
「正統続編にふさわしい見事な作品」全米で2025年5月30日に公開され大絶賛された映画「ベスト・キッド レジェンズ」のあらすじ結末までネタバレ解説と海外の感想評価をまとめて紹介。家族の悲劇を経てニューヨークに移住した中国系カンフーの天才少年李鋒(リー・フォン)の物語。IMDbでの評価は6.3/10点。ジョナサン・エントウィスル監督、ベン・ワン主演でジャッキー・チェンとラルフ・マッチオが共演。
『ベスト・キッド レジェンズ』物語結末ネタバレ
ここから先は『ベスト・キッド レジェンズ』の核心である重大なネタバレを含む。
悲劇の出発
1985年の夏、宮城先生がダニエル・ラルッソに宮城流空手の起源を語る場面から物語は始まる。17世紀の宮城家の祖先が漁の最中に中国に辿り着き、ハン家に助けられてカンフーを学び、沖縄に戻って宮城流空手を発達させたという歴史が明かされるのだった。
現在の中国北京では、地元のカンフー道場でハン師父(ジャッキー・チェン)のもとで修行を積む物静かな主人公リー・フォン(ベン・ワン)が、母親の仕事の都合でニューヨークに引っ越すことになる。しかしリー・フォンには深い心の傷があった。兄のボーが武術大会で勝利した後、対戦相手からの逆恨みでナイフで刺されて死んでしまったのだ。
兄と一緒に襲撃を受けたリー・フォンは恐怖で身動きが取れず、兄を助けることができなかった。この深い後悔を抱えるリー・フォンに対し、息子を亡くした母親はニューヨークに行く約束として武術の使用を禁じるのだった。
新たな出会い
ニューヨークに到着したリー・フォンは新しい学校になじむことに苦労していたが、明るい少女ミア・リパーニ(セイディー・スタンリー)と出会い、共に行動しながら絆を深めて笑顔が戻りつつあった。
しかしリー・フォンはすぐに学校で地元の空手チャンピオン、コナー・デイ(アラミス・ナイト)に目をつけられ、いきなり決闘する羽目になる。クラスメイトたちが取り囲む中、強豪のコナーに対して本気を出して技を繰り出すリー・フォンだったが、あっさりと蹴りのカウンターを受けてノックダウンしてしまう。
ミアの父親である元ボクサーのヴィクター・リパーニ(ジョシュア・ジャクソン)に手当てを受けていると、借金を抱えるヴィクターを痛めつけようとやってきた暴漢たちが現れる。リー・フォンは封印していた武術を解放して暴漢を一掃した。
リー・フォンの圧倒的な強さを目の当たりにしたヴィクターは、もう一度リングに復帰して借金を返済したいとリー・フォンにコーチを頼み込む。一度は断ったリー・フォンだったが、ハン師父に電話で相談してトレーナーを引き受けることにした。
リー・フォンはヴィクターに徹底的にカンフーの修行を施し、ついに復帰戦が始まる。ヴィクターはリー・フォンの教えた足運びで終始対戦相手を圧倒するが、ボスのオシェアの指示で相手が反則技を使ってヴィクターをノックアウトし、病院送りにしてしまう。セコンドにいたリー・フォンは兄を助けられなかった記憶がフラッシュバックして動けなくなり、ミアを失望させるのだった。
師父たちの再会
リー・フォンが家に戻るとハン師父がやってきて、一緒に小さな道場へ向かう。道場には宮城先生の写真が飾られており、そこでハン師父が手を合わせていると、初代ベスト・キッドで宮城先生に空手を教わった空手師範ダニエル・ラルッソ(ラルフ・マッチオ)が現れた。
ハン師父の相談を受けたダニエルは、2人でリー・フォンを鍛えて近々行われる空手トーナメント大会に出場させることに同意する。ダニエルとハン師父は流派の違う異なる指導方針に四苦八苦しながらも、リー・フォンに空手とカンフーの技術を融合した新しい戦闘術を会得させていく。
空手トーナメントの予選が始まると、リー・フォンもライバルのコナーも順調に勝ち上がり続ける。トーナメントの合間もトレーニングは続き、地下鉄の改札をくぐり抜ける動作から「虎の罠」と呼ばれる奥義を閃くのだった。
結末ネタバレ:勝利と成長
決勝戦は夕暮れ時のビルの屋上という印象的なロケーションで行われる。互いに互角の実力で拮抗するが、最終的にリー・フォンの「虎の罠」でコナーに決定的な一打を与えて勝利する。このとき、とどめを刺すこともできたが、リー・フォンは拳を納めた。兄の死の痛み、ヴィクターへの理不尽な暴力への怒りなどを乗り越えて、真の武道家として成長したのである。
後日、リー・フォンは愛する人たちと祝福の時を過ごす。映画の最後に、ダニエルの道場にニューヨークから感謝のピザが届く。中には感謝の言葉と優勝時の写真が入っており、ダニエルが道場に戻るとそこには永遠のライバルだったジョニー・ローレンス(ウィリアム・ザブカ)の姿があった。2人は今も仲良くしているようで、ジョニーが「宮城先生のピザ店を開くのはどうだ?」とダニエルに冗談を言って物語は締めくくられる。
(私はこのシーンで泣いた。ボロ泣きした。)
『ベスト・キッド レジェンズ』作品情報
ベスト・キッド レジェンズのネタバレを読んで興味を持った読者のために、この最新作がいかにしてシリーズの新たな章を切り開いたかについて詳細を紹介する
2010年版『ベスト・キッド』と人気ドラマシリーズ『コブラ会』の世界を統合した本作は、ジャッキー・チェンとラルフ・マッチオという二人のレジェンドが共演することで話題となった画期的な作品となっている。
ベスト・キッド レジェンズ興行収入
製作費4500万ドルに対して全世界で1億1454万ドルの興行収入を記録した。
アメリカ・カナダでは5254万ドル、海外では5780万ドルを稼ぎ、オープニング週末は2030万ドルで3位デビューを果たした。『リロ・アンド・スティッチ』と『ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング』に続く成績だったが、配給会社はこの興収は予想を下回る結果と発表。
これはファンがNetflixの『コブラ会』に慣れ親しんでいたことと、家族向け作品の競争が激しかったことが要因とされているらしいが、逆にファミリー映画ではなく見事な続編と感じた信者たちによってこの興収は生み出されていることは驚異的と思うべきではないだろうか。
ジョナサン・エントウィスル監督紹介
Netflix の人気シリーズ『このサイテーな世界の終わり』と『ノット・オーケ』で注目を集めた若き才能である。
本作が長編映画監督デビュー作となり、シリーズの過去全作品を巧みに統合する野心的な脚本に挑戦した。エントウィスルは「ミヤギ先生とハン師父がダニエルとの繋がりの鍵となる。ハン家とミヤギ家は古い時代から繋がっており、これまでの映画の中にその言及を探すことができる」と語っている。94分という簡潔なランタイムで物語をまとめ上げ、往年の80年代ハリウッド映画のような爽快感を現代に蘇らせることに成功している。
当初見事な青春偶像劇を作り上げるエントウィスル監督の起用に懐疑的な意見も多かったが全て払拭している。彼はインタビューで
「本格的な劇場映画を作るという夢を追った結果だった。それがすべての監督の最終目標であるべきだ。大きな劇場映画を作り、自分のトーン、技術、そしてチームを持ち込むというアイデアに魅力を感じた」
「30歳以上の人は皆、ミスター・ミヤギを知っている。『ワックスかけて、ワックス取って』を。これは確実に挑戦だった。なぜなら、ベスト・キッド映画とは何かという基本的な期待の型を破りたくなかったが、それでも現代的な劇場映画を作りたかったからだ」
このように語り、カラテキッドというブランドを深く理解した上で本作を愛し制作に挑んでいることが窺い知れる。
個人的に、「このサイテーな世界の終わり」はNetflixオリジナルドラマで1、2位を争う面白さ、全てにNetflix好きにこのドラマをおすすめしたい。
5年前に書いたシーズン2への恨み言、シーズン1への愛を書いた記事はこちら↓おそらく今よりも日本語に苦労していた時期でもあるので読みづらさは最強格。注意。
で、そんな監督がまさか2作目のドラマシリーズを作っていたことを今知った↓
主演リー役「ベン・ワン」紹介
25歳の中国系アメリカ人俳優で、Disney+シリーズ『アメリカン・ボーン・チャイニーズ』での主演で注目を集めた新星である。
本作のオーディションは世界規模で行われ、ジャッキー・チェンとラルフ・マッチオ自身が選定に関わった。ワンは実年齢よりもずっと若く見え、批評家たちは彼を「思春期のブルース・リー」と評している。
武術の素養があり、アクションシーンでは見事な身体能力を披露している。カリフォルニア出身の彼は、中国系移民として新天地で奮闘するリーの心境を説得力をもって演じきった。演技力と武術の才能を兼ね備えた彼の魅力的な演技が、複雑な家族の悲劇を背負うキャラクターに深みを与えている。
助演ミア・リパーニ役「セイディー・スタンリー」紹介
Disney+『ザ・ゴールドバーグズ』や『キム・ポッシブル』映画版で知られる若手女優である。本作では李鋒の恋人役として、明るく自信に満ちた現代のニューヨーク女性を演じている。
父親のピザ店で働きながらも前向きな姿勢を失わないミアを、スタンリーは自然体で魅力的に表現した。李鋒が心を開くきっかけとなる重要な役柄を担い、アクション映画でありながらロマンスの要素も効果的に盛り込んでいる。批評家たちは彼女とベン・ワンの化学反応を高く評価し、二人の関係性が物語に温かみを添えていると絶賛している。
海外の感想評価まとめ
海外での評価は批評家と観客で大きく分かれる結果となった。
批評家たちは予測可能な脚本と急ぎ足な展開を批判する一方、観客は懐かしさと新鮮さを併せ持つエンターテインメント作品として高く評価している。特にRotten Tomatoesでは観客評価91%という驚異的な数字を記録し、これはシリーズ史上最高の観客スコアとなっている。
IMDb(総合評価:6.3/10)
①私が最も印象に残ったのは、カンフーと空手、そしてボクシングまで組み合わせた戦闘シーンの多様性だった。ジャッキー・チェンのユーモアセンスが作品に軽快さを与え、全体的に満足のいく仕上がりになっている。
ダニエルの出番をもう少し増やして欲しかったが、コブラ会の後でシリーズを台無しにするのではないかと心配していた私にとって、宮城道場の世界観を継承する立派な作品だった。
②私は物語の冒頭でカンフーと空手の繋がりを説明する部分と、エンドクレジット直前のシーンが特に気に入った。
コブラ会のキャストのカメオ出演があれば更に良かったが、テンポの速い展開では時間的に難しかったのだろう。間違いなくもう一度観たいし、ブルーレイが発売されたらコレクションに加えるつもりだ。
③私の正直な感想として、これはファンサービス的な懐古映画という色合いが強かった。新しい空手キッドは嫌味がなく好感が持てるキャラクターで、アクションと振り付けは素晴らしかった。
しかし、優れたベスト・キッド映画になり得たポテンシャルがあったのに、実行が不十分だった。キャラクターが活かしきれておらず、脚本も散漫で一貫性に欠けていた。
④私は映画全体としては良作だと思う。似たような物語構造でありながら、いくつかの変更点は気に入った部分もある。
後半が急ぎ足になっているのは確かだが、主人公が最後に悪役と戦うことは分かりきっているのだから、わざわざクライマックスに時間をかける必要もないだろう。シネマトグラフィー8点、演技6.5点、ストーリー6点、アクション10点、ペーシング6点が私の評価だ。
Rotten Tomatoes(批評家:58% / 観客:91%)
①私は久しぶりにオリジナルのベスト・キッドが映画に登場するのを見て感激した。ジャッキー・チェンは期待通り素晴らしく、ユーモアに溢れてエキサイティングな空手アクションを披露している。
とても楽しめる映画だった。二人のレジェンドを観るのは少し安っぽくてコーンな部分もあったが、それでも十分に楽しかった。
②私が感じたのは、これはベスト・キッドの物語の現代的な再話だということだ。80年代オリジナルの感覚や人気に匹敵するかといえばノーだが、一つだけ不満があるとすれば、物語展開が高速すぎることだ。
プロットが急ぎ足に感じられたが、それでも心温まる映画には変わりない。
③私の印象では、これは典型的な少年が少女に出会い、その少女にクレイジーな元彼がいるという物語構造だったが、それでも上手く機能していた。
ダニエルのキャラクターは必要ないと感じたし、強引に挿入されている印象を受けたが、それでも新しいベスト・キッド・レガシーを紹介する良い方法だった。
Rotten Tomatoes – ベスト・キッド レジェンズ
Metacritic(総合評価:51/100)
①私が思うに、これはTikTok世代に向けて再話された古典的物語だ。
ベン・ワンは素晴らしい主演を務め、ジャッキー・チェンとラルフ・マッチオは見事なケミストリーを見せている。もっと二人のスクリーン時間があれば良かったが、このシリーズの混在するフランチャイズの中では優れた作品の一つだった。
②私の評価では、『ザ・ネクスト・ベスト・キッド』が達成できなかったことをこの作品は実現している。友情、勇気、勇敢さ、そして素晴らしい戦闘シーンに関する物語だ。救済、人間性、思いやり、家族、親切さ、そして正しいことをするという、ベスト・キッドの永続的なテーマがここで美しく実現されている。
③私の見解では、これは家族全体で楽しめる可愛らしい軽快な映画だ。90年代に制作された最高の映画を思い起こさせる作品で、ベスト・キッド・サーガや良く書かれた脚本が好きなら、この映画を愛するだろう。ただし、これは新しい物語である点に注意が必要だ。
批評家レビュー
海外の専門批評家による『ベスト・キッド レジェンズ』の詳細な評価を紹介する。
本作は懐かしさへの訴求力とベン・ワンという新星の魅力を軸に展開されているが、批評家たちの反応は賛否両論に分かれている。予測可能な物語構造と既視感のある展開に対する批判がある一方で、キャストの魅力とアクション演出を評価する声も多い。
Variety 評価点
オーウェン・グライバーマン氏「この映画は恥じることなく基本的で健全であり、94分という時間で爽快にまとめられている」
本作の最大の魅力は、40年続くフランチャイズの第6作目でありながら、技術的な過剰演出に走らず、80年代の「無邪気さ」へと観客を運んでくれる点にある。主演のベン・ワンは25歳だが実年齢よりもずっと若く見え、「思春期のブルース・リーのような雰囲気」を醸し出している。
彼はブルース・リーの格闘の天才性を連想させるわけではなく、むしろリーの持っていた繊細さを体現している。その軽やかさがリーの獰猛さの裏返しであり、人間の剃刀のような素早さを可能にしていたのだ。
評価点
ベン・ワンの魅力的な演技、80年代ノスタルジアの効果的な活用、簡潔なランタイム
批判点
予測可能な物語構造、既視感のある展開、急ぎ足な後半部分
Roger Ebert.com ★★★½
マット・ゾラー・サイツ氏「過去の全ての作品を一つの輝かしい伝承の塊に押し込もうとする決意において印象的であり、同時に苛立たしくもある」
本作で最も興味深い要素は、リーが既に複数の相手との路上での乱闘で身を守れるほどのカンフー技術を持ち、通常は銀髪の達人が担うメンター役を果たせるほど優れた指導者でもあるということだ。
リーのアキレス腱は生死に関わる瞬間での麻痺状態である。これは兄の死から生じるPTSDの現れで、兄は武術大会で勝利した後、対戦相手に待ち伏せされて殺害され、その時リーも一緒にいたのだった。
評価点
シリーズ統合への野心的な取り組み、キャラクター設定の工夫、ニューヨークの魅力的な描写
批判点
設定の複雑さ、一週間での習得という非現実性、過去作品との強引な繋げ方
The Guardian 評価点
アンドリュー・ローレンス氏「暖かく、爽やかで、夏の家族の楽しみの爆発のような作品だ」
本作は古い映画や『コブラ会』のエピソードを振り返ることを確実に促し、武術の師弟関係への新たな興味をかき立てるだろう。
誰もがこの作品から何かを得ることができるはずだ。ジャッキー・チェンとラルフ・マッチオの復帰による懐古的な魅力に大きく依存しているものの、技術的にはもう少し鍛錬が必要だが、それでも観客を喜ばせる要素を十分に含んでいる。
評価点
家族向けエンターテインメントとしての完成度、懐古的魅力の効果的活用、夏映画としての爽快感
批判点
技術的な粗さ、革新性の欠如、安全な選択肢に留まっている
(The Guardian – ベスト・キッド レジェンズ)
The Hollywood Reporter 評価点
フランク・シェック氏「この公式に追加されるオリジナル要素は皆無だ」
最新のフランチャイズ作品は、確実に機能する公式ではあるが、心地よい時間つぶし程度の存在でしかない。
それ以上でも以下でもない。1986年の『ベスト・キッド2』からの映像で始まり、過去の作品への数多くのコールバックがあり、エンドクレジットではもう一人のフランチャイズの重鎮によるカメオ出演も用意されている。
評価点
確実に機能する物語構造、過去作品へのリスペクト、安定したエンターテインメント
批判点
オリジナリティの完全な欠如、公式の繰り返し、新鮮味のない展開
(The Hollywood Reporter – ベスト・キッド レジェンズ)
個人的な感想評価:70点
ツッコミどころは満載のカラテ映画風の作品ではあるが、あの初代ベストキッドの正統続編にふさわしい見事な脚本、テンポの良い展開、アクションは大味だが初代もそんな感じだったし、それすらもちょっとニヤリとしてしまうので、ファミリー映画としてではなく、ベストキッドファンに感動を覚える見事な続編として楽しめる。
大ぶりなアクション、ジャッキーなアクション、アメリカ人好みなカラテ風アクション、地下鉄の改札口でやる意味がわからない奥義の練習、最初から強いリーに1週間の修行でなんで勝てるんだ?、カラテ大会?、彼女とヴィクターの後付けみたいな展開いる?、ヴィクターの命をかけた復帰戦!という割にヴィクターの体がダルんダルんじゃんかよ、せめてボクシングのアクションぐらいは・・・と思っていたけど、お互いに殴られるのを待つダルいアクションシーンとかね。
でも、それでいい。
それもダニエルの登場で全て吹っ飛び、カンフーの達人と空手の達人の2人から修行を受けるという見事な展開でツッコミは吹っ飛んだ。
ちょっとチープだけど、主人公リーの目指す点がいじめっ子に勝つために努力をする。この王道展開が箸休めにちょうど良い。
海外レビューを総合すると、この作品は確かに予測可能で安全な選択に留まっているが、それでもエンターテインメント作品としては及第点を超える仕上がりを見せている。特にベン・ワンの新星としての魅力と、ジャッキー・チェンとラルフ・マッチオという二人のレジェンドが同一画面で共演する貴重さは、多少の脚本の弱さを補って余りある。
批評家たちが指摘する「急ぎ足な展開」や「深みの欠如」は確かに存在するが、94分という簡潔なランタイムの中で複数のフランチャイズを統合し、新しい主人公を確立するという困難な課題を考えれば、むしろ良くまとまった作品と評価すべきだろう。
観客評価91%という驚異的な数字が示すように、プロの批評家が求める革新性や深刻さよりも、観客が求める楽しさと懐かしさを優先した判断は正しかったと思われる。
まとめ
この記事では『ベスト・キッド レジェンズ』の物語結末まで完全ネタバレ、作品情報、海外の詳細な感想評価をまとめて紹介した。期待されていたのは『コブラ会』の成功を映画でも再現することだったが、実際の内容は懐かしさと新鮮さを併せ持つ家族向けエンターテインメント作品となった。
海外での評価は批評家の58%に対して観客91%という大きな差が印象的で、これはシリーズ史上最高の観客評価となっている。この映画が集めた注目は、40年続くフランチャイズに新たな息吹を吹き込む可能性を示している。ベン・ワンという中国系アメリカ人俳優の起用により、ようやくアジア系主人公による本格的なベスト・キッド映画が実現した意義は大きい。
海外では「予測可能だが心温まる」「革新性はないが楽しめる」という受け止め方が一般的で、批評家が求める芸術性よりも観客の娯楽性を重視した作品として評価されている。製作費4500万ドルに対して全世界1億1454万ドルという興行成績は続編制作の可能性を十分に示唆しており、シリーズの未来に希望を抱かせる結果となった。
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