
「想像力が溢れる子供に絶対に見せたい、グーニーズのような作品」海外で絶賛の日本未公開映画「Sketch/スケッチ」を完全ネタバレ解説。セス・ワーリー監督×トニー・ヘイル主演のファンタジーコメディ、結末まで詳細あらすじ、RT97%・IMDb7.2点・Metacritic78点の高評価の理由を徹底分析。
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「Sketch/スケッチ」物語結末までネタバレ
悲しみが生み出すモンスター
母親アリーを亡くした10歳のアンバー・ワイアット(ビアンカ・ベル)は、失った悲しみをぶつけるように絵を描くことに没頭している。ある日アンバーが暴力的なモンスターの絵を描いていると学校で問題視されてしまい、スクールカウンセラー行きを命じられてしまう。しかしランド博士(ナディア・ベナビデス)は「描き続けることで感情を処理できる」とアンバーの悲しみを癒すためにスケッチブックをプレゼントする。
父親テイラー(トニー・ヘイル)と叔母で不動産業者のリズ(ダーシー・カーデン)は家の売却を進めている間も、アンバーの創作は止まらず、血を食べて吐き戻すブルーの「ブラッドイーター」、巨大な盲目のオレンジ色モンスター「タトラー」、鋭いくちばしで刺すのが好きな鳥「スタビドン」、人の持ち物を盗む「アイダー」、そして同級生ボウマン(いじめっ子)を攻撃する「イビル・アンバー」などの恐ろしいモンスター達を生み出していた。
近所の森の中でアンバーの弟ジャック(ク・ローレンス)は転んで手に大怪我を負ってしまう。弾みでスマホも池に落としてしまう。しかしジャックがなんとかスマホを池から取り出すと手に負っていたはずの怪我は完全に治り、壊れた携帯も新品同様に修復されたことに気が付く。
ジャックはこの池には特別な力があると考え、悲しみが癒えないテイラーとアンバーに話すも全く相手にされない。早速母アリーの遺灰を池に落として母さんを良いがえらせようと夜に遺灰を持ち出すがアンバーに見つかって止められる。アンバーとジャックは遺灰の奪い合いをしているうちに誤ってスケッチブックを池に落としてしまう。スケッチブックを拾ったアンバーはジャックと家に帰る。
モンスターたちの襲来
翌朝、アンバーのスケッチブックから絵が消えていることに気づく。ついでにアンバーの部屋の窓には黄色い塗料のようなものが付いていた。
アンバーとジャックがスクールバスに乗って登校中、突如道路に青い体液を撒き散らす巨大な目玉クリーチャーが現れスクールバスに襲いかかる。
バスの運転手トンプソン先生(ランダ・ニューマン)はモンスターから逃げるためトウモロコシ畑に突っ込むが衝撃で意識を失ってしまう。モンスターの設定生徒たちはスマホのジャズ音楽でモンスターが眠ることに気が付き、全員でバスから脱出して森に逃げようとするが、次の曲がヒップホップだったためモンスターが起きて子供達は森に逃げ込む。
しかし、森には巨大オレンジモンスター「タトラー」が子供達の前に立ち塞がり襲いかかる(普通に食べようとしてくる)から逃れ家に逃げたアンバーたちは、モンスターたちはアンバーが彼らを描く時に使った画材(チョーク、クレヨンなど)の性質と弱点があることを発見、それぞれ画材に応じた攻撃方法(水、火など)を準備する。次に襲いかかってきたのは小さいピンク色の蜘蛛のようなモンスター「アイダー」が数千匹。子供達はパニックに陥るもシャワーの水で撃退に成功。
結末ネタバレ:悪との最終決戦
アンバー達は次々にモンスター達を打ち倒し森の奥に進んでいくと、アンバーやジャックの私物をモンスター達が集めていることに気づきあとをついていくと、森の奥では「イビル・アンバー」がアンバーのスケッチを池に次々と落としてモンスターを生み出しているのを目撃する。
アンバー達は、何をしているのか?と尋ねに行くがイビル・アンバーは問答無用で油性マジックペンで描いた新たなモンスターを描いて池で実体化させて子供達に襲い掛からせる。
水と炎が効かないモンスターに追い込まれるが、ジャックは過去に描いたマインクラフトの英雄の剣を池で実体化。アンバーは腕に直に触手の絵を描いて敵を撃ち倒していく。
町にモンスターが現れパニックになるが、アンバーの描いた善良なモンスターたちを池で具現化すると、善良なモンスター達は町中に飛び出していき次々と悪いモンスターを駆逐して街に平和が戻る。
遅れて現れたテイラーはジャックが母親を蘇らせようとしていたことを理解し「悲しみについて正直に話し合おう」とジャックとアンバーを抱きしめ家族の絆を深める。
数ヶ月後、ワイアット家は新しい生活を始めていた。子供たちが学校に向かう際、木の後ろから隠れ潜んでいたモンスターのアイダーが現れるが、次の瞬間、アンバーの描いたハート型の善良なモンスターがそれを食べたところで物語は終了する。
「Sketch/スケッチ」作品情報
「Sketch/スケッチ」は、セス・ワーリー監督による長編デビュー作品で、8年の歳月をかけて完成させた情熱的なプロジェクトだ。トニー・ヘイルとダーシー・カーデンが主演を務め、子役キャストの自然な演技と創意工夫に富んだ視覚効果で観客を魅了している。
セス・ワーリー監督情報

セス・ワーリーは短編映画「Darker Colors」で注目を集めたアメリカの映画監督・脚本家だ。コマーシャルディレクターとして活動していた経歴を持ち、「Plot Device」や「Old/New」などの話題作で知られている。
今作「Sketch」は彼の幼少期の体験から着想を得ており、妹が学校で暴力的な絵を描いて問題になった実体験をベースにしている。「その緊張感がすぐに書けるもののように感じられ、トニー・ヘイルの役柄にぴったりだと思った」と語っている。
ワーリー監督は「スティーヴン・スピルバーグの純真な驚き、ジョー・ダンテのいたずらっぽいいたずら、最盛期ピクサーの鮮やかなビジュアル」を組み合わせたような作品を目指し、8年間かけて製作にこぎ着けた情熱のプロジェクトとして完成させた。
海外の感想評価まとめ
「Sketch/スケッチ」は海外で驚異的な高評価を獲得している。トロント国際映画祭でのプレミア上映では絶賛され、その後の劇場公開でも批評家・観客ともに熱狂的な支持を受けている。特に子供向け映画でありながら大人も感動できる普遍的なテーマ性と、創意工夫に富んだ視覚効果が高く評価されている。
IMDb(総合評価:7.2/10)

① 「劇場で観る前は期待していなかったが、子供たちが観たがったので連れて行った…そして最近の映画館体験で最も楽しい時間になった!
これほど頻繁に、これほど激しく笑ったのは何年ぶりだろう!子供たちは文字通り座席の端に座っていて、一人が振り返って『うわあ!この映画は激しいね!』と言った。
80年代と90年代の栄光とインスパイアされたストーリーテリングを蘇らせている」
② 「面白い。陽気。スマート。巨大で美しい心と魂を持っている!セス・ワーリーは天才で、『Sketch』は彼の傑作だ。
トニー・ヘイルは彼の役に驚くべき深みをもたらしている。彼が愛される理由を思い出させるコメディの輝きの瞬間を届けながら、涙を流すような方法で映画の感情的な重みも完璧に表現している」
③ 「この2024年のセス・ワーリーによる映画は、彼の短編映画『Dark Colors』にインスパイアされた。
これは驚くほど面白い映画だ。マーケティングでは若い映画観客向けのように見えるが、よりダークなセットアップを持っている。コメディファンタジーとして宣伝されているが、よりホラーに傾いたブラックコメディに近い」
④ 「最初は皮肉的で、この映画を楽しめないと思っていたが、子供たちが観たがったので連れて行った…そして最近の記憶で最も楽しい映画館体験になった!脚本、演出、演技、編集すべてが壮観だった!大画面にふさわしく、この映画鑑賞体験を逃す人を気の毒に思う!若い観客に向けているように見えるが、実際にはあらゆる年齢層が楽しめる内容だ」
(IMDb参照)

Rotten Tomatoes(批評家:97% / 観客:89%)
① 「子供たちは心理学的な測定が許されているが、年上のキャラクター、特にアンバーとジャックの陰鬱でぎこちない父親(トニー・ヘイルの大げさな演技)は、物語の道徳のための真剣なマウスピースとして扱われている。
ワーリーは物語の感情的なニュアンスにも同じくらい投資しており、悲しんでいる各キャラクターを彼ら自身のペースで迎え、多くの恵みを示している」
② 「タイトルに関係なく、それはユーモア、優しさ、想像力で爆発する完全体の勝利だ。
この映画が大きな注目を集めることを願っている。
これは即座の古典だと思う。『感動』させられた。涙を流し、笑い、楽しい時間を過ごし、家族にとって良い作品だ。
最終的に『Sketch』は巧妙なジャンルマッシュアップとしてだけでなく、喪失の処理と圧倒的な感情のための健全なアウトレットを見つけることについての心のこもった物語として成功している」
③ 「家族全員を連れて行って、最も重要なことは、子供たちを『Sketch』を観に連れて行き、彼らにインスピレーションを与え、感動させ、興味をそそらせることだ。
それは楽しいだけでなく、実際に誰かの人生に本当の違いをもたらすかもしれない種類の映画だ。『Sketch』は最高の映画として作られたわけではないが、若い子供と前思春期の子供たちの感動的で思慮深い物語であることで優れている」
Metacritic(総合評価:78/100)
① 「『Sketch』は驚くほど洞察に満ちた家族ファンタジーで、悲しみを通じて苦労することの挑戦について。
脚本・監督のセス・ワーリーは、ファンタジー映画ができることの境界を本当に押し広げる素晴らしいアンサンブルで作品を作り上げている。
作曲家と視覚効果アーティストは傑出した仕事に対してクレジットに値するが、弱い脚本と演出を補償することはできない」
② 「子供たち(10歳、8歳、6歳)を連れて観に行った。
私はそれが巧妙で、心に響き、面白く(時々)、少し怖いと思った。私の子供たちは皆それが怖いと思ったが(誰も泣いたり出て行きたがったりしなかった)、私の一番上の子が最も楽しんだ。
前思春期の子供たちが最適だと思う。良いストーリーテリングとまともな効果。ディズニー/ピクサーがここ数年で作ったものより良い!」
③ 「愚かなジャンルの前提で、アサイラム風のB映画または4分間のSNLシーケンスのどちらかとして簡単にレンダリングできたかもしれないが、『Sketch』は代わりに映画制作の大胆さの勝利として際立っている。
印象的に自信があり、よく実行された家族コメディ、冒険、ファンタジー、さらには時折のホラーとサスペンスのひねりの組み合わせだ」
批評家レビュー

Roger Ebert 4つ星
マーヤ・E・ゲイツ「芸術の力への美しい讃美歌」
「芸術は非常に強力で、内側から外側へとあなたを変えることができる魔法の力だ。『Sketch』はその力のあらゆる形への美しい讃美歌であり、あなたの痛みに取り組むのに遅すぎることはなく、それがあなたを圧倒しないようにし、あなたの内なる光を輝かせることを思い出させてくれる」
子供であることは、すでに過度に伸ばされた感情的帯域幅に親の喪失を加えることなく十分困難だ。これは脚本・監督のセス・ワーリーがよく知っていることで、彼の素晴らしい家族映画『Sketch』で探求している。
昨年のトロント国際映画祭での初演後にこの映画について書いたとき、私は「大きな、心温まる家族映画」として賞賛し、『ハニー、アイ・シュリンク・ザ・キッズ』や『ジュマンジ』のような私が育った80年代と90年代の家族冒険映画と比較した。
評価点
父親の死を経験した評者にとって、この完璧な小さな映画はさらに深く響く
批判点
比較的単純なファンタジーの前提だが、その単純さが逆に普遍性を生んでいる
The Hollywood Reporter 4つ星
マイケル・レクトシャッフェン「眩しいほど独創的」
「スティーヴン・スピルバーグの純真な驚き、ジョー・ダンテのいたずらっぽいいたずら、プライム・ピクサーの鮮やかなビジュアルを取って、それらをマジック・ブレット・ブレンダーで何とかして混ぜ合わせたとしたら、結果として得られる調合物は『Sketch』に似ているかもしれない。セス・ワーリーによる大胆に狂った長編デビュー作だ」
前思春期の物語は確かに独創性に欠けているかもしれないが、借り物のビットすべてを、10歳の少女の悲しみが生き返った暴力的な絵に現れる家族療法の珍しい解釈とともに、スキットルズ色の砂糖ラッシュのライブアクション騒動で十分に補償している。
トニー・ヘイルとダーシー・カーデンがセス・ワーリーの長編デビュー作『Sketch』に出演し、少女の絵が生き返るスピルバーグ的な前思春期冒険を描いている。この映画は単独の独創性に確かに欠けているかもしれないが、その借用したビットすべてを補償して余りある。
評価点
スキットルズ色の砂糖ラッシュによるライブアクション騒動と創造的な視覚効果
批判点
借り物の要素が多く、完全にオリジナルとは言えない部分がある
Austin Chronicle 3.5つ星
キンバリー・ジョーンズ「感情的なニュアンスへの投資」
「ワーリーは物語の感情的なニュアンスに同じくらい投資しており、悲しんでいる各キャラクターを彼ら自身のペースで迎え、彼らに多くの恵みを示している」
批評家は『Sketch』について、子供向け映画としての枠を超えた深い感情的な描写を評価している。監督のワーリーが各キャラクターの悲しみのプロセスを丁寧に描き、それぞれ異なるペースで癒しに向かう過程を慎重に表現していることが高く評価されている。
特に父親テイラーと子供たちアンバー、ジャックそれぞれが母親の死に対して全く異なる反応を示しながらも、最終的に家族として結束を深めていく過程の描写が秀逸だとされている。
評価点
各キャラクターの悲しみを個別のペースで描く丁寧な感情描写
批判点
大人キャラクターが時として説教的なマウスピースとして機能してしまう
Paste Magazine 絶賛
ジム・ヴォレル「映画製作の大胆さの勝利」
「愚かなジャンルの前提で、アサイラム風のB映画または4分間のSNLシーケンスとして簡単にレンダリングできたかもしれないが、『Sketch』は代わりに映画制作の大胆さの勝利として際立っている。印象的に自信があり、よく実行された家族コメディ、冒険、ファンタジー、さらには時折のホラーとサスペンスのひねりの組み合わせだ」
見た目が美しく、鋭く書かれ、子役たちによって非の打ちどころなく演じられ、短編映画とコマーシャル監督セス・ワーリーにとって率直に信じられないデビューとなっている。ポピュリストエンターテイメントの深い把握を実証している。
この男はただそれを理解していて、結果はカルト・クラシックの製作中として引用される運命を感じる映画だ。1980年代のアンブリン風の家族/子供向け冒険という型に明らかに当てはまるが、過去10年間でそのような感じ良い全年齢エネルギーを奴隷的に再現しようと試みたあまりにも多くの制作物がある中で、『Sketch』はほとんど努力せずにそうしているように見える。
評価点
カルト・クラシック候補となる独創的な映画製作と確信に満ちた演出
批判点
1980年代映画の型にはまった部分があるが、それを逆に魅力として昇華
個人的な感想評価

大人はきっと映画館で「グーニーズ」とか「キョンシー」とか、初めて映画館で巨大なスクリーンを前にした時の緊張感。手に汗握る子供達の冒険、笑い、友情、そして親との愛と絆に驚嘆したあのシンプルな感想「僕もあの世界に行ってみたい」そんな原初の感動を思い出すと思う。
ちょっと涙出たもんね。
「そうそう、こういうやつ、好きだなー。俺もこんな世界で子供になって世界救いたいなー」
みたいな奥底にある願望が具現化したような作品。
映画はシンプルで母の死を乗り越えることができない子供の鬱憤が現実になり、モンスターが子供達に襲いかかるが、子供達の想像力とちょこっとの勇気で乗り越えていくというシンプルなものだから文系の私も子供もニッコリ。
いいねぇ。こういうの好き。何も考えずに、とりあえず子供を連れていくと良い、ちょっと面白くて、不思議で怖くて、笑えて、冒険できるから、きっと見終わった後にワクワクが止まらなくなって連れてきてくれたあなたに感謝の言葉を述べると思う。
映像も美しく、巨大なモンスターなのにどこか愛嬌があり、怖いけど怖くないのも良い塩梅。
泣いて叫んでいる子供もいたけど、すぐに笑っていた。最近YouTubeみたいなIQと想像力を低下させるコンテンツに浸っている子供にはぜひ頭の栄養として視聴を進める。
いいなって思ったのは、モンスターの弱点は画材ごとに違う点、クレヨンで描かれたモンスターは熱で溶け、チョークのモンスターは叩くと粉々になるという設定もよくできている。
まとめ
この記事では、セス・ワーリー監督による心温まるファンタジー映画「Sketch/スケッチ」の完全ネタバレあらすじから海外評価まで詳細に解説した。
母親を亡くした少女アンバーが描くモンスターの絵が現実となって襲いかかる設定から始まり、家族の絆と悲しみからの回復を描く物語は、期待を大きく上回る感動作として海外で絶賛された。
海外では批評家97%(Rotten Tomatoes)、観客89%、IMDb7.2点、Metacritic78点という驚異的な高評価を獲得。「眩しいほど独創的」「80年代家族映画の復活」「即座の古典」との評価が続出し、子供向け映画でありながら大人も深く感動できる普遍的な傑作として受け止められている。
これはおすすめ作品。
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