映画『殺しを呼ぶ卵』物語結末ネタバレ!現代でも通用するエログロカルト映画とは




「50年以上カルトの王として君臨した傑作」映画『殺しを呼ぶ卵』物語結末までネタバレ!日本でこの映画がカルト映画として君臨している理由とはがわかるかもしれない見応え抜群のスリラーを堪能してください。

↑最長版のこのポスターはそんなに映画に関係ないので気にしない方が良い。そんなことしなくてもこの映画は面白い。

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映画『殺しを呼ぶ卵』作品情報

上映日:1968年1月9日(イタリア)
上映時間:1時間26分
制作:イタリア/フランス
言語:イタリア語
オリジナルタイトル:La morte ha fatto l’uovo
英語タイトル:Death Laid an Egg
日本語タイトル:殺しを呼ぶ卵
日本語公式サイト
制作会社
Summa Cinematografica
Cine Azimut
Les Films Corona

あらすじ

骨なしニワトリの遺伝子操作を行うハイテク鶏肉工場の堕落した経営者は、支配的な妻や性的解放を受けた従妹との三角関係に引き込まれ、裏切りや殺人に至る。

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スタッフ/キャスト

監督&脚本
ジュリオ・クエスティ
原作者
フランコ・アルカリ

キャスト
ジーナ・ロロブリジーダ…アンナ
ジャン=ルイ・トランティニャン…マルコ
エワ・アウリン…ガブリエル
ジャン・ソビエスキ…モンディーニ
レナート・ロマーノ… ルイジ

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映画『殺しを呼ぶ卵』物語結末ネタバレ!

オープニング。

ホテル。

謎の男がビニール袋を頭にかぶり自殺の準備をしているのだろうか。

マルコ(ジャン=ルイ・トランティニャン)は売春婦をモーテルに誘い込み、叫び声を聞きながら刺し殺した後行為を行う異常な性愛癖を持つ連続殺人鬼のようだ。(そしてその様子を覗き見する変態男。)

Death Laid an Egg (1968)

マルコは妻のアンナ(ジーナ・ロロブリジーダ)と近代的でハイテク設備と品種改良のための実験施設が併設された巨大な養鶏場を経営している。会社の実権は勝ち気な性格の妻アンナが実質経営権を握っているようだ。さらに2人の屋敷に同居している従兄弟のガブリエル(エワ・アウリン)がいる。

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ガブリエルとの不倫

Death Laid an Egg (1968)

マルコはガブリエルと不倫関係を持っていた。ある日、敏腕プロモーターのモンディーニ(ジャン・ソビエスキ)が登場。モンディーニと親密そうにしていることに嫉妬したマルコはパーティー会場でガブリエルに襲い掛かり抱こうとするが突然の停電で興が冷めてしまいパーティーはお開きになる。

そんなアンナの元に”夫のマルコは浮気している”と記された差出人不明の手紙が届き気のせいだと手紙を捨てるがガブリエルがマルコをホテルで見かけたことがあると余計なことを言いアンナのなかで夫への不信感が募っていく。

そして再びホテルで売春婦を手足や口を縛るマルコはナイフ…ではなく口紅を取り出すとまるで切り傷のように売春婦の体に線を書くと、彼女の首筋から血を滴らせた後、姿見に手を擦り付けて満足そうな表情を浮かべるマルコの姿があった。彼は異常者なのだろう。

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首無し鶏の誕生秘話

ある日、マルコの目の前で飼い犬が餌を粉砕し鳥たちに撒く飼料製造機械に誤って落ちてしまい死んでしまう。

ある日、アンナに呼ばれて養鶏場に向かうと首も、骨も、羽も足だけが生えただけの鶏を発見する。研究者とアンナはこれを養鶏の歴史を変える大発見だと歓喜するが、マルコは飼い犬が潰されて飼料として撒かれたことが原因だと気付いているためこれは全て処分すべきだと言いアンナと研究者と壁が生じてしまう。全員がさった後、奇形の首無し鶏を一羽ずつ鉄パイプで叩き殺すのだった。

飼料製造機には別の使い道があると気がついたマルコは犬が落ちた周囲の転倒防止棚が簡単に外れるように工作。口うるさく性格の合わないアンナを事故に見せかけて飼料製造機に落として殺してガブリエルとの新しい人生を画策していた。

そして計画実行の日、アンナが養鶏場の見回りをしているのを見て(落下した描写などはないが、殺すつもりで)飼料製造機を作動させると逃げるように養鶏場を後にする。

マルコはホテルに向かい売春婦と楽しむために部屋に向かう。すれ違うようにモンディーニがトイレで顔についた”引っ掻き傷”を気にするようなシーンが挟まれる。マルコが部屋に入るとそこにはなぜかアンナの遺体が横たわっていた。タイミングよく警察が”マルコのいる部屋で殺人があったと通報があった”とフロントに向かうがすぐ横で待機していた売春婦たちがマルコには”何度も殺されているわ”と話し始め、実はマルコは殺し屋プレイごっこが好きな男で、売春婦を呼び出すとマルコが殺し屋”役”で売春婦が殺された被害者”役”になって行為に及ぶ男として売春婦の中では有名な”紳士”だったことが判明する(切り傷は口紅で、血は全て血糊だった。だが異常性愛者であることには変わりはないが)一応通報があったので売春婦たちを引き連れたアンナの死体を見つけたマルコの部屋に向かうがそこには誰もいなかった。

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エンディングネタバレ「殺しを呼ぶ卵」

マルコはアンナの死体を毛布でくるみ誰にも見つからないように車に乗せ養鶏場に向かう。その頃マルコの屋敷ではモンディーニとガブリエルが”これでここの経営権は私たちのものね”と計画の成功を祝っていた。ここで、アンナを殺したのはモンディーニで警察に通報したのも彼らの仕業で2人は夫婦だったことが判明。
さらに冒頭シーンでマルコが売春婦と殺人ごっこプレイを堪能しているのを覗いていたのはモンディーニで、マルコが本当に娼婦を殺している殺人鬼と思い込み今回の計画を思いついたこと。全てはこの養鶏場を乗っ取るための2人の計画だったことが明るみになる。

養鶏場に到着したマルコはあんなの遺体を飼料製造機にぶっ込もうとする前に彼女のアクセサリーを外そうとしていたら、アンナが手に握っていたのはモンディーニのブレスレットで彼がアンナを殺したことに気付き、ガブリエル、モンディーニ、点と線が繋がったマルコだったがその直後、自身で外した転倒防止柵が外れて飼料製造機に落ちて飼料となり養鶏場全域の鶏たちの餌になってしまう。

養鶏場の様子を見に来たモンディーニとガブリエルは飼料作成機の前のあんなの遺体を見つけて狼狽しているとタイミングよく警察が登場、どう見ても2人がアンナを殺したと察した警察は2人を連行する。

行方不明になったマルコを探すため養鶏場ないを見渡す警察の1人が産みたての卵を一つ拝借すると殻を割って中身をすするシーンで物語は終了する。

Death Laid an Egg (1968)


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海外の感想評価 IMDb 5.9/10

8/10
クエスティ監督は、欲やお金といった盲点になりやすいテーマを扱うのに絶好の機会を得た。

クエスティのテーマの扱い方は非常に風刺的で、この作品は3年後のマリオ・バーヴァの『血の湾』と近いものがある。両作品とも、金銭的な利益と自由を求めるあまりに暴力的になってしまう人間の能力という深刻なテーマを持ち、それを風刺的に論じ、最大限の効果を上げているのである。
また、純粋なジャイロ・ミステリーとして、観客は最後の最後で明らかになるまで何が起こっているのか分からないので、この映画は非常に豊かなものとなっている。クエスティは、フラッシュバックや夢や悪夢のようなムードなど、多くのシーンを “壊す “ような非常に興味深い編集テクニックを使っている。これにより、登場人物の内面や、彼らの様々な視点に深く入り込むことができる。
また、この映画には人間の潜在意識や本能に関する興味深いトピックがある。主人公のマルコは、その異常なまでの性的嗜好から「道徳的に堕落している」とみなされる。

しかし同時にクエスティは、人間の脳の中にある欲求、意志、欲望など、受け入れられなかったり「病気」と分類されることを恐れて、必ずしも口に出したくないものがどれほどあるのかを教えてくれる。私たちは、社会の道徳規範が「道徳的に病んでいる」マルコを追いかけるときに示唆するように、文明的で完璧な存在ではありません。
また、工場の実験室では、非常に悲惨で忘れがたい不条理なシーンがある。博士たちは、工場にとって商業的に極めて有益な操作された種類のニワトリを作り出し、同時に操作されたモンスターは自然の顔にたっぷりと唾を吐きかけているのです。

マルコは、「道徳的に間違っている」と悪者扱いされながら、これに反対し、周りの人たちにも反対している。クエスチには、重要な事柄や疑問があり、それを映画化する能力もあった。

ジャイロ・スリラーでリアルなテーマは非常に珍しく、クエスティはそれを非常にうまく表現している。ジャイロの中でも初期に作られた作品ですが、非常に優れた作品でもあります。

「ディアボリック」オンアシッド(しかも鶏肉たっぷり)
他の多くのヨーロッパのスリラー映画と同様に、この初期のイタリアン・ギアロは明らかにフランス映画「ディアボリック」の影響を受けており、裕福な夫、妻、愛人が互いに策略を巡らせるという基本的なプロットを持っています。

この映画では、後年の「So Sweet, So Perverse」のように、三角関係の第4の側面として、もう一人の男(ジャン・ソレル)を登場させるのである。しかし、この映画は普通のスリラーではない。ひとつには、60年代後半のサイケデリックでシュールなポップアートのような感性が、合理的なストーリーラインを常に圧倒する恐れがある(時折、そうなる)。もうひとつは、全自動の養鶏場という非常に奇妙な設定があることだ。(この工場の科学者たちが、翼もくちばしもない「怪物」ニワトリを作るシーンがあるのだが、これを見ると、一生ニワトリを食べないようにしたくなる)。
この珍しい設定が、産業界の陰謀という切り口を加え、さらに、奇妙な社会批評のようなものをこの作品に与えている。
演技はすべて非常に良い。ジャン=ルイ・トリティガンは、後に『So Sweet, So Perverse』で演じることになる役柄と似ているが、ここでは、道端のモーテルで売春婦を殺害する連続殺人犯にもなっているのかもしれない。ラテンのセックスシンボル、ジーナ・ロラブリドガは、この種の映画には珍しく、支配的な妻役で出演している(実際、彼女が出演した大予算の映画よりずっと面白いのだが…)。若い愛人を演じたのはエワ “キャンディ “オーリンだが、彼女は裸でなく、自然な(吹き替えなしの)重いスウェーデン訛りで話していないときは、それほど楽しめない。
(オーリンは『ザ・ダブル』という、さらに無名ではあるが素晴らしいジャイロ作品にも出演している)。しかし、この映画で一番いいのは、誰もが自分の正当な報酬を得ることに成功するエンディングである。この作品は絶対にチェックしてください。

10/10
鶏肉工場での殺人
この映画は、今日まで作られた映画の中で最も先鋭的なものの1つでなければなりません。この映画を初めて見たとき、私はまばたきもしなかったと思う。プロットは奇妙なもので、産業テロ(大量の肉を生産する新しい首なしミュータント鶏を殺したのは誰か)、ロマンス、倒錯、そしてただ単に奇妙なものが混在している。
冒頭のホテルで娼婦が無残に殺されるシーンでは、テープで頭を覆う男、歯磨き粉を流し込む者、鼻で笑う様々な醜い金持ちが映し出されます。最初から、誰もが狂っていて、隠れた精神病と、より明白な精神病があるというメッセージを与えている。これ以上筋書きを説明すると映画のネタバレになるので、何も言いません。私は80年代後半にギリシャで手に入れたのですが、どこかにあるはずです。

まとめと感想

まぁ50年以上昔の映画だから物足りなさはあるものの、当時センセーショナルな映画だったことは想像できる。グロテスクな描写が繰り返され見応えはあるし、不快感を誘うBGM、衣装デザインも見事で現代でも通用できるハイセンスな衣装はグッとくるし女優も誰もが美しく映画に華を添えている。少しだけ経営についての退屈で余計な展開やシーンがテンポを阻害していることを除けば、映画の良さを詰め込んだようなミステリー作品だった。

予告で見たこの強烈なシーンは何?と思ったがマルコがガブリエルと不倫ドライブをしているときにアンナとガブリエルの両親が自動車事故の回想シーンをフラッシュバックさせているシーンで登場。50年以上も前の映画とは思えないほどに強烈なシーンが目白押しで結構ビクッとするところの一つ。あとは首無し骨無し羽なし鶏の蠢くシーンと鉄パイプでぐっちゃぐちゃに潰すシーンは結構グロいし良いよ。

冒頭の売春婦を殺すシーンが随分演技っぽいなーと思わせといて実は本当に演技でしたってオチは面白い。BGMも不思議でアップテンポで不快感だったり色々と感情を逆撫でしたりする音楽である意味印象深いものがある。

Death Laid an Egg (1968)

が、やはり古い映画。アンナを落とすつもりだったけど死んでなかった経緯は、多分最初からガブリエルの足をアンナの足だと勘違いしたのか?電源を入れた時のガブリエルが何かに向かって叫ぶシーンなど前後の意味がわからなくなるシーンなど監督があえて視聴者の混乱を求めているのなら仕方がないが、説明不足すぎてついていけなくなることがある。冒頭のビニール袋をかぶろうとする男の存在は不気味だが最後まで説明されないのもスッゲェ気になってグッド。

余計な展開や説明はあるが極力映像で魅せようとしてテンポ良く物語が進むのは良いと思った。

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が、

内緒なんだけどyoutubeで『殺しを呼ぶ卵』が普通にアップされているので雰囲気だけ楽しみたい人はぜひ。上のネタバレ読んでから見れば8割は理解できると思う↓

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