映画『コヴェナント 約束の救出(2023)』物語ネタバレと海外の感想評価「最高傑作」




「ガイ・リッチーとは思えない。傑作だ」世界が絶賛した映画『コヴェナント 約束の救出(原題:THE COVENANT)』物語エンディングまでネタバレと海外の感想評価を紹介。アフガニスタン戦争でアメリカ軍兵士を文字通り命をかけて支援した現地翻訳者との兵士の絆を描く本作は、アクション、ミステリー、救出劇と2時間に全ての魅力が詰め込まれておりガイ・リッチー監督作品とは思えないほどにハードコアで面白い作品に仕上がっています。

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映画『コヴェナント 約束の救出THE COVENANT』物語ネタバレ

冒頭でテキストが流れます。

“9/11後、米国はアフガニスタンに10,000人の兵士を派遣しました。10年後、米国の軍隊はほぼ10倍に増えました。軍は兵士を助けるために現地の翻訳者を雇い、翻訳者とその家族にビザを提供しました“

現地“通訳者“の存在

ある暑い日、国境警備を行なっているジョン・キンリー(ジェイク・ジレンホール)は部下のジジーと現地通訳者のハディと国境を通る車の検査をしている最中、不審な動きをしていた運転手が逃げ出した途端、トラックが爆発しジジーとハディが亡くなります。

キンリーとチームは新たな翻訳者としてアフメド(ダール・サリム)を雇います。

次の日、チームはアフメドを同伴させ街の巡回パトロールを行い怪しい建物を調査しますがそこはただの水タバコカフェで徒労に終わります。

別の日、チームは砂漠の奥深くまで進みタリバンのIED(簡易爆発物)製造所の調査に向かいますが、途中で雇った2人目の翻訳者が最近の雨で短いルートが洗い流されているため、別のルートを使うことを勧めキンリーはそれを了承しますが、アフメドはキンリーに再考を求めますがキンリーは無視して車両を進めます。行き止まりになってしまったため、キンリーは慌てて部下に周辺を警戒するように指示しますが周辺に危険な存在はないように見えます。

その間にアフメドはもう1人の通訳者を殴って倒して銃を突きつけています。キンリーはアフメドに銃を向け銃を置くように命令しますがアフメドは命令を無視して銃を突きつけ続けます。すると倒れていた翻訳者がタリバンが自分の家族を人質に取られていることを告白したことでキンリーはアフメドの言っていたことが本当だったと理解します。そこに本部から空の監視で待ち伏せ部隊がこちらに向かっていることを知ったキンリーは部隊を率いて一度撤退します。

基地に戻ったキンリーはアフメドと話をしてタリバンに息子を殺された過去があったことで米軍に協力していること知りキンリーはアフメドを信頼するようになります。地元ドラッグディーラーの情報でIED工場に向かったキンリーチームでしたが、調査している最中にタリバンの大量の兵士が集まり窮地に追い込まれます。

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山の中の脱出劇

キンリーの部下たちは次々と殺されていき生き残ったキンリーとアフメドはタリバンのピックアップトラックに乗ってなんとか脱出した後、大量のタリバン兵士に追われながらパンクした車を放置して山の中に逃げ込みます。

タリバンはキンリーと裏切り者のアフメドは絶対に捕まえるように命じたため、タリバンは2人を執拗に追跡を続けます。キンリーとアフメドは谷底を静かに進み出会したタリバンはなんとかナイフで殺しながら静かに進みますが、タリバンの見張りを撃ち殺してしまったため2人は再び大量のタリバンに襲われます。

彼らは近くの廃屋に避難しますが、タリバンは赤外線カメラを使い追跡し続けておりキンリーは撃たれて拉致されそうになりますが、タリバンがキンリーを殺したい派と命令を守りたい派で争っている最中にアフメドが三人のタリバンを背後から殺してキンリーを助けます。彼らの服を奪い地元民に偽装したアフメドは負傷したキンリーを引きずりながらタリバンに見つからないように慎重に歩き続けます。

途中見つけた農夫に大金を渡してトラックを手に入れたアフメドはキンリーを荷物に偽装させて車を走らせます。途中車を故障してして立ち往生している3人のタリバン兵士を別の場所に載せていきますがなんとかバレずに済みました。アフメドは流浪の民を説得してトラックよりも目立たない手押し車と薬をトラックを交換します。

キンリーをワゴンに乗せたアフメドは過酷な山道を叫びながらひたすら押し続けます。途中あまりに過酷な道のりに涙を流しますが痛みを訴え続けるキンリーのためにひたすら歩き続けます。小さな茶屋にたどり着いたアフメドは水を買ってキンリーに水を飲ませていると、タリバンのトラックがアフメドを見つけて彼の荷物を調べられキンリーを発見されてしまいます。アフメドはバレたとわかった瞬間に三人のタリバン兵士を殺してキンリーを守ったところで米軍が現れ、アフメドを逮捕しますが彼のそばでキンリーが見つかりすぐに移送されます。

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エンディングネタバレ「命をかけた救出劇」

四週間後、キンリーは病院で目を覚まし、再び別の日に彼はカリフォルニア州サンタクラリタの自宅で妻と子供たちのためにステーキを焼いています。訪れた仲間から彼を助けたアフメドと家族が約束通りにアメリカ政府からビザが支給されず亡命できていないどころかタリバンから逃れるために地下に潜伏していることを知ります。

キンリーはすぐに軍にアフメドと家族のビザと彼を助けるように申請しますが軍の対応は遅くキンリーは何度も何度も電話をしてはたらい回しにされた挙句に申請を何度も却下され続けます。恩人を救うためにキンリーは毎日何ヶ月もの間、電話で申請を続けますが動かない軍に絶望したキンリーは単身アフガニスタンに向かいます。

ロン・ケイという偽名を名乗ったキンリーは、民間軍事請負業者のパーカーに会った後、アフメドの弟アリと一緒にタリバンが支配する危険地域に潜入し、ついにアフメドと家族と再会して一緒にアメリカに亡命するように説得して脱出を試みます。

キンリーとアフメドがタリバンに指名手配されている重要人物だと知ったパーカーは航空支援のためにAC-130ガンシップとアパッチ攻撃ヘリコプターを手配して、追い詰められたキンリー、アフメドと家族を救出します。脱出する飛行機の中でビザを受け取ったアフメドたちとキンリーは互いに目配せをして互いに約束が守られたことを喜び物語は終了する。

テキストで

“タリバンによるアフガニスタン奪還の余波で、米軍に所属する300人以上のアフガニスタン人通訳者が組織によって殺害され、さらに数千人が未だに潜伏している“と述べられたところで物語は終了する。

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コヴェナント 約束の救出海外の感想評価 IMDb 7.5/10

7/10
絆。誓約。誓い。
ガイ・リッチー監督の『コヴェナント』は、重要なテーマを扱った興味深いストーリーの素晴らしい映画だ。激しいアクションシーンもあり、サスペンスの瞬間も多い。音楽も素晴らしく、すべてのシーンを盛り上げている。これで、作曲家クリストファー・ベンステッドによる素晴らしい音楽が目についた映画は、『Wrath of Man』と『オペレーション・フォーチュン』と合わせて3本となった。
ジェイク・ギレンホールの演技はいつも通り素晴らしい。意外に目立っていたのはダール・サリムで、彼のキャラクターと幸福感に私を夢中にさせる素晴らしい仕事をした。アントニー・スター(『ザ・ボーイズ』、『バンシー』)にもっと大きな役があればと思ったが、彼がギレンホールのようなスターと共演するシーンを見られたのはクールだった。彼はとても素晴らしい俳優で、私は彼がメジャーな映画に出演するのを待ち続けている。
この映画で扱われているテーマには感銘を受けた。とても悲しく、取り上げる必要がある。アメリカ政府が約束を破ったり、責任を回避したりした結果、彼らに信頼を置く国民に破滅的な結果をもたらしたのは、今に始まったことではない。このことを持ち出しただけで、すぐに非国民だと言う人もいるだろう。しかし、誰が行おうと、間違っていることは間違っているのだ。

9/10
あなたが思っているような映画ではない–でも、もっといい映画だ
戦争や軍産複合体に対する意見に関しては、私は間違いなく “ハト派 “なのだが、軍務に就くことを選んだ人々の話を聞くことは重要だとも認識している。ジェイク・ギレンホールのような俳優がこのようなプロジェクトに私を惹きつけるのは確かで、ガイ・リッチー監督と組んだ『コヴェナント』は、あらゆる場面で期待を裏切るが、最終的には毎回より良い作品に仕上がっている。
コヴェナント』の明確な特徴のひとつは、決して期待通りの映画にはならないことだ。最初は、ごく普通の “悪者をやっつける “映画として描かれる。その後、脱出/サバイバル・ミッションに移行する。それが終わると、45分ほどの上映時間が残るが、それはキンレイがアフメドと結んだ(ひいては米軍との)絆を尊重しようとすることに費やされる。有能な監督でなければこの転換は悲惨なものになりかねないが、リッチーはそれをほぼ完璧にこなしている。
もちろん、主役のギレンホールが非常に才能のある(しかし、まだ少し過小評価されているように見える)人物であることも助けになる。彼はアクション/スタント・シークエンスを説得力十二分にこなすだけでなく、彼のとてつもない常人離れしたキャラクター俳優としての人格が、映画の後方部分を支えている。視聴者は、アハメッドが適切な扱いを受けていないことを思い、心を痛めるキンリーに共感するかどうかに完全に依存しているが、ジェイクはそれを問題なく実現している。

最後に、この映画の過剰なまでのメッセージは、決して威圧的でないほど繊細でありながら、下らないと思われない程度に存在感を示している。戦闘の恐怖(肉体的にも精神的にも)を描きながらも、ある国に軍隊を駐留させ、その社会にコミットメントし、そして最終的には撤退して多くの進歩が失われる経験についても考察している。このように、『ザ・コヴェナント』は、偉そうな演説や深く考えさせられるようなスピーチはなくとも、深く考えさせられる映画なのだ。
正直なところ、私はジェイク・Gと好意的な口コミ以外に『コヴェナント』に惹かれるものはなかった。しかし、アフガニスタン戦争をミクロとマクロの両面から垣間見ることができる魅力的な作品だったので、見てよかったと思う。

8/10
一味違うガイ・リッチー、『コヴェナント』は脈打つスリラーだ
ガイ・リッチーが監督した作品の中で、最もガイ・リッチーらしくない、そして最も良い意味でガイ・リッチーらしい作品である『コヴェナント』(そうでないことを知らない人のために、正式にはガイ・リッチーの『コヴェナント』)は、イギリス人監督にとって2023年2作目の興行的大爆死作だが、『オペレーション・フォーチュン』とは異なり、アフガニスタンを舞台にしたこの戦争スリラーは、リッチーが絶好調で、最近の監督の作品の中でも最も充実した作品の1つである、1分間にスリルが味わえるハリウッド化された娯楽作品である。
2000年代初頭から最近に至るまで20年間続いた連合軍によるアフガニスタン占領時代、現地通訳の仕事にインスパイアされた完全な捏造物語である『The Covenant』は、ギレンホール演じる献身的で物怖じしないジョン・キンリー軍曹と、ダール・サリム演じる現地通訳アハメッドの、敵陣の裏側での危険な旅を描いた白眉の体験である。
作曲家クリストファー・ベンステッドによる軽快なスコアに支えられ、主演2人のカリスマ的で献身的な演技を軸に構成された『コヴェナント』は、延々と続く銃撃戦や説教よりも登場人物を重視する典型的なアメリカ戦争映画とは一線を画しており、そのような瞬間が訪れる一方で、リッチーと彼のチームによって紛れもなくうまく演出されている。
静かなアカデミー賞候補作や奇妙な大型プロジェクトから、本格的なマイケル・ベイ/ロードハウス・リメイク時代へと移行した彼の、予測不可能で楽しい新たなキャリア段階に、また新たな1本が加わった、
長年のファンにも、これまで彼のユニークなスタイルや創造性を楽しめなかった人にも、完璧なリッチー作品である『コヴェナント』は、額面上は否定されやすいかもしれないが、多くの点で一流のハリウッド映画であり、映画公開時よりもはるかに多くの観客を動員するに値する。
2時間の上映時間中、ほとんど手を休めることのない、素晴らしい主役の出番のある灼熱の戦争スリラーである『The Covenant』は、ガイ・リッチー監督にとって多くの意味で新しいタイプの映画であり、多くの人が彼をそう呼んでいる以上の存在であることを証明するために、この監督にとって新たなエキサイティングなキャリアの可能性を示すものである。

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まとめ「ガイ・リッチーらしさゼロ→新しいキャリアの始まり」

このブログを見ている人はよく知ってると思いますが、管理者の私はADHDらしく色々と見落としていることが多い。誤字脱字も多いし。で、この映画もなんとなく見に行ったのでエンドクレジットで監督「ガイ・リッチー」となっていて驚いた。よくよく調べてみるとこの映画の本当のタイトルは「Guy Ritchie’s The Covenant」。さらに調べると現時点で上映が決まっている40カ国の9割近くが「ガイ・リッチーの」を削除して「The Covenant」をタイトルにしている。

前置きが長くなってしまいましたが、ガイ・リッチーといえば、”ロック・ストック・アンド・トゥー・スモーキング・バレルス”、”スナッチ”、”リボルバー”、”シャーロックホームズ”で有名だが、本作コベナントではガイ・リッチーが作ったとは一切感じることができないことに驚きました。じゃあリッチーらしさってなんだよ?って言われても説明はできませんが、スナッチみたいに音楽とか映像とか遊びと余裕、タランティーノ目指しているようなひねった脚本、視聴者を喜ばせようとするエンタメ要素が全くないんです。

淡々とアフガニスタンではアメリカに協力する現地通訳者がいること、彼らはタリバンから米軍と同じぐらい命を狙われている危険を冒してでも協力してくれる背景があること、協力することで得られるアメリカのビザを手に入れて脱出するのが目的であること、そしてアメリカ政府は全員の協力者たちを助け切れていないこと。を描き続けています。戦場のリアルさも追求しつつも主人公たちには一切銃弾が当たらないこと、血液を見せないなど多少のご都合シーンはあるものの、真面目すぎてガイ・リッチー感は微塵も感じることができません。

海外の評価をご覧になってわかると思いますが、このガイ・リッチーらしさが無い点について好意的に受け止められており、彼の映画制作者としての新たなキャリアのスタートだと祝福されているほどです。

ガイ・リッチー最新作だ!と思わずにハードロッカーとかボーダーラインみたいな質の高い戦争アクション映画を見にいこうぐらいの気持ちでぜひ。

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