映画『ウィッチボード(2025)』完全ネタバレ徹底解説と海外の感想評価まとめ

「驚異的な映像と恐怖だ」1986年の原作を大胆にリメイクした映画『ウィッチボード/Witchboard』を完全ネタバレ解説。IMDb5.6点、Rotten Tomatoes63%の2024年ホラーリメイク作品。日本未公開のオカルトホラー映画のあらすじから結末まで、海外レビューと感想評価をまとめて紹介する。

『Witchboard』物語結末ネタバレ

ここから先は『Witchboard』の核心である重大なネタバレを含む。

呪いのウィッチボード

ニューオーリンズの田舎町、エミリー(マディソン・イーズマン)は婚約者のクリスチャン(アーロン・ドミンゲス)とレストランの開業準備中に古いウィッチボードを発見する。

このボードは最近地元博物館から盗まれたばかりの歴史的遺物で、かつて霊界への扉として使われた呪われた道具だった。

1693年のフランスで、魔女ナガ・ソス(アントニア・デスプラット)がこのボードを使って霊を召喚して猛威を奮っていたがグローガン司教(デヴィッド・ラ・ヘイ)率いる騎兵隊によって討伐されてしまう。しかし、ウィッチボードに宿る邪悪な力は時を超えて受け継がれ、新たな邪悪な心の持ち主の手に渡ることを夢見ていた。

エミリーは興味本位でウィッチボードを使い始めると、実際に霊を呼び寄せることができたため、このボードに魅了されていく。心配したクリスチャンは、オカルト学者アレクサンダー・バティスト(ジェイミー・キャンベル・バウアー)に助けを求めエミリーの様子を見てもらいバティストは協力を約束する。しかし彼こそが、ウィッチボードを真に求める黒幕で、彼の邪悪な目的のためウィッチボードの力を悪用しようと2人に近づいたことが徐々に判明していく。

ウィッチボードに取り憑かれつつあるエミリーは夢と現実の境が次第に弱くなる中、ボードの持ち主魔女ナガ・ソスの幻影を見るようになり超常現象に悩まされる日々を送っていたが、ある日、2人のレストランで超自然的な力が大混乱を引き起こし調理器具がスタッフたちを襲い惨劇が起きてしまう。

結末ネタバレ:仮面舞踏会

エミリーとクリスチャンは魔術の罠に囚われバティストの邸宅で開かれる豪華な仮面舞踏会でクライマックスを迎えることになる。

バティストの正体を知ったエミリーとクリスチャンはボード誘惑に打ち勝ち古代から続く呪いの連鎖を断ち切ることに成功する。しかし、その代償は大きく、ウィッチボードの恐るべき力を目の当たりにした彼らは、二度とオカルトに手を出してはならないことを痛感したところで物語は終了する。

『Witchboard』作品情報

映画『Witchboard』の監督と主要キャストの情報を詳しく紹介する。この作品は1986年の同名作品のリメイクとして制作され、ホラーマスターのカムバック作として大きな注目を集めている。

『Witchboard』興行収入

『Witchboard』の制作費は未公開だが、全世界興行収入は203,092ドルという厳しい結果となった。アメリカで197,000ドル、その他の地域で6,092ドルを記録し、580劇場での限定公開にも関わらず1スクリーンあたり平均339ドルという低い数字だった。オープニング夜には74,000ドルを記録したものの、週末興行は伸び悩んだ。監督のチャック・ラッセルは「このような低予算ホラーはストリーミングで真の力を発揮する」とコメントしており、プロデューサーも「劇場公開は話題作りの一環」と語っている。

チャック・ラッセル監督紹介

チャック・ラッセル監督は、1980年代ホラー映画界の巨匠として知られている。代表作『エルム街の悪夢3 最後の反撃』(1987年)と『ザ・ブロブ』(1988年)で実用エフェクトを駆使した恐怖演出の名手として評価を確立した。
その後『マスク』(1994年)でコメディ分野にも進出し、『イレイザー』『スコーピオン・キング』などのアクション映画も手がけた。近年は『アイ・アム・ラース』『パラダイス・シティ』などのVOD作品を監督していたが、約25年ぶりのホラー復帰作として本作を制作した。ラッセルは「私の古典的魔術と魔法の印象はニューオーリンズの神秘と結びついている。フランスで起きた劇的な魔女裁判と、ニューオーリンズに定住したフランス人との繋がりを描きたかった」と語っている。

エミリー役「マディソン・イーズマン」紹介

IMDb

マディソン・イーズマンは、アメリカ出身の若手女優で『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』シリーズでベサニー役を演じて世界的に知られるようになった。1997年生まれの彼女は、『アナベル 死霊人形の誕生』でホラージャンルにも進出し、その後『I Know What You Did Last Summer』のテレビシリーズで主演を務めた。

『Witchboard』では元薬物中毒者という複雑な役柄を演じ、ウィッチボードに魅了されていく女性の心理的変化を繊細に表現している。イーズマンは「エミリーの依存症からの回復過程と、ウィッチボードへの新たな依存という二重の苦悩を演じることが挑戦的だった」とインタビューで語っている。

クリスチャン役「アーロン・ドミンゲス」紹介

アーロン・ドミンゲスは、テキサス州出身のラテン系アメリカ人俳優で『アンリー殺人事件』『シッティング・イン・バーズ・ウィズ・ケーク』などの作品で知られている。『Witchboard』では婚約者エミリーを守ろうとするシェフのクリスチャンを演じ、恋人の異変に気づきながらも適切な対処法を見つけられずに苦悩する男性を好演している。

ドミンゲスは「クリスチャンは愛する人を救おうとするが、オカルトという未知の力に対してどう向き合えばいいのか分からない普通の男性。そのリアルな恐怖と混乱を表現することに集中した」と役作りについて説明している。近年は『殺人計画書』での演技が評価され、今後のさらなる活躍が期待されている俳優である。

海外の感想評価まとめ

海外での『Witchboard』の評価は賛否が分かれており、Rotten Tomatoesでは批評家63%、Metacriticでは56点という平均的な評価を受けている。多くのレビュアーがチャック・ラッセルの復帰を歓迎しながらも、1980年代の輝きを完全に取り戻すには至らなかったと評価している。一方で、マディソン・イーズマンの演技とジェイミー・キャンベル・バウアーの悪役ぶりは高く評価されている。

IMDb(総合評価:5.6/10)

①私は1986年のオリジナル『Witchboard』のファンだったので、この リメイクのプロモーション素材にはあまり期待していなかった。しかし、チャック・ラッセルのホラー経歴を考慮して観る義務があると感じた。極めて低い期待値で観に行ったが、純粋なエンターテインメント価値としては意外に楽しめた。

②この2024年版は80年代ホラーの本質を捉えながら現代的なひねりを加えた素晴らしい再構想だ。不気味で超自然的な世界に観客を腕を広げて招き入れ、感情とスリルのジェットコースターを約束している。オリジナルのファンでも、この物語を初めて知る人でも楽しめる作品だ。

③チャック・ラッセルは再びやってくれた。この映画の全ての瞬間を愛した。激しく、ゾッとさせられ、とても良い演技だった。恐怖は賢く、雰囲気は憂鬱で、最初の不安な場面から忘れられないフィナーレまで引き込まれる。

④この映画はとても馬鹿げているが、群衆と一緒に観ることを明確に意図している。私が期待していたよりも定型的だったが、ラッセルは『ファイナル・デスティネーション』のような素晴らしいキルシーンを提供している。

IMDb – Witchboard

Rotten Tomatoes(批評家:63% / 観客:81%)

rottentomatoes

①良くも悪くも、これは私が期待していた通りのものだった。映画の技術チームは小さなクルーだったが、CGIを暗いシーンに保ち、必要な時だけホラークリーチャーを明かすという良い信頼できる仕事を達成した。

②基盤がいかに不安定であろうとも、『Witchboard』は楽しませるのに十分な狂気じみた狂騒を提供している。オカルト専門家アレクサンダー・バティストの魅力的だが蛇のような存在がギルティプレジャーにスパイスを加えている。

③チャック・ラッセルは確実に昔ながらの、エフェクトに満ちたジャンルのスリルライドを作ることにコミットしている。この再話は欠陥があろうとも地獄のような乗り物で、オリジナルを凌駕している。

Rotten Tomatoes – Witchboard

Metacritic(総合評価:56/100)

①もしあなたがスマートで独創的なホラーを求める映画観客なら、『Witchboard』はスキップしたほうがいい。代わりに『シナーズ』や『ウェポンズ』をもう一度観たほうがましだ。

②時代設定のアクションセットピースの一部は演出において活気があり、映画は残酷で精巧なキルシーケンスに欠けることがない。これは脚本の継ぎ接ぎ感と無味乾燥なキャラクター造形から注意をそらすにはほとんど十分である。

③深くばかげているが、期待するよりもずっと野心的な物語で、アイデアと映画的な活力に溢れ、より長いランタイムを利用して本当にますます馬鹿げた形而上学的領域に冒険している。

Metacritic – Witchboard

批評家レビュー

Roger Ebert.com ★★☆

クリント・ワーシントン氏「基盤は不安定だが、十分な狂気じみた狂騒で楽しませる」

チャック・ラッセルの80年代ホラー名作群の最盛期から長い時間が経った。1987年の『エルム街の悪夢3』と1988年の『ザ・ブロブ』という傑作ホラーの後、監督のスターは『イレイザー』『スコーピオン・キング』といった冴えないアクション映画で衰え始めた。『Witchboard』は実用ホラーの楽しさへの壮大なカムバック作として演出されているが、完全な勝利を達成するには程遠い。しかし断続的にではあるが、非常にキャンプで感動的な魔法をかけることに成功している。映画は中世のアクションの素晴らしい一場面で始まり、切り落とされた手で飾られた木々と小川のCG血液を特徴としている。

評価点
マディソン・イーズマンが有能な主演を務め、ジェイミー・キャンベル・バウアーの邪悪な魅力がギルティプレジャーに十分なスパイスを加えている

批判点
不釣り合いで調整の悪い脇役たちに囲まれており、シェイクスピアのように扱う登場人物たちとは対照的に、基盤が不安定

(Roger Ebert.com – Witchboard)

Bloody Disgusting 評価点なし

ジョー氏「散漫で時折楽しいリメイク、90年代の失われた遺物のよう」

1980年代の最も重要な実用エフェクトホラー映画のいくつかを手がけた後、脚本家・監督チャック・ラッセルが20年ぶりにジャンルに復帰した。1986年のケヴィン・テニー作品の表面上のリメイクである新作は、オリジナルからいくつかの重要な要素を採用している。シャワーのセットピース、女性主人公の憑依、死者と交信するために使われるボードなどだが、それ以外は2025年版の映画はほぼ独自の道を歩んでいる。映画は1693年フランスでのプロローグで開始し、グローガン司教が森で魔女ナガ・ソスとその魔女団と戦うシーンから始まる。

評価点
実用エフェクト(素晴らしい見た目)とCGI(注意をそらすほど悪い)血液の不満足な組み合わせながら、時折素晴らしい演出を見せる

批判点
90年代の失われた遺物のように感じられ、ホラーにおけるここ30年間の出来事について何の概念も持たない時代遅れ感

(Bloody Disgusting – Witchboard)

JoBlo ★★☆

タイラー・ニコルズ氏「ラッセルは素晴らしいファイナル・デスティネーション的キルを提供」

ホラージャンルで『ザ・ブロブ』と『エルム街の悪夢3』より娯楽的な映画はほとんどない。それらは過度の暴力とユーモアの素晴らしいミックスをもたらす。だから脚本家・監督チャック・ラッセルが約25年ぶりにジャンルに復帰するのを見て私は有頂天になった。1986年映画『Witchboard』のアップデートに照準を合わせ、これは現代にとって素晴らしいもののように見えた。しかし2024年の『Witchboard』は少し混乱していると言うのは私にとって不愉快だ。ジェイミー・キャンベル・バウアーは『ストレンジャー・シングス』でのベクナとしての彼のパフォーマンスで証明されたように、あなたの魂を貫くことができる声を持っている。

評価点
バウアーの悪役ぶりとニューオーリンズの魔女的美学、ファイナル・デスティネーション風の素晴らしいキルシーン

批判点
キャラクターに愛着を感じることができず、彼らが悪い決断を繰り返すことに忙しく、この才能レベルでこの結果では棚上げが妥当

(JoBlo – Witchboard)

Film School Rejects 評価点なし

ロブ・ハンター氏「まあまあの娯楽作、ラッセルが賢明なカットをすればもう少し良くなる」

ファンタジア国際映画祭でのプレミア上映でこの映画を『まあまあの娯楽作』と評した。ラッセルが最終リリース前に賢明なカットを加えればもう少し良い娱楽作になるだろうが、オリジナルには及ばず、彼自身の80年代名作の高みにさえ近づけない。映画の最大のセットピースであるレストランでの血の海は、幻想的なものと注意をそらすほど悪いものを激しく交互に繰り返す。この二分法は『Witchboard』全体を表している。映画は『スクリーム』以前のホラータイトルを思い起こさせる。メタ言及も意図的なユーモアも、素材を「格上げ」する努力もないB級映画だ。

評価点
映画が真剣に自分を取らない時は非常に歓迎される雰囲気があり、魅力的なセットデザイン

批判点
時折奇妙に時代遅れで場違いに感じられ、112分という上映時間は少し贅沢すぎる

(Film School Rejects – Witchboard)

個人的な感想評価:60点

映像は綺麗、でも脚本が足を引っ張った感じがする。物語に最後まで集中するには魅力のない登場人物、笑って良いのかな?ってキルシーン。エロも微妙で物足りず、最後はCGな悪魔が登場。

映像の美しさはトーク・トゥ・ミーなのに、グロさも物足りないという大きな欠点が足を引っ張ったなぁ。

期待しすぎたから楽しみ方が色々な方向に散ってしまった印象。記憶にも残らない感じかなぁ。

まとめ

この記事では、映画『Witchboard』の完全ネタバレあらすじから海外での感想評価まで詳しく解説してきた。

期待度は1980年代ホラーの巨匠チャック・ラッセルの復帰作として高かったが、実際の内容はIMDb5.6点、Rotten Tomatoes63%という平均的な評価に留まった。マディソン・イーズマンの演技力とジェイミー・キャンベル・バウアーの悪役ぶりは称賛されたものの、オリジナル版との繋がりの薄さや上映時間の長さが問題視された。

海外では「90年代の失われた遺物のよう」「時代遅れな感覚」といった厳しい評価も見られ、現代ホラーとしての新鮮味に欠けると受け止められている。一方で「純粋なB級ホラーの楽しさ」として評価する声もあり、カルト映画として愛される可能性を秘めた話題作なのである。

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