
「こういう映画を待っていたんだ!」世界が待ち望んでいたドニー・イェン監督・主演のアクション満載の最新作『プロセキューター』物語あらすじ結末から海外の感想評価まで徹底紹介。ジョン・ウィックを経てアクションは洗練され、ハリウッド仕込みの映像美、そして法廷劇、本作はドニー・イェン最高傑作との呼び声高い。
2016年の実際の薬物密売事件を題材にした法廷スリラーとアクション映画の意欲的な融合作品だ。警察官から検察官に転身した主人公が、冤罪事件の真相究明に命を懸ける物語で、Rotten Tomatoes93%、Metacritic66/100点と海外で高評価を獲得している。香港映画界のベテラン俳優陣の演技力とドニー・イェンの圧倒的なアクション演出により、法廷劇の枠を超えた骨太な娯楽作品として完成している。
『プロセキューター』物語結末ネタバレ
ここから先は『プロセキューター』の核心である重大なネタバレを含む。
映画『プロセキューター』完全ネタバレ徹底解説と海外の感想評価まとめ
ドニー・イェン監督・主演の最新作『プロセキューター』は、2016年の実際の薬物密売事件を題材にした法廷スリラーとアクション映画の意欲的な融合作品だ。警察官から検察官に転身した主人公が、冤罪事件の真相究明に命を懸ける物語で、Rotten Tomatoes93%、Metacritic66/100点と海外で高評価を獲得している。香港映画界のベテラン俳優陣の演技力とドニー・イェンの圧倒的なアクション演出により、法廷劇の枠を超えた骨太な娯楽作品として完成している。
『プロセキューター』物語結末ネタバレ
ここから先は『プロセキューター』の核心である重大なネタバレを含む。
警察官の限界
香港警察のフォク・チーホー刑事(ドニー・イェン)は、薬物密売組織への強制捜査で華麗なアクションを駆使して見事に全員逮捕に至るが、リーダー格のチャン・マンビン(ジャスティン・チャン)は証拠不十分で無罪判決を受け、法の抜け穴を利用して逃れる犯罪者に激怒したフォクは警察を辞職して7年間の法学教育を経てフォクは香港法務省の検察官となる。
フォクは指導検察官バオ・ディン(ケント・チェン)の下で法律を学び、初の担当は住所貸しのアルバイトでブラジルから届いたコカイン所持により逮捕されたマ・カーキット(メイソン・フン)だった。
カーキットは弁護士のリー・ツーマン(シャーリー・チャン)とオウ・パクマン(ジュリアン・チャン)から、有罪を認めれば減刑になると説得され承諾するが、カーキットは27年の実刑判決を受けるだけではなく、主犯のチャン・クォクウィン(ロッカー・ラム)は無罪で釈放されるのだった。
不公平な判決に疑問を抱いたフォクは、カーキットの祖父マおじさん(ラウ・コン)が謎のグループから執拗に命を狙われていることを知り独自捜査を開始することにする。
法曹界の闇
フォクの調査により、オウ・パクマン弁護士こそが薬物密売組織のリーダーであり、リー・ツーマンは彼の妻で共犯者であることが判明する。彼らは弁護士事務所を隠れ蓑にカーキットのような貧しい青年を利用し犯人としてでっちあげ、仲間を無罪にする巧妙な手法を繰り返していたのだ。
フォクは徐々に核心に迫るがついにマおじさんが暗殺されてしまう。無力感に苛まれたフォクは警察時代の元部下リー・キンワイ(MC・チャン・ティンフー)と協力してチャンを捕まえ法廷での証言を約束させることに成功する。
しかし法廷に向かう途中、チャンとフォクの命を狙う薬物組織の暗殺者サン(レイ・ルイ)の手下に襲撃されリーは重傷を負い離脱してしまう。残されたフォクはチャンと共に地下鉄で法廷に向かうが、車内で再び刺客に襲われてしまう。
結末ネタバレ:正義の実現
61歳のフォクは「もう年を取った」と認めながらも、狭い地下鉄車両で驚異的な格闘能力を発揮して全員ぶちのめし(最後の強者には割れたガラスを踏ませた)チャンを連れて法廷に到着する。
命を狙われたチャンはリーとオウからの指示であることなど法廷で全てを話し、カーキットの無実が証明され、オウとリー、薬物密売組織との癒着が全て明るみに出るのだった。最終的に裁判長のジョージ・ホイ(マイケル・ホイ)は誤判を謝罪し、フォクが検察官として正義を実現して幕を閉じる。
『プロセキューター』作品情報
プロセキューターのネタバレを読んで興味を持った読者のために、ドニー・イェンが監督・主演を務めたこの意欲作について詳細を紹介する。2016年の実際の薬物密売事件を題材とし、法廷スリラーとアクション映画を融合させた革新的なアプローチで話題を集めた。香港とアジア各国で興行的成功を収め、批評家からも概ね好意的な評価を獲得している。
興行収入は大成功
プロセキューターは香港で190万香港ドルでデビューし、6日連続で興行収入トップを維持した。クリスマス期間中に500万香港ドルを突破し、2週間で1,800万香港ドル、17日間で2,000万香港ドルに達して2024年の香港映画トップ10入りを果たした。最終的に2,900万香港ドルを記録し、2024年香港映画興行収入第5位となった。海外でも台湾で800万台湾ドル、マレーシアで200万リンギット、シンガポールで133万シンガポールドルを記録し、中国語圏全体で商業的成功を収めた。
監督主演ドニー・イェン
ドニー・イェン(甄子丹)は香港を代表する武術家・俳優・監督として、30年以上にわたり映画界で活躍している。代表作は『イップ・マン』シリーズで世界的な知名度を獲得し、近年では『ジョン・ウィック:チャプター4』で国際的な注目を集めた
「最初はこの映画をやりたくなかった。この題材について何も知らなかったからだ!なぜ私に依頼するのかと思った」 IMDbとイェンは率直に語っている。
「2ヶ月かけて説得された」「私はアクション映画をやる。法廷事件についての映画を作ることなど理解していない」 MUBIと当初の戸惑いを明かしている。
しかし制作陣は「オリジナル脚本のキャラクターに、あなたが本当に適していると感じた」と説得し、「どうすればこれをよりドニー・イェン・スタイルに変更し、市場に適合させながら観客に何か違うものを提供できるかを発見するのに2ヶ月かかった」と話している。
当時、製作チームと『フラッシュポイント2』と『イップ・マン5』の企画を進めていた時に、この脚本を提示され、「この題材は私がやることではない!なぜ私に頼むのか?」と困惑したが最終的に法廷劇とアクションを融合させた新しい挑戦に立ち向かうことを選択して本作は生まれたのだ。
海外の感想評価まとめ
海外での評価は概ね良好で、Rotten Tomatoesでは93%の高評価を獲得している。批評家たちはドニー・イェンの監督・演技の両面での成熟ぶりを評価し、法廷スリラーとアクション映画の融合という挑戦的な試みを高く買っている。一方で脚本の予測可能性や香港の司法制度に対する掘り下げ不足を指摘する声もあり、完璧な作品ではないものの娯楽作品として十分な完成度を持つという意見で一致している。
IMDb(総合評価:6.5/10)
①私はこの映画を主にドニー・イェンのために観たが、彼の新たな側面を見ることができた。武術やアクション役で知られる彼だが、この映画では感情的な部分を初めて見せてくれた。タフな警察官から正義のために戦う検察官への転身は非常にパワフルで新鮮だった。
②私が特に印象深く感じたのは、この映画がただのアクション作品ではなく、物語に深みと感情、そして適度なアクションがあることだ。彼のキャラクターがどこまで真実を追求し、無実の人々のために立ち上がるかを見るのは興奮した。
③私の考えでは、これはフラッシュポイント以来の最高のドニー・イェン作品だ。素晴らしいのは、ドニー・イェン一人がソロで全てのアクションをこなすのではなく、多くの素晴らしい香港俳優たちがストーリーや台詞を担当し、単なるアクション大作以上のレベルに押し上げていることだ。
④私はトレーラーを見た時からワクワクしていた。ドニー・イェンのキャラクターが必死な様子で、タイトルが示すように彼の専門的な武術スキル以上のものが必要であることを示唆していたからだ。この映画では、彼は証拠を見つけ、人々を生かし続ける必要があり、それが映画を機能させている理由だ。
Rotten Tomatoes(批評家:93% / 観客:79%)
①私はこの映画が法廷の緊張感と残忍な街頭戦闘の間を行き来しながらも、物語の明確性を失うことがないことに感銘を受けた。これはアクションが融合した法廷スリラーだが、イェンは驚くべき優雅さでこれらのジャンルを融合させている。
②私の印象では、この映画は思慮深い法廷スリラーであり、ドニー・イェンの誠実な演技と関連性の高い中心テーマに支えられている。ジャンルの制約を完全に超越することはないが、観客を引き込み続けるだけの興味と活力を提供している。
③私が評価するのは、この映画が法廷ドラマとアクションのブレンドがうまく機能していることだ。瞬時に引き込まれた。80年代から90年代の香港アクションとドニー・イェンが好きな人には推薦する。
Rotten Tomatoes – The Prosecutor
Metacritic(総合評価:66/100)
①私が興味深いと思うのは、この映画が実際には法廷中心のスリラーが第一で、武術アクションが二番目になっていることだ。このジャンルのブレンドが驚くほどうまく機能し、ドニーが何か違うことに挑戦したことを評価する。
②私の感想では、法廷ドラマの側面(映画の大部分を占める)が残念ながら少し物足りなく予測可能だった。法制度の複雑さをもっと探求し、より激しいドラマを提供してほしかった。悪役が非常に一次元的だったことも助けにならなかった。
③私はこの映画を全体的に楽しいアクション映画だと思う。ドニーがアクションを扱う方法を知っていることを示している。現象的なオープニングアクションシーケンスと信じられないクライマックスがある。
批評家レビュー
海外の専門批評家による『プロセキューター』の詳細な評価を紹介する。この映画は法廷スリラーとアクション映画という相反するジャンルの融合という挑戦的な試みで注目を集め、ドニー・イェンの監督・演技の両面での成熟ぶりが評価されている。一方で脚本面での課題や香港の司法制度への掘り下げ不足も指摘されており、批評家の意見は賛否両論に分かれている。
Roger Ebert 3.5/4
サイモン・エイブラムス氏「各新しいシーンが、一つの実証済みの解決策(少しの追加ドニー・イェン・エネルギー)を持つ病んだ社会という、映画の融通の利かない、しかし面白いビジョンに何かを追加する。」
この映画の「重厚な」アクションと法廷ドラマのブレンドは、ドニー・イェンのアクションスキルとカリスマ的な人格を披露し、「安っぽいワンライナー」と「心躍るアクション」で効果的にスリリングなシーケンスを提供している。またイェンは市民的な文脈での正義というテーマも探求している。
評価点 ドニー・イェンの磁力的な演技力と市民的正義への深い洞察
批判点
重厚すぎるアプローチが一部の観客の忍耐力を試す可能性
(Roger Ebert – The Prosecutor)
Collider 7/10
ジェフ・ユーイング氏「興味深いジャンル・ハイブリッド・アプローチとドニー・イェン、ジュリアン・チャン、MC・チャン・ティンフー、ケント・チェンの優れた演技を高く評価。」
この映画は法廷スリラーとしての十分なドラマが不足し、真の武術映画と言えるほどのアクションもなく、全く異なる背景を持つキャラクターを効果的にバランスさせることができず、「機会を逃した」結果となっている。しかし、イェンの演技とアクションシーンの質は依然として高く評価できる。
評価点 キャスト陣の優秀な演技とイェンの監督としての成熟
批判点 ジャンル的な中途半端さと機会を逃した感
South China Morning Post 3/5
エドモンド・リー氏「アクション、特に一人称シューティングゲームスタイルのスリリングなオープニングシーンとアクション満載のクライマックスを称賛。」
この映画は視覚的にも技術的にも優れたクオリティを持っているが、法廷ドラマ部分での緊張感不足と予測可能な展開が問題となっている。イェンの身体能力は相変わらず驚異的だが、脚本面での革新性には欠けるという評価だった。
評価点 革新的なアクション演出と技術的完成度の高さ
批判点 法廷ドラマ部分での緊張感と独創性の不足
(South China Morning Post – The Prosecutor)
個人的な評価 60点
私はドニー・イェンが大好きである。
ワンスアポンアタイムシリーズ、特にアイアンモンキー、そしてイップマン、、、美しい顔立ちにジャッキー・チェンのエンタメアクションとは一線を画した洗練されたアクションシーンに惚れた人も多いと思う。
でも、プロセキューターは60点かなぁ
というのも、彼が主演なら期待するのはアクションだと思うが、本作でもアクションシーンの挿入するタイミング、全体的なアクションの流れや展開、オチが読めてしまうことで全く新鮮さを感じることができなかった。
唯一新鮮だったのは冒頭のアジト突入アクションかな、ここはジョン・ウィックに影響を受けているのだろうか、三人称視点、一人称視点のアクションゲームのようなカメラワークに切り替え、スピード感がありテンポの良いガンアクションを見せてくれた。(まぁ、それでもジョン・ウィックで見たなぁって思ったから最高!ではない)
そのほかの体を張ったアクションは正直、、、うん。って感じ。
もう高齢者だから無理なんだろうけどなぁ、イップマンの詠春拳みたいな連続攻撃見たかったぜ。
でもまさかの法廷スリラーという未知の領域への挑戦はすげぇと思うし、まさかのドニー・イェンが法廷での弁論する姿の後に、アクションしてまた法廷劇という流れは面白かったし、緩急つけてくれたおかげでアクションだけでお腹いっぱいになることはなく良い塩梅で映画を楽しむことができる。
例によって悪役の薄っぺらさは残念だが、ベニチオ・デル・トロが出る映画は大体良い出汁が出てるから面白く感じるのと同じように、本作もドニー・イェンが全ての欠点を補ってるので普通に面白いのだ。
まとめ
この記事では、ドニー・イェン監督・主演の『プロセキューター』について、物語の完全ネタバレから作品情報、海外での評価まで詳細に解説した。2016年の実際の薬物密売事件を題材にした本作への期待は、法廷スリラーとアクション映画という異色の融合への関心の高さを物語っている。実際の内容は、警察官から検察官に転身した主人公が冤罪事件の真相を追う骨太な社会派作品となっており、ドニー・イェンの演技面での新境地開拓が大きな見どころとなった。
海外での評価はRotten Tomatoes93%、Metacritic66/100点と概ね良好で、批評家たちはイェンの監督・演技の両面での成熟と、挑戦的なジャンル融合を評価している。香港で2,900万香港ドル、アジア各国でも好調な興行成績を記録し、2024年の香港映画界における重要作品としての地位を確立した。法廷ドラマ部分での物足りなさや脚本の予測可能性といった課題はあるものの、61歳のドニー・イェンが放つ「正義エネルギー」は確実に観客を魅了し、香港アクション映画の新たな可能性を示している。
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