


「ジョン・ウィック バレリーナ」は、アナ・デ・アルマス主演のアクション映画。IMDb7.0点、RT76%の評価で、復讐に燃えるバレリーナ暗殺者の壮絶な戦いを描く。キアヌ・リーブス客演、フランチャイズ最新作の完全ネタバレとあらすじ、海外の感想評価をまとめて紹介。
もくじ
ジョン・ウィック バレリーナ 物語結末ネタバレ

血まみれの少女イヴ・マカロ(ヴィクトリア・コンテ)が病院の待合室で同じく血まみれのバレリーナの人形を手に持って見つめている。
かつてイヴは優しい父のハビエル(デヴィッド・カスタニェダ)と島で平和な日々を送っていたが、訓練された武装集団が音もなく現れるとハビエルの部下たちを静かに殺していくと、ハビエルの自宅に侵入する。
襲撃者に気がついたハビエルはイヴを隠して、単身襲撃者に立ち向かい次々と撃破していく。
しかしあまりに多くの敵がいたためついに取り押さえられてしまう。
そこに現れた組織のボス、チャンセラー(ガブリエル・バーン)がハビエルの妻(イヴの母)が組織から奪い死なせたと彼を非難し、自殺するか、娘と2人ともに死ぬかを選択を迫る。
ハビエルが娘のために自殺しようとするが、イヴが叫んだ隙をついて兵士を薙ぎ倒して逃げようとするが、ハビエルは娘の前で息を引き取ってしまう。
そして冒頭の場面に戻り、父の死を悲しむイヴの間に現れた男ウィンストン・スコット(イアン・マクシェーン)が父の家族に引き取ってもらえるように計らうと伝え、イヴはルスカ・ローマの本拠地に連れて行かれ、ディレクター(アンジェリカ・ヒューストン)とノギ(シャロン・ダンカン=ブルースター)と出会うと表向きはバレリーナとして、裏ではキキモラ(暗殺者)組織の一員としての訓練が始まる。
組織の修行、ジョンとの出会い
12年後、
美しく成長したイヴ(アナ・デ・アルマス)はバレリーナとしての訓練を積みながら、ノギの下で戦闘技術と射撃術を文字通り血の滲むような努力を続けていた。この訓練場では才能がないと判断されたら即追放されてしまうため、同期のタチアナ(ジュリエット・ドハティ)のように追放されないために、イヴは努力を続ける。

組織の訓練は徐々に過激になり、いきなり呼び出されイヴともう1人の訓練生が椅子に座ると、目の前に置かれた分解したハンドガンを元に戻して相手を殺すか殺されるかの度胸試しが始まる。
そんな中、伝説の暗殺者ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)が訪問しているのを知ったイヴは彼に近づいて現場に出る方法を尋ねるとジョンは「いつでも出ていくか、自分で選択することができる」と答えて立ち去る。
初任務と手がかりの発見

イヴはついに初任務としてカトラ・パーク(スヨン・チェ)と呼ばれる若い女性をイル・ソン(ドゥホン・チョン)から守る護衛を命じられる。イヴは会場に現れたソンとその部下たちと激しい戦闘を繰り広げ、ソンを刺殺してカトラを。
2か月後、暗殺者として成長したイヴはあっさりとアパートでの任務を終えて車で帰ろうとしたところ、突如武装した男たちに襲われるがなんとか返り討ちにする。襲撃者の手首にはX字型の傷跡を発見——それは父を殺した男たちと同じ印だった。
イヴは男の手を切り落としてディレクターの元へ持参しますが、そのルスカ・ローマ率いるカルト組織との間には休戦協定があるため、イヴはこれ以上追求するのを禁止されてしまう。
コンチネンタルホテル
イヴはコンチネンタルホテルを訪れ、シャロン(ランス・レディック)にチェックインしてもらうとウィンストンに会いチャンセラーを殺したいと相談する。
ウィンストンは最初反対するが、イヴがウィンストンに病院でもらった金貨を渡すと、カルトのことを知っている暗殺者ダニエル・パイン(ノーマン・リーダス)の居場所を教える。
プラハのコンチネンタルでパインを見つけたイヴは、彼の部屋に侵入するが、そこにはパインの幼い娘のエラ(エヴァ・マッカーシー)がいたためイヴは銃を下ろす。背後からショットガンを持ったパインが現れ何しにきたのか尋ねられたイヴはカルトとチャンセラーを探しているだけだと説明するとパインは武器を下ろす。
しかし一部始終を監視していたチャンセラーの部下レナ(カタリナ・サンディーノ・モレノ)が、コンチネンタルのルールを破りパインとイヴに兵隊を送り出し攻撃を仕掛ける。
戦闘の末にイヴとパインは気絶し、エラは誘拐されてしまう。
復帰したイヴは組織御用達の武器コンシェルジュのフランク(エイブラハム・ポポーラ)を訪れ、一通り武器を揃えてもらい、ついでにカルトの襲撃からフランクを助け、オーストリアの山奥にあるカルトの隠れ家の場所を教えてもらう。
結末ネタバレ:最終決戦
雪が降る街ハルシュタットに到着したイヴは、早速街中の人々から狙われ街全てを舞台に大立ち回りを繰り広げるが、物量に負けて最終的に捕らえられ、カルトの隠れ家でチャンセラーに正体がバレてしまう。
そこで、チャンセラーからレナがイヴの失われた姉であること。ハビエルがイヴだけを連れてカルトから逃げ、自分はカルトに残されたことに対し死ぬほど恨んでいるという。またパインの娘のエラはチャンセラーの孫娘で、カルトの暗殺者に育てる計画も明かす。
イヴを殺せと命じられたレナはイヴに襲いかかるが、チャンセラーはイヴとレナごと手榴弾で爆破させ、イヴだけがかろうじて生き残る。
チャンセラーはディレクターに宣戦布告し、午前零時までにお前の組織でイヴを始末しなければ全面戦争になると通告し電話を切る。
最後の戦いに備えるイヴの前に現れたのは、ディレクターの命を受けたジョン・ウィックだった。イヴと二、三言話をして2人は戦い、引き分けに終わる。(もちろんジョンの方が強く何度もチェックメイトになるが、彼女の背景を知ったジョンは手加減してる)
最終的にジョンは零時の期限(残り30分)でチャンセラーを倒すことを許可するとその場を立ち去る。

イヴは町に突入し、火炎放射器で敵を一掃。チャンセラーの右腕デックス(ロバート・マッサー)も火炎放射器を持ってくるが、時間になったらイヴを殺すつもりで狙撃銃を構えていたジョン・ウィックはデックスを狙撃して、イヴの活路を開く。おかげでジョンもカルトに襲われるがあっさり撃退する。
チャンセラーは部下たちと共にエラを連れて逃げようとしますが、イヴが追いつき頭部に弾丸を撃ち込んで父の復讐を果たす。
新たな人生と新たな脅威
エラはパインと病院で再会。
イヴはニューヨークのコンチネンタルにチェックインし、組織から追放された友人タチアナのバレエ公演を観賞している。
しかし、イヴの首に500万ドルの懸賞金がかけられ、劇場にいる観客たちにも同じメッセージが次々と届くとイヴは急いで劇場を後にし、新たな戦いが始まることを予感させて物語は幕を閉じる
ジョン・ウィック バレリーナとジョン・ウィックシリーズの繋がり
「ジョン・ウィック バレリーナ」は、「ジョン・ウィック:パラベラム」(第3作)と「ジョン・ウィック:コンセクエンス」(第4作)の間の出来事を描く正式なスピンオフ作品です。
物語の時系列的には、ジョンがハイテーブルから追われている最中の出来事で、劇中でジョンがルスカ・ローマのディレクターを訪問するシーンが「パラベラム」と直接リンクしています。イヴ・マカロがジョンと出会う場面も、この訪問時の設定です。
登場人物面では、ウィンストン・スコット(イアン・マクシェーン)、シャロン(ランス・レディック)、ディレクター(アンジェリカ・ヒューストン)など、シリーズでおなじみのキャラクターが重要な役割で登場します。特にルスカ・ローマという暗殺者組織の詳細が深く掘り下げられ、バレリーナ暗殺者の養成システムが明かされます。
世界観的には、コンチネンタルホテルのルールや金貨システム、ハイテーブルの影響力など、シリーズの根幹設定がそのまま継承されています。最終的にイヴに懸賞金がかけられる展開も、ジョンと同様の状況を作り出しており、今後のシリーズ展開への布石となっています。
ジョン・ウィック バレリーナ 作品情報
「ジョン・ウィック バレリーナ」の監督と主要キャストの詳細情報を紹介します。本作は「ジョン・ウィック:パラベラム」と「ジョン・ウィック:コンセクエンス」の間に起こる出来事を描いたスピンオフ作品として、2025年6月6日に全米公開されました。
レン・ワイズマン(Len Wiseman)監督情報
「アンダーワールド」シリーズの監督として知られるアクション映画のベテラン。「ダイ・ハード4.0」(2007年)や「トータル・リコール」(2012年)などの大作アクション映画を手がけてきた経験があり、今回のバレリーナでは、チャド・スタヘルスキーがプロデューサーとして参加し、追加撮影では無記名でアクションシーンの監督も務める。
ワイズマンは「アナには一種の炎があり、それに会って一緒に仕事をしたかった」と語り、デ・アルマスのキャスティングについて「イヴは暗殺者としての旅を始めたばかりなので、時には痛い目に遭うこともあると最初にアナに話したところ、アナの答えは『クール。オーケー、やるよ』だった」と振り返っている。
スクリーンライフ技術と実写アクションを組み合わせた独特の映像スタイルで、ジョン・ウィック世界に新たな息吹を吹き込むことに成功している。
主演イヴ・マカロ役「アナ・デ・アルマス(Ana de Armas)」情報
キューバ系スペイン人女優で、「ノー・タイム・トゥ・ダイ」(2021年)でのパロマ役や「ナイブズ・アウト」(2019年)でのマルタ役で国際的な注目を集めました。「ブレードランナー2049」(2017年)や「ブロンド」(2022年)でマリリン・モンロー役を演じるなど、多様な役柄に挑戦している実力派女優です。
本作では約6か月間にわたってバレエと格闘技の特訓を受け、スタントの大部分を自ら演じました。「この役に関して多くの点で彼女は完璧だった。このフランチャイズシリーズの素晴らしいところは、俳優ベースのアクションであり、俳優がより多くの演技と振り付けを行うのを見ることができることだ。そして彼女はそれに積極的だった」とワイズマン監督は絶賛しています。製作中には「アクションやスタントでできた傷跡を見せてくれて、それらは功労バッジのようになった」というほどの献身ぶりを見せました。
主演ジョン・ウィック役「キアヌ・リーブス(Keanu Reeves)」情報
フランチャイズの顔として、予想以上に多くのシーンに登場してファンを驚かせたはず。
本作は「チャプター3」の出来事と並行しているため、ジョンがディレクターを訪問している時期にイヴとの関係が生まれる流れや、最終決戦での共闘シーンが見どころとなっている。
キアヌは外伝として見放していたファンたちの心を掴むほどに登場してくれるため、「ジョン・ウィックのシーンは期待を上回る」と観客からも好評を得ている。メンター的な役割を担いつつも、イヴの物語を侵食することなく絶妙なバランスで登場しているところも最高の塩梅でますますキアヌが好きになるはず。
海外の感想評価まとめ
「ジョン・ウィック バレリーナ」は海外で驚異的な成功を収めています。
Rotten Tomatoesでは批評家スコア76%、観客スコア94%という高評価を記録し、特に観客スコアはフランチャイズ史上最高を達成。IMDbでは7.0/10点、Metacriticでは59/100点を獲得し、批評家からは「フランチャイズの新たな可能性を示した」と評価される一方で、「プロットの薄さ」への指摘もあります。アナ・デ・アルマスの演技と圧倒的なアクションシーンが絶賛の的となっています。
IMDb(総合評価:7.0/10)

① バレリーナは期待を大幅に上回る素晴らしい作品でした。最初はジョン・ウィックに再会することが楽しみでしたが、結果的に彼がいなくても同じレベルの完成度を達成していたでしょう。このフランチャイズで最もアクション満載で、90分間ノンストップの戦闘シーンが展開されます。アナ・デ・アルマスの身体能力とスタント技術は圧巻で、彼女の献身的な訓練の成果が画面から伝わってきます。
特に火炎放射器を使った決闘シーンは、今後語り継がれるであろうアクション映画の名場面です。音響設計も秀逸で、各武器の重厚な音響効果が戦闘の迫力を倍増させています。
② アナ・デ・アルマスは自然の力そのもので、この復讐劇に激しい身体性と意外な脆弱性をもたらしています。
彼女のイヴ・マカロというキャラクターは、ジョン・ウィック自身と同じくらい象徴的で魅力的です。キアヌ・リーブスは期待以上に重要な役割を担っていますが、ウィックが映画を完全に支配することなく、デ・アルマスが主役としての存在感を保っているバランスが絶妙です。彼女の演技は単なるアクションスターを超越し、内面的な苦悩と復讐への渇望を見事に表現しています。
③ ジョン・ウィックが外科医のような精密さで銃を扱う一方、イヴは全く異なるリズムで戦います。
彼女の戦闘スタイルはより混沌とし、泥臭く、見事に型破りです。
手榴弾、火炎放射器、拳——同じ殺害方法は二度と使われません。これは残忍なバレエであり、彼女が間違いなくプリマドンナです。
レン・ワイズマンの演出は、チャド・スタヘルスキーの追加撮影と相まって、フランチャイズの DNA を継承しつつ新鮮な視覚体験を提供しています。
オーストリアの山岳地帯という美しいロケーションも、物語に壮大なスケール感を与えています。
④ 大ファンなので心待ちにしていましたが、期待を裏切らない仕上がりでした。
コンチネンタルのテレビシリーズがいまいちだった後、本来のジョン・ウィックらしさに回帰することを期待していましたが、それを完璧に実現しています。
古典的なガンフーアクションに革新的な要素を加え、フランチャイズ5作目としてこれほどのクオリティを維持できるのは驚異的です。
特に注目すべきは、ルスカ・ローマの世界観がさらに深く掘り下げられている点で、バレリーナ暗殺者の養成システムの詳細が明かされます。
⑤ アナ・デ・アルマスのキャスティングは完璧でした。
彼女はジョン・ウィック世界にふさわしい新たなアクションヒロインを確立し、フランチャイズに新鮮な血を注入しています。
アクションシーンの振り付けは芸術的レベルに達しており、特に最終章の連続戦闘は息をつく暇もありません。
ガブリエル・バーンの悪役も印象的で、彼の存在がイヴの復讐に重みを与えています。映像美、音楽、演技のすべてが調和し、エンターテインメントとして申し分のない完成度を誇ります。
Rotten Tomatoes(批評家:76% / 観客:94%)

① アナ・デ・アルマスを鋼鉄のような創造的に残忍なアクション振り付けと愉快にクレイジーな起源物語で武装させ、バレリーナはウィックバースの中央舞台に優雅にピルエットしている。
彼女の演技は単なる身体能力を超越し、キャラクターの内面的な葛藤を巧妙に表現している。レン・ワイズマン監督の視覚センスとチャド・スタヘルスキーのアクション演出の融合により、フランチャイズの新境地が開拓されている。
特に印象的なのは、バレエの優雅さと暗殺者の冷酷さを同時に体現するデ・アルマスの存在感で、彼女一人でこの作品を成功に導いている。音響設計と撮影技術も一級品で、視覚と聴覚の両面から観客を圧倒する。
② アナ・デ・アルマスはバレリーナで致命的で優雅なアクションヒーローとなり、死との新しい暴力的なダンスをスタイリッシュに提供するジョン・ウィックフランチャイズからの見事な転換を実現している。
彼女のパフォーマンスは肉体的な力強さと感情的な深みを兼ね備えており、復讐に燃える女性の複雑な心境を見事に描写している。
アクションシーケンスは革新的で、特に火炎放射器を使った決闘シーンは映画史に残る名場面として語り継がれるだろう。
キアヌ・リーブスの適度な登場も、新旧キャラクターの絶妙なバランスを保っている。
③ タイトルが示すように、バレリーナは的確で洗練されている。アナ・デ・アルマスはキアヌ・リーブスである必要はなく、独自の魅力でこの世界を支配している。
映画は緩やかに始まりスリリングなクレッシェンドに向かって構築され、適切なジョン・ウィックフランチャイズと並んでその正当な場所を獲得している。
特に最終章の連続アクションは圧巻で、観客を最後まで釘付けにする。
プロダクションデザインも秀逸で、オーストリアの美しい景観がアクションシーンに壮大さを加えている。スタント技術の完成度は業界最高レベルで、実写アクションの可能性を押し広げている。
④ バレリーナは復讐に駆られたボディカウント・ボナンザとして、観客の期待を完全に満たしている。
イヴ・マカロはこのユニバース内でしっかりと旗を立て、フランチャイズがより良くなったこと、そしてアナ・デ・アルマスが真の悪者であることの二つを証明している。
彼女の戦闘スタイルはジョン・ウィックとは明確に差別化されており、より感情的で直感的なアプローチを取っている。
脚本は予測可能な部分もあるが、キャラクターの動機が明確で、観客は最後まで彼女を応援したくなる。撮影技術と編集も申し分なく、アクションの流れが自然で理解しやすい。
⑤ 革新的なアクション、スリリングなスタント作品、そしてデ・アルマスからのバックボード粉砕パフォーマンスで、バレリーナはアクションファンとウィックファンの両方を確実に満足させる認定された爆発的な作品となっている。
特に注目すべきは、女性アクションヒーローとしての新境地を開拓している点で、従来の「強い女性キャラクター」の枠を超越している。
音楽も素晴らしく、タイラー・ベイツの楽曲がアクションシーンの緊張感を高めている。プロダクション価値も高く、衣装デザインから小道具まで細部にわたって丁寧に作り込まれている。
(https://www.rottentomatoes.com)
Metacritic(総合評価:59/100)

① バレリーナは技術的に優れたアクション映画として成功しているが、物語面での深みに欠ける作品である。
アナ・デ・アルマスの身体的パフォーマンスは称賛に値し、彼女の6か月間の特訓の成果が画面全体から伝わってくる。アクションシーケンスの振り付けは芸術的レベルに達しており、特に火炎放射器を使った決闘は映画史に残る名場面となるだろう。
しかし、キャラクターの動機や背景の描写が浅く、観客が感情移入するには時間が足りない。それでも純粋なエンターテインメントとしては十分な価値を持っている。
音響設計と撮影技術は一級品で、IMAX での鑑賞を強く推奨する。
② ジョン・ウィックユニバースの拡張として、バレリーナは成功と失敗の両面を持つ複雑な作品である。
成功面では、アナ・デ・アルマスという完璧なキャスティングと、チャド・スタヘルスキーの追加撮影によるアクションシーンの完成度が挙げられる。
失敗面では、オリジナルシリーズのような洗練されたストーリーテリングが不足している点である。
キャラクター開発が不十分で、特に悪役の動機が薄っぺらい。しかし、視覚的スペクタクルとしては申し分なく、アクション映画ファンには満足できる内容となっている。レン・ワイズマンの演出は安定しており、フランチャイズの DNA を適切に継承している。
③ バレリーナは予想以上に楽しめる作品だが、ジョン・ウィックシリーズの高い水準には及ばない。アナ・デ・アルマスは魅力的で説得力のあるアクションヒーローを演じており、彼女の存在だけでも鑑賞する価値がある。
アクションシーンは創意に富んでおり、従来の銃撃戦に加えて手榴弾や火炎放射器などの多様な武器が効果的に使用されている。
プロット自体は予測可能だが、実行レベルが高いため大きな問題とはならない。音楽とサウンドデザインも秀逸で、アクションの迫力を最大限に引き出している。続編への期待を抱かせる仕上がりである。
④ アナ・デ・アルマスのスター性が全面に押し出されたアクション・スペクタクルとして、バレリーナは一定の成功を収めている。
彼女の演技は身体的な力強さと感情的な脆弱性を巧妙にバランスさせており、新たなアクションヒーローの誕生を感じさせる。
レン・ワイズマンの演出は視覚的に印象的だが、物語の構成にはやや課題が残る。特に第一幕のペースが遅く、アクションが本格化するまでの時間が長すぎる。
それでも、一度アクションが始まれば観客を最後まで引きつける力がある。プロダクションデザインも美しく、特にオーストリアでの撮影シーンは圧巻である。
⑤ バレリーナは完璧ではないが、フランチャイズファンには満足できるスピンオフ作品である。
アナ・デ・アルマスの献身的なパフォーマンスがこの作品の最大の魅力で、彼女なしにはこの映画は成立しなかっただろう。
アクション演出は一級品で、特に最終決戦の連続アクションは息をつく暇もない。キアヌ・リーブスの適度な登場も効果的で、新旧キャラクターの橋渡し役として機能している。脚本に粗はあるが、視覚的な魅力と演技陣の熱演でカバーされている。総合的には、アクション映画として及第点以上の出来栄えである。
批評家レビュー
Variety誌 4/5 「意欲作」
ピーター・デブルージュ「バレリーナは典型的なジョン・ウィック流の復讐劇を、スクリーンライフ技術で現代的にアップデートした意欲作」
デブルージュはバレリーナを「視覚的に印象的だが物語的には物足りない」作品として評価している。
彼は特にアナ・デ・アルマスの身体的献身を称賛しつつも、キャラクター開発の浅さを指摘した。「アクションシーンは確実にフランチャイズの水準を維持しているが、イヴの動機や背景がジョン・ウィックほど説得力を持たない」と分析している。
また、レン・ワイズマンの演出について「ミュージックビデオ的な視覚センスは光るものの、長編映画としての構成力には課題が残る」と評価。技術面では火炎放射器を使った決闘シーンを「今年最も記憶に残るアクションシーケンス」として絶賛している。
彼はまた、「プライム会員であっても、90分間のAmazonの長編コマーシャルを見ているような感覚になる」と皮肉交じりに評している。
評価点
デ・アルマスの圧倒的な身体能力、革新的なアクション振り付け、美しいロケーション撮影、火炎放射器決闘シーンの完成度
批判点
予測可能なプロット、キャラクター描写の浅さ、ジョン・ウィックとの差別化不足、物語構成の粗さ
Empire Magazine誌 1/5 「薄い」
イアン・フリアー「バレリーナはジョン・ウィック世界の可能性を広げる一方で、オリジナルの魅力を薄めてしまった」
フリアーは「アナ・デ・アルマスという完璧なキャスティング」を高く評価しながらも、作品全体としては「安全な選択に終始した凡作」と厳しく判定した。
特にスクリーンライフ技術の使用について「ギミック的で物語に深みを加えていない」と批判。しかし彼はアクションシーンの完成度は認めており、「チャド・スタヘルスキーの追加撮影による影響が明らかで、特に第三幕の戦闘シーンはフランチャイズ最高レベル」と評価している。
また、ルスカ・ローマの設定拡張については「世界観の深化に貢献している」として肯定的な見解を示した。「オーソン・ウェルズが1938年にラジオで使った手法を現代のスクリーン技術で再現するアイデアは興味深いが、実行が伴っていない」と指摘している。
評価点
デ・アルマスの魅力的な演技、第三幕のアクション完成度、世界観の拡張、ルスカ・ローマ設定の深掘り
批判点
安全すぎる脚本、スクリーンライフ技術の必然性不足、オリジナリティの欠如、「プライム・ナンセンス」な商業主義
Entertainment Weekly誌 B+ 「愚かで面白い」
ジョーダン・ホフマン「愚かだが楽しい、それがバレリーナの魅力」
ホフマンは29人の批評家中唯一の肯定的評価を与えた批評家として注目を集めた。
彼は「確実に愚かな映画だが、同時に非常に楽しい」とユニークな視点を提示。「この映画を真面目に分析するのはナンセンスで、純粋にエンターテインメントとして楽しむべき作品」と主張している。
特にコメディ的要素について「意図的ではないユーモアが随所にあり、それがかえって魅力的」と分析。また、デ・アルマスの演技については「彼女の真剣さが逆に面白さを生んでいる」と独特の評価を下している。
アクションシーンについても「バカバカしいほど大げさで、それが良い」と称賛し、「批評家たちが酷評する理由が理解できない」と他の批評家の厳しい評価に疑問を呈している。
評価点
エンターテインメント性の高さ、デ・アルマスの真剣な演技、意図しないコメディ要素、アクションの爽快感
批判点
知的な深みの不足、プロットの単純さ、キャラクター開発の不十分さ、批評的価値の低さ
個人的な感想評価:78点
普通に面白くて驚いた。だいたいシリーズに乗っかるような外伝的作品って大体微妙なことが多いが、今作に限っては「本家超そうぜ」って意欲が伝わってくるので嬉しい限り。もちろん全体的に脚本やアクションに粗はあるが、ジョン・ウィック自体もそんなに完璧な作品ではないので、まぁご愛嬌。全体的にまとまっているのでそんな小さいことは気にしないで楽しめる作品だってこと。これはジョン・ウィック4と同じIMAXで見るのを勧める。
細かい感想↓
いきなりイヴのパパが敵に襲われるが、パパがいきなり半端な格闘術で敵を薙ぎ倒すのだが、ジョンウィックのようなしなやかでスピード感あふれるとはいかず、、、スピード感がない状態でジョンウィックの真似をするもんだから、敵に堂々と背中など弱点を晒しまくって戦うもんだからスッゲェ面白くない冒頭ではあった。
が、ここからいきなり加速する。
イヴが組織に入って訓練を始めるのだが、
ずっと曖昧だった、ジョン・ウィックはどんな訓練をしてあんな最強の男になったのか?を少し理解できるため、目が離せなくなるのだ。胸の前で銃を構えるCARシステムと呼ばれる独特の構えもイヴたち訓練生はまだまだモノにできておらず、エアガンを使った訓練では何度も何度も失敗を繰り返すシーンや、柔術、格闘技など多彩な技はこんな場所で死ぬ程努力をした賜物だったのだなと、ジョンの強さの秘密を垣間見えたようで少しニヤリとする。し、まさかのジョン・ウィックが彼女たちの前に現れたりするのはニヤッとした。
で、後から知ったけどこのバレリーナは3と4の間の物語だったからなのね。
予告を見ていなかったからニヤッとした。
が、イヴの初任務、カトラを襲ってきたアジア人がみんな蹴り技しかしねぇのよ。ずっと飛び蹴りか回転蹴りのみ、しかも当てる気がないジャッキーチェンみたいなアクションが始まっておいおいおいおい、ってなる。
でも次に任務終了後に突然車で衝突されながら銃を乱射シーン、まさかのノーマン・リーダスのショットガン戦なんかは鳥肌たった。ノーマンの動きはもっさりしていたけど、カッケェからなんでもOKってなる不思議。
色々あってカルトの街で大立ち回りをするシーンのアクションは見応えがあり、まさかのジョン・ウィックの登場と大人の対応されたり、その後残り30分でボス殺せよな!って許可もらった後に、ジョンウィック顔負けのガンフーを見せてくれたりと、そこらの外伝的続編とは思えないほどの質には正直驚かされた。
4のドラゴンブレス弾のショットガンのシーンとか大好きな男なんだけどさ、まさかの火炎放射器でガンフー繰り出して次々焼き殺すシーンとか。
そして、おそらく映画史上初の火炎放射器同士の一騎打ちシーンとかさ、、、後半につれてアクションが極まっていく感じが好き。
いやいや、どう逃げても死ぬだろって感じなんだけどさ、また見事にハンドガンと組み合わせて無双していくシーンなんかはもうね・・最高。
もちろん、変なところに隙があったり、がっかりアクションがあるのはお約束ってことで、ジョン・ウィックシリーズも全部が全部面白い!って訳じゃないから、正直2と3よりは良い作品と思うぐらいには面白いかなと。
父を殺された少女が暗殺者になって復讐する。というシンプルな展開、そこにジョン・ウィックシリーズの全く妥協していない超絶アクション、見事な映像美、ついでに豪華なノーマン・リーダスとまさかのキアヌ。リーヴス登場、そりゃ面白いと感じるわけだ。
まとめ
この記事では、「ジョン・ウィック バレリーナ」の完全なあらすじネタバレから海外での評価状況、そして作品の総合的な価値まで詳細に解説。
評価の面では、海外で批評家スコア76%、観客スコア94%という高評価を獲得し、特に観客満足度はフランチャイズ史上最高を記録し「2025年最高の純粋アクション映画」と絶賛されている。
注目度としては、一時的にRotten Tomatoesで0%を記録した「ウォー・オブ・ザ・ワールド」とは対照的に、ポジティブな話題で盛り上がり、特にデ・アルマスの身体的献身やスタント演技が大きく評価され、女性アクションヒーローとしての新境地を開拓したと評された。
海外では「ジョン・ウィック世界の成功した拡張」として受け止められ、続編制作やドニー・イェンのケイン・スピンオフへの期待も高まっています。プロットの薄さやキャラクター描写の不足といった批判はあるものの、純粋なエンターテインメントとしての価値は広く認められ、フランチャイズの未来を明るく照らす成功作として位置づけられているのがファントしては嬉しい。
次は、エイリアン・アースだ!頑張れリドリー!楽しみ!
2025年日本未公開映画
ネタバレ↓