映画『死霊のはらわた6/Evil Dead Burn』あらすじ結末ネタバレと海外の感想評価まとめ


「サム・ライミの原点を彷彿とさせながら、若き監督が全力で画面にすべてをぶつけてきた」――そう評される映画『死霊のはらわた6/Evil Dead Burn』のあらすじから結末までのネタバレと、海外の感想評価をまとめて紹介する。アメリカ・フランス合作で製作された本作は原題『Evil Dead Burn』として2026年7月10日に公開され、Rotten Tomatoesで批評家支持率72%、Metacriticで58点を獲得したスーパーナチュラル・ボディホラー作品だ。日本での劇場公開は本稿執筆時点でまだ確定していない。

物語は、夫を事故で亡くしたばかりの若い女性が、義理の家族との集まりに一縷の安らぎを求めて訪れたところから始まる。だがその「家族の再会」は、一人また一人と義理の家族がデッドナイトと化していく、地獄の集まりへと姿を変えていく。

本作の監督・脚本は『インフェステッド』のセバスチャン・バニチェク(監督名)。主人公アリスを演じるのはスヘイラ・ヤクブ(俳優名)だ。

『死霊のはらわた』シリーズを知る:前提知識とトリビア

本作から観始めても物語は問題なく理解できるが、シリーズを知っているとより楽しめる豆知識をいくつか紹介しておきたい。

『死霊のはらわた』は1981年、サム・ライミ監督の低予算ホラーとして誕生した。森の中の山小屋で見つかった「ネクロノミコン(死者の書)」を読み上げてしまったことで、友人たちが次々と「デッドナイト」と呼ばれる悪霊憑きの怪物と化していく——このシンプルな設定が、40年以上にわたるシリーズの土台になっている。1987年の『死霊のはらわたⅡ』、1993年の『キャプテン・スーパーマーケット』を経て主人公アッシュ・ウィリアムズ(ブルース・キャンベル)は一躍カルト的人気キャラクターとなり、2015年からのドラマ「アッシュVS死霊のはらわた」にも繋がっていった。

2013年、フェデ・アルバレス監督による同名リブート版が公開され、ここからアッシュ抜きの新シリーズが始動する。

2023年の『死霊のはらわた ライジング』では、都会のアパートを舞台に姉妹が対峙するが死霊の圧倒的で無慈悲な暴力描写と冷酷な物語が描かれ、死霊と関わった時点で詰みと言われるほどのグロテスクで容赦のない結末は批評家からも高く評価された。

本作『Evil Dead Burn』は、直接的な続編ではないと公言されているが、前作の終盤にわずかに登場するデッドナイトに取り憑かれたジェシカが湖に現れるシーンから物語は始まため、完全に切り離された物語ではなく、緩やかに世界観が繋がっているようである。

しかし前作とのつながりは冒頭のデッドナイト化したジェシカのシーンだけで、全編を通して骨子となるのは「ネクロノミコン」と呼ばれる死者の書を読んでしまうことで起きる超常現象に恐怖する物語なので予習なしでも十分に楽しめるので安心して欲しい。

シリーズを貫く一貫したルールとして、ネクロノミコンは常に「人間の皮膚で装丁され、血で書かれた」禍々しい書物として描かれ、これを読み上げた者、あるいはその血に触れた者がデッドナイトと化していく。デッドナイトを完全に滅ぼすには、体を徹底的に切断する必要があるという設定も、初代から変わらず受け継がれている。

『死霊のはらわた6/Evil Dead Burn』あらすじ結末ネタバレ

ここから先は『死霊のはらわた6/Evil Dead Burn』の結末に関わる重大なネタバレを含む。夫を亡くしたばかりの女性が、義理の家族との再会をきっかけに地獄のような惨劇に巻き込まれていく顛末が描かれるため、鑑賞前の閲覧は避けることを強く推奨する。

目覚める悪霊

青年ジョセフ・プライス(ハンター・ドゥーハン)が、亡き祖父ベンジャミンの残した記録や資料を熱心に調べている。ベンジャミンはネクロノミコンの研究者で彼の手書きのノートには禁断の呪文を唱えたことで多くの者がデッドナイトと呼ばれる悪霊を呼び覚ましては血の惨劇が起きていることが記されている。ジョセフがペンを落とし床下に何かがあるのを発見したところから物語は始まる。

近くの湖でジャレッドとレオが釣りを楽しんでいた。レオが電話のため席を外している間にジャレッドの釣り竿が反応し引き上げてみると、針にかかっていたのは腐敗した人間の頭部だった。驚いたジャレットが動けずにいると頭部が意思を持ったかのように強烈な力で釣竿ごと湖に引き込むと、水面から釣り糸が飛び出しジャレットの首に巻き付いて湖の中に引き摺り込んでしまう。

異変に気づいたレオがボートで駆けつけるが、そこにいたジャレッドの顔はすでに無残な姿に変わり果てていた。ジャレットの遺体をなんとか船に拾い上げ周囲を見渡すと水中にいた女性デッドナイト、ジェシカ(グレタ・ヴァン・デン・ブリンク、前作の湖に取り憑いていた少女)と目を合わせてしまう。逃げようとするがボートを転覆させられ、湖の中に落ちると、ジェシカの力で湖は沸騰しており皮がベロベロに剥がれる痛みに耐えながら岸まで這い上がるが、背後からジェシカに踏み潰され死んでしまう。

燃え上がる兄弟の因縁

同じ頃、ジョセフはナイトクラブで恋人タイヤ(ルシアン・ブキャナン)、兄ウィル(ジョージ・プラー)、その妻アリス(スヘイラ・ヤクブ)とともに誕生日を祝っていた。しかしウィルとアリスで激しい口論が起きてしまう。ウィルは日常的にアリスへ暴力を振るう人物で、この夜も彼女がタバコを吸ったことを激しく責め立て続け、自らの言動の責任すらアリスに押し付けて追い込み続けていた。ついに我慢の限界を迎えたアリスが「地獄に落ちろ」と言い放つと、酔ったウィルはジョセフを振り切り、車を飛ばして走り去ってしまう。

お大雨の降る真夜中の森を猛スピードで走るウィルは、道に現れたジェシカに衝突し、横転してしまう。脱出しようとするウィルの前に転げ落ちていたジェシカの首が目を開くとデッドナイトたちが次に狙うのはお前の家族全員だと告げる。その直後、ウィルのシートベルトが急激に閉まり固定すると車が炎に包まれ、ウィルは生きたまま焼かれて死んでしまう。

葬儀という名の惨劇の始まり

アリスはジョセフ、タイヤとともにウィルの葬儀に参列し、ジョセフの父エドガーと母スーザン(エロール・シャンド、タンディ・ライト)、そして認知症を患う祖母ポリー(モード・デイヴィー)と顔を合わせる。表向きは丁寧に接するスーザンだったが、息子の葬儀にパーカーとスニーカー姿で現れ、悲しみをまるで見せないアリスの態度が、彼らの不信をさらに強め敵意を隠そうとせずアリスを睨みつけている。

無事に葬儀を終え陽気な火葬技師のマイクがウィルの遺体を炉に入れようとするが、エドガーが最後の別れをしたいと申し出たためエドガーを残して部屋を出る。エドガーが棺を悲しそうに触れていると、棺の中からノック音がすることに気がつきウィルが生き返ったと嬉々として蓋を開けようとする。すると中から出てきたのは腐敗した焼死体姿のデッドナイトと化したウィルだった、異変に気づいて駆けつけたマイクは、ウィルによって無残に引き裂かれ、その様子を怯えた様子で見ていたエドガーはデッドナイトの呪いを移されてしまうのだった。

家族という名の地獄

ジョセフたちが一族の屋敷へと戻る。そこで冒頭にジョセフが調べ物をしていた場所が屋敷の屋根裏部屋でそこには祖父ベンジャミンの研究資料が積まれていたことが判明する。ジョセフが屋根裏で一息ついていると母スーザンが現れ父はろくでもない人間だったと突き放すとベンジャミンの遺品や資料をゴミ袋に突っ込み捨てると言い出すが、ジョセフは残りは僕がやるよとゴミ袋を手渡してもらい遺品を守る。

その間にも、デッドナイトの呪いは静かにエドガーの体を蝕み始めていた。エドガーは常にデッドナイトの命令が頭に響き続けているのをなんとか理性で抑えていたが、何度も何度も手首を切り落としたいという欲求が頭から離れず徐々に顔も変貌していく。

一家での夕食の席でやはりジョセフを除く一族全員がウィルの死の責任をアリスに押し付ける空気を漂わせていた。そこに一番乗っかってきたエドガーは口から泡を吐きながらアリスを強く非難したと思うと怒りの矛先は愛犬マックスに向きエドガーは手に持ったフォークでマックスを何度も何度も刺して惨殺した後に昏倒してしまう。

タイヤが運転する車の中でジョセフが父を助けようと奮闘していると、完全にデッドナイトと化したエドガーが運転中のタイヤを襲い始める。殴りつけ、顔を引き裂き、車のドアで左手の指を切断し、最後には車が事故を起こした拍子にタイヤの頭部と首を貫いて殺害する。ジョセフは一部始終を見届けるとビビって逃げる。

屋敷を包む狂気

その頃愛犬マックスの遺体処理を頼まれたアリスはジョセフが捨てようとしていたベンジャミンが遺したネクロノミコンの研究記録を発見し、お約束通りネクロノミコンの禁断の呪文を読み上げ始める・・・・・が、呪文の最後の言葉を発音する前に「くそくらえ」と呟いて踏みとどまる。しかしすぐ目の前まで召喚されていたデッドナイトはマックスに憑依しアリスに襲いかかる。

アリスが屋敷に逃げ延びるとジョセフも命からがら屋敷に飛び込むが、扉をノックする訪問者が現れる。ジョセフが扉を開くとそこにいたのはデッドナイトが乗り移ったタイヤだった。タイヤは心配する住民たちを尻目に首に刺さった車のヘッドレストを引き抜くと「ベンジャミンが遺した何かをデッドナイトたちが求めている」と告げ。アリス、ジョセフ、スーザン、ポリーに襲いかかる、タイヤを一室に閉じ込め安心したところに次に訪れたのはエドガーだった。エドガーは不敵な笑み浮かべたまま銃を3回自分の頭に撃ち込むが死ぬことはなく不敵な笑みをしたまま庭に立っていた。

エドガーの機構に目を奪われているとタイヤが部屋を脱出して再び襲いかかり、ジョセフたちを薙ぎ倒すと、車椅子のポリーの入れ歯を自分の口に含ませてから返すことで、彼女にデッドナイトの呪いを感染させる。背中をズタズタにされて重傷を負ったジョセフが息を吹き返しタイヤを殴り点灯させると食洗機の扉でタイヤの顔をぐちゃぐちゃに完全につぶすことでデッドナイトタイヤをやっと止めることに成功する。

結末ネタバレ:ダガーの行方

しかし惨劇は終わらない。デッドナイトに感染したことを知らないスーザンがポリーの寝室で看病していると、ポリーが立ち上がってスーザンを呼び寄せる。スーザンは恐怖するどころかむしろ母が正気を取り戻したことに喜び、ポリーを強く抱きしめると、ポリーの言われるがまま窓を開けて入ってきたエドガー(頭がズタズタ)を引き入れると口づけを交わし、進んでデッドナイトになることを選択する。

感染したことを隠したスーザンは正気のふりをしてジョセフに、デッドナイトたちが求めているのは人間の体からデッドナイトを完全に取り除ける「カンダリアン・ダガー」という短剣だと伝えると、スーザン、エドガー、ポリーがジョセフに襲いかかりジョセフは自分で破壊したタイヤの顔面に顔を突っ込まれ強制的に感染させられてしまう。

アリスは安全な場所へ逃げようとするが、ジョセフも呪いに取り込まれてしまう。ジョセフが奮闘しスーザンとポリーがアリスを探そうと走り回っている屋敷の中をアリスは逃げ回り草刈り機を使ってポリーの顔に突き刺して撃退する。

アリスはスーザン(正気だと思っている)を浴室に連れ込み、二人だけで立てこもるが、ウィルの死の責任を執拗に押し付けようとするスーザンに対し、アリスはかつてウィルに突き飛ばされ熱湯を浴びせられた際にできた腹部の傷跡を見せつける。夫の暴力を知りながら見て見ぬふりを続けてきたスーザンとエドガーの無責任さを非難すると、スーザンは本性を表し襲いかかるが草刈機でぶっ裂いて撃退。

屋根裏部屋にたどり着いたアリスは、ダガーを探すが箱の中には何十本もナイフが入っておりどれがカンダリアン・ダガーかわからない。そこに現れたデッドナイトと化したジョセフに対しがナイフをつぎつぎと突き刺していきついに古びた一本のナイフがカンダリアン・ダガーで、刺されたジョセフの肉体からデッドナイトを解放して絶命させる。

生きていたスーザンとエドガーに襲われるがアリスは屋根を伝って逃亡し煙突に引っかかってしまうが草刈機とダガーでエドガーとスーザンををぶっ裂くと、正気を失ったタイヤが撒いていたガソリンにマッチで火を放ち屋敷は炎に包まれる、最後にデッドナイト犬のマックスが牙を剥くが、ダガーを指してデッドナイトたちの息の根を完全に止められる。

これで終わりと思ったアリスの前に現れたのは燃え盛る屋敷から出てきたデッドナイトのウィルだった。ウィルの姿を見て過去のDVを思い出したアリスは反撃する意思を失い近くの建設現場に逃げてしまう。

追いついたウィルがアリスを穴に投げ込み溶けたタールを注ぎ始めるが、アリスはすんでのところで脱出し、削岩機でウィルの体を打ちのめす。それでもタールの中から起き上がってくるウィルに、アリスはダガーを首へ突き立てる。

一瞬、人間だった頃のウィルが愛を語りかける幻影が見えるが、アリスは「そんなので済ませるか!」と憎しみを込めた表情を浮かべると、素手でウィル頭部を完全に粉砕して真のとどめを刺す。

警察と救急隊に発見されたアリスは、誰にやられたのかと聞かれ「元夫よ」とだけ答える。差し出されたタバコに、彼女は静かに火をつける。

隠しエンディング「広がる感染、7への伏線」

エンドクレジットが流れる中に挟まれた中間クレジット映像では、屋敷の火災から逃れていたデッドナイトのポリーが、道端で通りがかった女性ドライバーに助け出されていた。怪我を装ったポリーは、油断した女性の脚に爪を立て、新たな呪いの感染者を生み出していた。

エンドクレジット後の映像では、火葬場の管理人が娘を連れて出勤してくる。

娘は引き取り手のない遺灰の骨壷がならぶ部屋を見渡していると――ひときわ目立つ骨壷が前作『ライジング』で描かれたデッドナイトに感染し家族たちを恐怖に貶めたエリー・ビクスラー(アリッサ・サザーランド)のものであることを発見する。

娘が骨壷に触れた瞬間、鏡面にエリーの人間だった頃の姿が浮かび上がるが、次の瞬間デッドナイトの姿へと変わり、少女の首を無残に切り裂きながら「ママが帰ってきたわよ」と告げるところで、物語は幕を閉じる。

『死霊のはらわた6/Evil Dead Burn』作品情報

『死霊のはらわた6/Evil Dead Burn』の制作を手がけた監督と出演俳優、作品の基本情報について紹介する。

興行収入

製作費2000万ドルの本作は、全米公開初週末で2500万ドル前後の興行収入を見込まれており、前作『死霊のはらわた ライジング』のオープニング成績(2450万ドル)に匹敵する滑り出しとなった。同時期に公開された実写版『モアナ』が批評家から酷評され苦戦する中、ホラー映画としては近年の好調な波に乗る形で堅調な出足を記録している。

セバスチャン・バニチェク監督情報

IMDb

フランス出身の監督・脚本家。長編デビュー作「スパイダー/増殖」(原題:infested)でカンヌ国際映画祭の批評家週間に選出され、閉所空間での緊迫した演出手腕が高く評価された。

本作が長編2作目にして、初のハリウッド大作となる。製作にはシリーズ生みの親であるサム・ライミ、ロバート・タパートが名を連ね、脚本はフロラン・ベルナールとの共同執筆。監督自身は本作について「フランス的な捻りを加える」ことを公言しており、家庭内暴力や沈黙が生む共犯関係といった、ヨーロッパ映画的なテーマ性を持ち込んだ点が特徴だ。

二作品目にしてデビュー作「スパイダー/増殖」6.2点を上回る6.8点とホラー映画の中でも高評価を獲得している。

アリス役「スヘイラ・ヤクブ」情報

チュニジア系ベルギー人の女優。Netflixドラマ「クラブゼロ」やNetflix映画「ノーマンズランド」への出演で知られる。本作では、亡き夫の暴力の記憶と、義理の家族から向けられる敵意の両方と戦いながら、屋敷からの生還を目指すヒロイン、アリスを演じている。

ジョセフ役「ハンター・ドゥーハン」情報

Netflixドラマ「ウェンズデー」でタイラー・ガルピン役を演じたことで知られる俳優。本作では、祖父の遺したネクロノミコンの謎に触れてしまう青年ジョセフを演じている。

海外の感想評価まとめ

本作は海外でどのような評価を受けているのか。Rotten Tomatoesでは批評家支持率72%、Metacriticでは「賛否両論」の水準となる58点を記録しており、批評家の評価は割れている。過激なゴア表現と実写プロップの完成度については高い評価で一致している一方、「シリーズ史上もっとも陰鬱で救いがない」という声も根強い。なぜこの評価になったのか、海外レビュアーたちの声を見ていこう。

IMDb(総合評価:6.4/10)

①「Helpful」投票数トップのレビュアーJosh-GenX(6/10)は、特殊メイクと視覚効果について「文句なしの出来」と絶賛しつつ、物語自体は旧三部作にあった「楽しさ」を欠いた凡庸な仕上がりだったと評している。音楽や小道具に旧作へのオマージュが散りばめられている点は評価しつつも、全体としては前2作と同様に忘れられやすい内容だったと結論づけている。

②sarakuralexx(8/10)は、ブルース・キャンベルの「初めてエビル・デッドを観るなら、事前に練習しておいた方がいい」という言葉を引用しながら、監督バニチェクが編み出す残虐な殺害描写の独創性と、緊張の合間に挟まれる軽妙なユーモアのバランスを高く評価している。

③PrimeraE(6/10)は、本作が持つ過剰さこそがシリーズの本質だと理解を示しつつ、主人公の過去の関係性がもっと深く掘り下げられていれば、さらに強い一本になっていたはずだと分析している。家族が暴力や沈黙、秘密によってすでに壊れていたことをデッドナイトが暴き出す、という着眼点自体は高く評価している。

④kmkevinn-66699(7/10)は、本作を「シリーズ史上もっとも深刻で陰鬱な一本」だと位置づけ、家庭内暴力や強制的な支配といった現代的なテーマを取り込もうとする脚本の野心を評価しつつ、その表現がやや性急かつ表面的になっている点を課題として挙げている。撮影や美術、音楽面での完成度は高く評価している。

IMDb – Evil Dead Burn

Rotten Tomatoes(批評家:72% / 観客:スコア未算出)

①バラエティ誌のオーウェン・グレイバーマンは、本作の暴力描写が単なる過激さのためではなく、家族間に鬱積した緊張と怒りが「食いちぎり、殴りつけ、えぐり、切断する」という形で噴出する、一貫して「テーマ的」な暴力になっていると分析している。

②Fangoriaのマイケル・ギンゴールドは、本作がサム・ライミのオリジナル版と同じように、意欲に満ちた新人監督が持てる力のすべてを画面にぶつけてきた作品だと高く評価している。

③The Hollywood Reporterのデヴィッド・ルーニーは、脚本自体は物語として目新しい部分がほとんどないと指摘しつつ、これはさほど問題にならないとしながらも、もっと明確な悪役の存在が欲しかったと評している。

④一般観客からは「ゴア表現は文句なしに最高だが、それ以外は驚くほど普通の映画だった。もっと予想外の展開が欲しかった」という評価がある一方、「デッドナイトの動きや造形が、これまでのシリーズと比べて妙におとなしく感じられた。あの原始的な不気味さが薄れてしまった」と、シリーズならではの怪物描写への不満を挙げる声も見られた。

⑤別の観客は、序盤の演出について「低予算映画にありがちな粗さが目立ち、正直なところ最初の30分は集中力が続かなかった」と率直に感じたとしつつも、いざ惨劇が始まってからの実写プロップによる殺害描写については「痛みまで伝わってくるような生々しさで、その完成度は素直に称賛したい」と評価を一転させている。

⑥一方で、「予算に頼らず、アイデアと勢いだけで押し切ろうとする新人監督のがむしゃらな熱量が画面越しにひしひしと伝わってくる。サム・ライミの原点を思い出させてくれる」と、本作の粗削りな勢いそのものを肯定的に受け止める観客の声も見られた。

Rotten Tomatoes – Evil Dead Burn

Metacritic(総合評価:58/100)

①IndieWireのアリソン・フォアマンは、本作をシリーズの中でも「もっとも奇妙なデッドナイト映画」だと位置づけている。過去作が踏襲してきた「山小屋に閉じ込められた若者たちが襲われる」という定番の型から意図的に外れ、家族の葬儀という重苦しい儀式そのものを恐怖の舞台に変えた点を、型破りな挑戦として評価している。予測可能な展開に頼らず、観客の予想を裏切り続けるプロットの組み立て方についても、シリーズの新機軸を切り開こうとする野心の表れだと分析している。

②RogerEbert.comは、本作が凶暴な内容にもかかわらず、途中で作品としての焦点を見失ってしまっていると指摘している。序盤で提示された家庭内暴力というテーマが、終盤の畳みかけるようなゴア描写の連続の中でいつの間にか置き去りにされ、単なる残酷描写の羅列に成り下がってしまう瞬間があるという。役者陣の熱演や特殊効果の完成度は認めながらも、テーマと恐怖演出をもっと丁寧に結びつける編集上の判断が必要だったと結論づけている。

③World of Reelは、本作を「拷問描写に近い過剰な暴力に終始し、シリーズが本来持っていた悪ふざけの精神を失ってしまった」と厳しく評している。初代や『Ⅱ』が持っていた、恐怖と紙一重のスラップスティックなユーモアが本作にはほとんど見られず、代わりにひたすら陰惨な暴力描写だけが積み重なっていく構成に疑問を呈している。シリーズのファンほど、この路線変更に戸惑うだろうと予測している。

④一般ユーザーからは「デッドナイトの咆哮、飛び散る血、崩れゆく家族――これぞエビル・デッドだ」という熱烈な支持の声がある一方、

⑤「キャラクターが誰一人として好きになれず、ただ悲惨な目に遭う様子を延々と見せられているだけだった。ストーリーと呼べるものがほとんどない、ただの血みどろショーだ」と切り捨てる声も見られ、

⑥さらに「賢さや深みはまるでないが、それでも画面から目が離せない。とにかく最高に面白い、下品な娯楽映画としては満点だ」というカジュアルな肯定の声も見られるなど、評価は大きく分かれている。

批評家レビュー

海外批評家の詳細な評価を見ていこう。

Variety テーマとしての暴力

オーウェン・グレイバーマン氏「暴力は絶え間なく続くが、それは一貫して“テーマ的”なものであり続ける」

グレイバーマンは、本作の過激な暴力描写が単なる過剰さのためのものではないと分析している。家族の間に鬱積してきた緊張や怒りが、噛みつき、殴りつけ、えぐり出し、切断するという形で物理的に噴出していく様子こそが、本作の暴力表現の核心にあるという。家庭内暴力というテーマを、比喩ではなく文字通りの肉体破壊として描き切った点を、本作独自の達成だと評価している。

評価点 家族間の抑圧された感情を、比喩ではなく文字通りの暴力として描き切った一貫したテーマ性

批判点 (本人が明確な批判点を挙げていないため割愛)

(Variety – Evil Dead Burn review)

Fangoria 新人監督の全力投球

マイケル・ギンゴールド氏「サム・ライミのオリジナル作品と同じく、意欲に満ちた新人監督が持てる力のすべてを画面にぶつけてきた」

ギンゴールドは、監督バニチェクの熱量を、シリーズの原点であるサム・ライミの初期作品になぞらえて評価している。予算や経験の限界を、アイデアと勢いで押し切ろうとする姿勢こそが、このシリーズが40年以上愛され続けてきた理由そのものだと分析し、本作にもその精神が確かに息づいていると綴っている。

評価点 予算や経験の限界を、アイデアと勢いで乗り越えようとする新人監督らしい熱量

批判点 (本人が明確な批判点を挙げていないため割愛)

(Fangoria – Evil Dead Burn review)

The Hollywood Reporter 悪役不在の物足りなさ

デヴィッド・ルーニー氏「脚本には物語として目新しい部分がほとんどない、それ自体はさほど問題ではないのだが」

ルーニーは、本作の脚本がシリーズの定型をそのままなぞっている点については寛容な姿勢を見せつつ、本作にはっきりとした「悪の主導者」が不在である点を弱点として指摘している。デッドナイトという現象そのものは恐ろしいが、それを束ねる明確な脅威の存在がないことで、物語の緊張感がやや拡散してしまっていると分析している。

評価点 (本人が明確な評価点を挙げていないため割愛、脚本の定型性自体は問題視していない)

批判点 物語を牽引する、明確な「悪の主導者」となる存在の不在

(The Hollywood Reporter – Evil Dead Burn review)

Daily Dead 尽きることのないエネルギー

マット・ドナート氏「一度スタートしたら止まらない、エナジャイザーのウサギのような映画だ」

ドナートは、本作の絶え間なく続く緊張感を、乾電池のマスコットキャラクターに例えて評価している。序盤から終盤まで一貫して観客を緊張させ続ける構成力を称賛する一方、監督バニチェクの一部の演出判断については「サイコ向けのサイコによる選択」と評し、賛否が分かれる可能性を示唆している。過激さの受け止め方によっては、一部のホラーファンにとって受け入れがたい内容になり得るとも指摘している。

評価点 序盤から終盤まで一切緩まない、絶え間ない緊張感の持続力

批判点 一部の演出判断が過激すぎて、ホラーファンの中でも受け止め方が大きく分かれる可能性

(Daily Dead – Evil Dead Burn review)

個人的な感想評価

これは素晴らしい、特に小さい変化を妥協せずに描いている点。

冒頭のジャレットが湖に落ちてレオが引っ張り上げようとするシーンで、かろうじて水面から出ているレオの顔が強烈なアレルギーが発症したかのように顔が腫れ上がっており、お?演出細かいなとここで感心するが、これは序の口でジャレットがレオを引き上げようと奮闘し場面がレオに切り替わるたびに徐々に顔がグズグズになっていき、最後になんとか引き上げる段階で「あ、見えない湖の下で何かヤベェことになっているな」と彼の命に対する悲壮感が漂う、そして実際に引き上げると既に下半身は引きちぎれており….というこんな冒頭でモブが死ぬシーンに手を抜いていないことを知った瞬間、映画に対しての期待値が一気に上がったことを覚えている。

車の中で豹変し狂人となったエドガーがタイヤを何度も殴りつけ、動けないジョセフ、必死に抵抗するタイヤが消化器を噴霧するシーンが閉鎖感漂う屋内カメラのまま見事な演出で描かれており、ホラー映画なのに思わず「おお、すごい演出だ」と唸ってしまった。中で何があったのかを隠すことなく詳細を見せた挙句、ジョセフが恐怖で何もできずに情けなく逃げるという展開も、何もかもが良い意味で期待を裏切るため素晴らしい。それ以外の言葉が出ないシーンだった。

その後屋敷に戻ってからもダレることなく新たな訪問者に内側の裏切り者に病人に怪我人に誰もが痛めつけられ続ける展開が続く。それが最後まで、本当に1秒もダレることなく一級品の質を維持してまま90分が過ぎるため、後30分追加してくれないかなとすら思う見事な映像体験だった。

唯一の欠点は展開が前作「ライジング」と同じであるということかな。前作からデッドナイトに目をつけられたら破滅のみ。この路線変更を賞賛した前作と本作の展開が似ているのだ。ファイナルデッドコースターシリーズみたいに「どんな方法で痛めつけられるか」ぐらいの味付けしかないとも言える。

海外の評価を見渡していて興味深いのは、本作が単なる「デッドナイトに家族が襲われる話」ではなく、「すでに壊れていた家族の姿を、デッドナイトが暴き出す話」として組み立てられている点だ。ウィルの暴力を知りながら見て見ぬふりを続けてきた両親、認知症の祖母を都合よく扱う家族の空気――呪いが可視化しているのは超自然的な悪ではなく、この家にもとから巣食っていた沈黙と共犯関係そのものだったように思える。

まとめ

今回は日本未公開の話題作『死霊のはらわた6/Evil Dead Burn』について、結末までのネタバレとあらすじ、そして海外での評価をまとめて紹介してきた。『インフェステッド』のセバスチャン・バニチェク監督が手がけた本作は、シリーズ6作目にして『ライジング』に続く新章として公開され、Rotten Tomatoesで批評家支持率72%、Metacriticで58点という、賛否がはっきり分かれる評価を獲得した。家庭内暴力というテーマを真正面から扱った野心的な脚本と、過激な特殊メイク・実写プロップの完成度を評価する声がある一方、「シリーズならではの悪ふざけの精神が薄れた」「陰鬱すぎる」と指摘する声も根強い。エンドクレジット後には次作『Evil Dead Wrath』(2028年公開予定、初代へと繋がる前日譚になるという)への布石となる映像も用意されており、40年を超えるこのシリーズがどこへ向かうのか、今後の展開にも注目したい。

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