して元の冷酷な暗殺者に戻った感のあるヴォス、してやったりのガーターのベリーグッドのセリフで映画が終わるのだが、うぁあああってなって「良い映画だった」というドキドキ感が心底嬉しかった。

流石のクローネンバーグ一族の作品。CG使った方が簡単?に思えるのだが、ブランドン監督はCGをまるで嫌ってるかのように徹底して頼らず使わずにヴォスとテイトの心象をアナログで表現しきっているが凄い。アナログだからこそ、彼らの二つの精神が剥がれつ時の強烈な映像も、ヴォスの皮を被るテイト、ヴォスがヴォスの皮を被るシーンも「彼らの中に何が起きているのか?」をイメージで視聴者にわかりやすく私のような深読みできない人間であっても楽しむことができるのだ。難しい印象なクローネンバーグをハイセンスに分かりやすく考察の余地も与えつつ映画作品を楽しめた。

絶対にブランドン監督作品を追いかけたいと思った。

そういえばかなり全裸と局部がクローズアップするシーンが多発するが、Netflix経由ならきっと無修正バージョンだと思うのでできればNetflixで配信してくれると嬉しいが・・・。

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