
シリーズ最高傑作!映画『V/H/S/ハロウィン』の結末までのネタバレと海外の感想評価を徹底解説。IMDb7.9点、Rotten Tomatoes批評家92%の高評価を獲得したV/H/Sシリーズ第8弾の血みどろの物語を完全紹介。
「フランチャイズ史上最も一貫したトーン」2025年10月3日にShudderで全米配信された映画『V/H/S/ハロウィン』のあらすじ結末までネタバレ解説と海外の感想評価をまとめて紹介する。本作は2025年9月19日にFantastic Festでワールドプレミア上映されたアメリカ制作のファウンドフッテージ・ホラーアンソロジー映画で、V/H/Sフランチャイズの第8作目となる作品だ。
本作は6つのハロウィンをテーマにしたホラー短編で構成されている。ダイエットソーダの恐ろしい副作用を記録した企業映像、トリック・オア・トリート中に遭遇した都市伝説の怪物、ハロウィンパーティーの虐殺事件、キャンディを盗んだ代償、子供誘拐ビデオ、そして呪われたレコードが引き起こす惨劇という、それぞれが独立した恐怖の物語である。
監督はスコットランドのブライアン・M・ファーガソン、スペインの『REC』で知られるパコ・プラザ、『Adult Swim Yule Log』のキャスパー・ケリー、『Her Smell』のアレックス・ロス・ペリー、『Appendage』のアナ・ズロコヴィック、そしてミシュリン・ピット=ノーマンとR.H.ノーマン夫妻が手がけた。制作はBloody Disgusting、Shudder Films、Cinepocalypseが担当している。
今回は、V/H/Sシリーズの中でも最高傑作との呼び声高い映画『V/H/S/ハロウィン』の各セグメントについて詳細に解説していこう。以下の内容は本編の結末を含む重大なネタバレを含むため、必ず視聴してから読んでいただきたい。また、子供への暴力や拷問シーンの描写も含まれるため注意が必要だ。
『V/H/S/ハロウィン』あらすじ結末ネタバレ
ここから先は『V/H/S/ハロウィン』の核心である重大なネタバレを含む。本作は「ハロウィン」をテーマに制作された6つの短編(セグメント)の詳細なあらすじと結末を順を追って解説していく。
ダイエット・ファンタズマ
飲料メーカーであるオクタゴン社は新商品「ダイエット・ファンタズマ」というソーダの試飲テストを行うために映像を録画している。(極秘記録映像として撮影されたこの映像には、画面に「社内使用のみ」という文字が表示されている。)

主任のブレイン・ロスチャイルド(デヴィッド・ヘイドン)が指揮を執り、彼のチームは被験者たちに新しいソーダの試作品を飲ませる実験を始める。最初の被験者がダイエット・ファンタズマを口にすると、男性は飲んだ瞬間に苦しみ始めると悪魔に取り憑かれたかのように白目を剥き始める。徐々に肌は黒く変色し激しく痙攣し男性が缶から距離を取ろうとするが、驚いたことに缶の中から触手が飛び出し男性のの頭に巻きつくと、まるで意思を持っているかのように缶を口にねじ込み始め、最後の一滴までソーダを飲ませようとするのだった。
しかし、ロスチャイルドと彼のチームは実験を止めようとしない。倫理観の欠片もない彼らの目的は、ハロウィンまでにこの商品を市場に投入することだった。
次の被験者は若いカップルだった。何も聞かされていないカップルは笑ってソーダを飲み始める。最初に兆候が現れたのは男性でひどく苦しみ始め、徐々に体が風船のように膨らみ、耐えきれなくなった皮膚が軽い衝撃で弾け飛び一瞬で皮膚が失われてしまった。その様子を見ていた彼女が逃げようとするが缶が勝手に動き始めると彼女に向かって飛びその衝撃で彼女の肉体は爆発したかのように飛び散ってしまう。
次はふてぶてしくガムを噛む若い女性だった。女性が缶に手を伸ばそうとした途端、女性に何かが憑依してしまう。悪魔のように豹変した女性は頭が割れるまでガラスに顔を叩きつける。そ
次の被験者は幼い少女だった。彼女がソーダを飲むと、爆発音と血飛沫が飛び散る。
次は3人親子、もう理解しただろうが、最初に飲んだ父親が悪魔のように豹変し、妻と子供に手をかける。
一度物語は終了するが、エンドクレジットの最中にダイエット・ファンタズマのCMが流れる。被験者の一人の少女が出演し、「ポルターガイストから作られています」というキャッチコピーと共にソーダを飲んだ少女の顔が悪魔の顔になってCMは終わる。
怪物マミー
高校生のレイシー(サマンサ・コクラン)とカレイ(ナタリア・モンゴメリー・フェルナンデス)は、年齢的にはもうハロウィンを卒業しトリック・オア・トリートをする歳ではないが、イェール大学に進学する前の最後のハロウィンとして、もう一度だけキャンディ集めをすることにする。

二人は夜の街を歩きながら、地元に伝わるハロウィンの夜に家から子供たちを誘拐するという恐ろしい怪物「マミー」と呼ばれる邪悪な都市伝説について語りながら、適当な家の呼び鈴を鳴らしてイタズラしながらお菓子を奪い去る迷惑行為を笑いながら行い街を歩き続ける。
やがて二人は、異様に派手な装飾が施された一軒の家にたどり着く。その家は他の家とは明らかに違う不気味な雰囲気を放っていたため好奇心に駆られた二人は、その家の呼び鈴を鳴らすが誰も出てこず、二人はそのまま足を踏み入れてしまう。
家の中は奇妙な作りをしていた。曲がりくねった廊下、奇妙な部屋の配置、物理法則を無視したような空間構造に迷ってしまった二人は怯え、二人は進む以外に方法がなくなっていく。不気味な装飾、奇妙なスキンヘッドの大人の赤ん坊、無理やり食事を摂取され続ける女性、精神崩壊したチアリーダーの娘、不可能な光景が次々と現れ二人の恐怖は限界に達する。そして、ついにマミーが姿を現す。
マミーはレイシーを凶悪な力で抱きしめ肋骨を折ると地下室に連れ込んでしまう。カレイは必死に友人を追いかけるが、地下室で見たのは、すでにマミーの子供に変えられてしまったレイシーの姿だった。
マミーは現実の怪物だった。彼女はかつて妊娠していたが子供を失った母親で、その悲しみから狂気に陥り、他人の子供たちを誘拐して自分の子供にしようとしていたのだ。地下室には、すでに彼女の「子供」にされてしまった犠牲者たちがいた。チアリーダーを含む3人の若者たちで、彼らの顔は奇形に変形し、赤ん坊のように振る舞っている。
抵抗する気力を失ったカレイは、他の犠牲者たちと共に床に横たわる。マミーは子守唄を歌いながら、新しい「子供たち」に優しく寄り添うシーンで物語は終了する。
「Ut Supra Sic Infra」
とある街で起きたハロウィンパーティーの虐殺事件の唯一の生存者エンリックが警察の尋問を受けている。彼を除くすべての友人たち全員が、目をえぐり取られて殺害された事件を解決するため、警察は嫌がるエンリックを事件の起きた家へと連れていく。

事件当日彼らが撮影した映像が流れ、ハロウィン当日の夜、エンリックと数人の友人たちは、リーダー格のヴィッキーに率いられて、霊媒師が住んでいたという家に侵入して肝試しをして遊んでいた。
家の中を探索していると、部屋の中央に、線が繋がっていない黒電話が置かれている天蓋のある部屋にたどり着く。奇妙な部屋にテンションが上がる仲間たちだったが、壁に書かれた文字を発見したエンリックは「Ut Supra Sic Infra」(天上の如く、地下もまた然り)というラテン語の文を何も考えずに読み上げてしまう。
エンリックが口にした瞬間、電話が鳴り始め、ヴィッキーは触るなと警告するが、エンリックは受話器を取ってしまう。
電話に出た瞬間、エンリックの身体は激しく痙攣し始め映像が途切れる。次にカメラが捉えたのは、エリックを除く友人たち全員が眼球が失われ死んでいた様子だった。
現在に戻り、警察官たちはエンリックを再び天蓋のある部屋へと導く。エンリックは恐怖で震えながら抵抗するが、同行していた精神科医は「すべて君の頭の中の幻想だ」と彼を説得して、警察官たちはエンリックに再度あの言葉を唱えるよう求める。
エンリックは震える声で「Ut Supra Sic Infra」と繰り返す。すると、再び電話が鳴り出す。エリックは電話に出るなと警告するが、同行していた精神科医が電話を取ってしまう。受話器を耳に当てた精神科医は無言だわと呟き後ろを振り向くと、背後でエリックが激しく痙攣し口から大量の吐血、、そして目玉を吐き出す。
エリックは口から目玉を覗かせたまま笑みを浮かべると、そこにいた全員を謎の力で空中に浮かせると、浮かび上がった捜査員たちは天井に縛り付けられてしまう。宙に浮いたカメラもその様子を捉え続け、エリックは空に浮かぶと捜査員たち一人一人の目玉をくり抜く様子が映し出され物語は終了する。
ファンサイズ
ローレン(ローソン・グレイソン)、ジョシュ(ライリー・ノッティンガム)、ヘイリー(ジェナ・ホーガン)、オースティン(名前不明)の4人はトリック・オア・トリートして困惑する住民たちを映し出す動画配信を行なっていた。

やがて玄関先に「一人一つまで」という警告の紙が添えられた巨大なボウルが置かれた家を見つける。ボウルの中には見たこともないような奇妙な名前のキャンディが入っており、中には明らかに男性器の形をしたチョコレートバーもあった。男性器チョコが美味しくテンションが上がった四人は警告を無視してキャンディを取ろうとすると、ボウルの中から手が伸び若者たち全員をボウルの中に引き摺り込んでしまう。
気がつくと、彼らはコストコぐらい広い空き倉庫のような場所にいた。訳もわからず狼狽えていると、キャンディのキャラクターの被り物をした人間に追いかけられる。「ファンサイズ」としか言わないキャンディの男は、ピエロのように陽気な様子で動き回りながら楽しそうに四人を追いかけ、謎の機械の前にたどり着くとオースティンを機械に入れてしまう。
ベルトコンベアで運ばれるオースティンは細かく刻まれて部位ごとにチョコレートやキャンディコーティングされていく。ここであのボウルに入ったお菓子や男性器型のチョコレートバーは、人間の身体から作られていたことが判明する。
ファンサイズと叫ぶ彼らは超能力があるため、彼らがどこに逃げても奇妙な力で捕まってしまう。次に捕まったヘイリーは肛門から大量のM&Mを詰め込まれ顔中からチョコが溢れ出して死んでしまう。通気口から残りは逃げ出そうとするが、ローレンは引っ張られそのままギロチンでズタズタに肉片にされ、残されたジョシュが最後まで逃げ延びるが、工場の外で待ち構えていたキャンディ男が「ファンサイズ^^」と叫ぶシーンで物語は終了する。
キッドプリント

行方不明の子供たちを特定するために使われる「キッドプリント」サービスの紹介動画が始まる。キッドプリントで子どもたちを撮影し指紋なども事前に取っておくことで、万が一誘拐された場合でも即座に克明な映像資料を警察に渡せるので安心ですという内容だった。
キッドプリントを経営しているブルース(カール・ギャリソン)は多くの子どもたちに撮影を行い、親も子供も笑顔で安心している様子が映し出されていた。
しかし、実際には彼は小児性愛者で、子供たちを誘拐しては店のカメラで拷問シーンを撮影していた様子が映し出される。
セグメントは複数の子供たちの「キッドプリント」映像を映し出す。カメラの前で笑顔を見せる無邪気な子供たち。だが、映像の合間に挿入されるのは、同じ子供たちが監禁され、虐待を受けている恐ろしい場面だった。
子供を誘拐された親がキッドプリントに忍び込み、地下で行われていた拷問部屋に辿り着くがブルースに襲われてカメラを奪われ映像は終了する。
警察の手でブルースは逮捕されるが、助け出された子供達の顔に笑顔はない。
結末ネタバレ:ホーム・ホーント
ある家族は毎年ハロウィンに、自宅でお化け屋敷を作る伝統を持っていた。今年、彼らは骨董品店で見つけた古いレコード盤を新しい装飾として追加することにした。しかし、このレコードには呪いがかけられていた。
レコードを再生すると、不気味な音楽が流れ始める。すると、家族が毎年作ってきたお化け屋敷の装飾品たちーーゾンビ、狼男、魔女、その他の怪物たちが次々と命を持ち始め、呪いによって本物の怪物へと変貌を遂げたのだ。
家族は自分たちが作り出した怪物たちに襲われる。ゾンビは本物の肉を求めて家族に襲いかかり、狼男は鋭い爪で彼らを引き裂く。魔女は呪文を唱えて家族を苦しめる。家中が戦場と化し、血と悲鳴が満ちていく。
父親は必死に抵抗し、レコードを破壊しようと試みる。だが、呪いは簡単には解けない。一人また一人と家族は怪物たちの犠牲になっていく。母親は魔女に呪い殺され、子供たちはゾンビに食い殺される。
怪物たちはお化け屋敷を飛び出すと周囲にいた子供達に遠慮なく襲いかかり次々殺していくシーンで物語は終了する。
『V/H/S/ハロウィン』作品情報
映画『V/H/S/ハロウィン』を手がけた監督陣と主要キャストの情報を紹介する。本作は6人の監督による共同制作で、それぞれが独自のビジョンを持ち寄ってハロウィンの恐怖を描き出している。
興行収入
本作はShudder独占配信作品のため、劇場公開は行われず、興行収入のデータは公開されていない。
ブライアン・M・ファーガソン監督情報
スコットランド・グラスゴー出身の独学の映画監督で、1987年2月25日生まれ。「トランスグレッション・シネマの正統な後継者」と評され、その作品は美しくも不穏な映像美で知られている。
ファーガソンはミュージックビデオ監督としても活躍しており、ガービッジ、アリス・グラス、レディトロン、アラブ・ストラップ、ボーイ・ハーシャーといった国際的アーティストの作品を手がけてきた。短編映画『フラミンゴ』『レッド・ルーム』『パンプキン・ガッツ』などで高い評価を受け、Fantastic FestやRaindance映画祭、リーズ国際映画祭で上映された。2024年のハロウィンには『パンプキン・ガッツ』がFangoriaで公開され、Varietyの年間ベストホラーリストに選出されている。Adult Swimの『Off The Air』にも作品が採用され、Vimeoスタッフピックにも選ばれた実力派だ。
主演ブレイン・ロスチャイルド役「デヴィッド・ヘイドン」情報
「ダイエット・ファンタズマ」セグメントで狂気の企業幹部を演じたデヴィッド・ヘイドンは、イギリスを拠点とする俳優。本作では、倫理観を失った科学者として、子供たちにまで危険なソーダを試飲させる冷酷な役を演じている。
彼の淡々とした演技が、セグメントの不気味さを一層引き立てている。過去の出演作品としては、イギリスのインディペンデント映画やテレビドラマへの出演があるが、本作で初めて国際的な注目を集めることとなった。V/H/Sシリーズのようなホラーアンソロジーへの出演は今回が初めてで、ファーガソン監督の独特な演出と相まって、記憶に残る悪役を作り上げた。
主演レイシー役「サマンサ・コクラン」情報
「怪物マミー」セグメントで主人公を演じたサマンサ・コクランは、アメリカの若手女優。本作では、最後のトリック・オア・トリートに挑む高校生レイシーを演じ、徐々に恐怖に支配されていく様子を熱演している。
特に、怪物マミーに襲われて肋骨を折られるシーンや、最終的に怪物の「子供」に変えられてしまう場面での演技が高く評価されている。ホラー映画への出演経験を積んでおり、インディペンデント系の短編映画やウェブシリーズにも多数出演してきた。本作での演技により、今後のホラージャンルでの活躍が期待される若手の一人として注目を集めている。コクランはインタビューで、アナ・ズロコヴィック監督の緻密な演出と実践的な特殊効果に驚いたと語っている。
海外の感想評価まとめ
映画『V/H/S/ハロウィン』は批評家と観客の双方から高い評価を獲得している。Rotten Tomatoesでは批評家支持率92%、観客支持率54%を記録し、IMDbでは7.9点という高得点を獲得した。V/H/Sフランチャイズの中でも特に評価の高い作品となっている。なぜこの評価になったのか、海外レビュアーたちの評価を見ていこう。
IMDb(総合評価:7.9/10)
①このフランチャイズのファンとして、今作は期待を裏切らなかった。各セグメントがそれぞれ異なる恐怖を提供しながらも、ハロウィンというテーマで見事に統一されている。特にキャスパー・ケリーの「ファンサイズ」は視覚的な狂気が素晴らしく、観客を笑わせながら恐怖させる絶妙なバランスだった。
②セグメントの質にばらつきがあるのは確かだが、全体として楽しめる作品だ。一つのセグメントが本当に怖くてオリジナリティがあり、没入感も高かった。残りはゴアに頼りすぎてストーリーテリングを犠牲にしている感があったが、それでも混沌とした楽しさは十分にある。強い演出と純粋な狂気のバランスが取れていて、たとえ外れるセグメントがあっても、ワイルドな体験は続く。
③「怪物マミー」のセグメントは強く始まったが、すぐに崩れてしまった。クリシェに頼りすぎで、これまで何度も見たような展開ばかりだ。ただし実践的な特殊効果はかなり良く、怪物も実際に脅威的だった。一方で最悪なのは「ファンサイズ」だ。プロットが本当に馬鹿げていて、CGIも全く助けになっていない。興味深いアイデアはあるが、実行が伴っていない。
④V/H/S映画をすべて見てきたが、今作は間違いなくシリーズ最悪だ。どのセグメントも傑出したものがなく、狂言回しのストーリーラインも馬鹿げている。演技は酷く、ファウンドフッテージのコンセプトが最も苛立たしい形で使われている。ハロウィンは退屈で、ほとんどの時間が苦痛だった。非常に期待外れだ。
Rotten Tomatoes(批評家:92% / 観客:54%)
①すべてのセグメントがそれぞれ独自の方法で素晴らしかった。個人的なお気に入りは「ファンサイズ」と「ホーム・ホーント」の二択だ。そして「キッドプリント」はフランチャイズ全体の中で最も不穏なセグメントだった。V/H/Sハロウィンを見終わって、これは本当に良かった。
②シンプルで最高のV/H/S作品の一つだ。85やビヨンドよりもずっと良く、94や99と同等のレベルにある。6つの本物のお化け屋敷を想像してほしい。それぞれが本当の悪夢なのだ。各セグメントが際立っていて、最後の3つは特に強力だった。
③病的で邪悪だが、良い意味でハイパーゴアだ。V/H/S/94以来の最高傑作だと思う。お気に入りのセグメントは「ファンサイズ」で、本当に怖かった。最も好きではなかったのは「キッドプリント」で、これは子供への拷問ポルノだった。しかし全体として、このフランチャイズに新たな活力を注入した作品だ。
Rotten Tomatoes – V/H/S/Halloween
Metacritic(総合評価:72/100)
①V/H/S/2に匹敵するかは分からないが、シリーズが続けてきた好調な流れを確実に継続している。もしこのクオリティを維持できるなら、フランチャイズは永遠に続いても構わないと思う。トーンの一貫性が素晴らしく、ハロウィンというテーマが各セグメントを見事に結びつけている。
②V/H/Sハロウィンは暗く邪悪で、このフランチャイズで最も面白い映画だ。しかし、もしシリーズが少しトーンを落として異なるストーリーテリング形式を試してみれば、次回作はさらに良くなる可能性がある。すべてのセグメントが感覚への攻撃である必要はないのだ。
③遊び心のあるエントリーがシュガーラッシュのようにヒットする。このエディションは悪夢を誘発するほどではないが、10月の爽やかな夜のように広く楽しめる作品だ。「ダイエット・ファンタズマ」「ファンサイズ」「ホーム・ホーント」の陽気で邪悪なユーモアと爆発的な流血シーンが特に印象的だった。
批評家レビュー
映画専門メディアの批評家たちによる詳細なレビューを紹介する。
RogerEbert.com 3.0/4
ブライアン・タレリコ氏「フランチャイズで最もトーンが一貫している」
V/H/Sハロウィンは、この年次アンソロジーシリーズの中でも最高のエントリーの一つだ。最も重要なのは、作品全体が驚くほどトーンの一貫性を保っている点である。ほとんどのストーリーがハロウィンのテーマ、都市伝説、キャンディのボウル、お化け屋敷といった要素で結ばれているだけでなく、血まみれの頬に舌を突っ込むようなユーモアのセンスと、常識を超えた境界を越える意欲という同じトーンを共有している。格調高いホラーは他に任せよう。泥の中に入り込もう。そこにはフルサイズのキャンディバーがあると聞いている。
評価点 ブライアン・M・ファーガソンの「ダイエット・ファンタズマ」は狂言回しとして完璧に機能しており、戻るたびに狂気のレベルが上がっていく。キャスパー・ケリーの「ファンサイズ」は視覚的に独創的で、このフランチャイズが通常拒否する明るさを持ち、手持ちカメラではなく構図のしっかりした映像で絶対的な狂気を捉えている。
批判点 一部のセグメントは15から20パーセントほど短くできたはずだ。ほぼすべてのチャプターにトリミングの余地があり、2時間近い上映時間は長すぎる。もっとタイトに編集されていれば、さらに強力な作品になっていただろう。
(RogerEbert.com – V/H/S/Halloween)
Collider 5/10
ショーン・ヴァン・ホーン氏「面白いが、アイデアが枯渇している」
最初のV/H/S映画が2012年に登場したとき、アンソロジーとファウンドフッテージのサブジャンルを組み合わせた新鮮なホラーのアプローチだった。しかし、過去数作はストーリーの基本が魅力的であるがゆえにフランチャイズに新しい命を吹き込んできたものの、そろそろホラーへの異なるアプローチを試す時期だ。短い時間枠に制限されているように感じているのか、できるだけ早く全力で突っ走ろうとしている。それはたまには機能するが、最高のホラーはすべてを落ち着かせて、静寂と未知への恐怖で私たちを麻痺させる時に生まれる。
評価点 V/H/Sハロウィンは暗く邪悪で、このフランチャイズで最も面白い映画だ。コメディとゴアの組み合わせは効果的で、ホラーファンが本当にチェックしたいと思う要素を提供している。いくつかのセグメントは良好で、偉大なものさえある。
批判点 すべてのセグメントが感覚への攻撃である必要はない。シリーズが少しトーンを落として異なるストーリーテリング形式を試せば、次回作はさらに良くなる可能性がある。コメディから離れすぎると退屈になり、2時間近い上映時間も助けにならない。デリバティブだが、相変わらず不快なほど気持ち悪い。
The Austin Chronicle 肯定的評価
リチャード・ウィタカー氏「シリーズで最も不気味な怪物の一つ」
ズロコヴィックのセグメントの敵対者は、シリーズで最も不気味な怪物の一つとして記憶されるかもしれない。ノーマン夫妻の最後のセグメントは驚くほど壮大で、ペリーの前作は、初期の2作のV/H/S映画の革新的なショックに何年ぶりかで最も近づいたセグメントだ。各セグメントはわずかに異なるスタイルの風味を持っているが、悪魔的な意地悪さによって統一されている。特に「キッドプリント」で行われる拷問の加虐的な行為が印象的だった。
評価点 「ホーム・ホーント」の実践的な特殊効果は驚異的で、アメリカの古典的なホームメイドお化け屋敷の迷路にインスパイアされた様々な怪物が命を吹き込まれている。フランチャイズハイとなる効果作業が施されている。
批判点 セグメント間の質のばらつきは依然として存在し、完全に均一な作品とは言えない。しかし、ベストの瞬間は本当に記憶に残る恐怖を提供している。
(The Austin Chronicle – V/H/S/Halloween)
Slant Magazine 3/4
スラント・マガジン評「邪悪な意地悪さで統一」
各セグメントはわずかに異なるスタイルの風味を持っているが、悪魔的な意地悪さによって統一されている。特に「キッドプリント」で行われる拷問の加虐的な行為を強調している。このセグメントはV/H/Sシリーズの中でも最も不穏な作品の一つとして、多くの批評家の間で議論を呼んでいる。子供への暴力という非常にデリケートなテーマを扱っているため、賛否両論があるのは当然だが、その大胆さと容赦のなさは、ホラージャンルの境界を押し広げる試みとして評価できる。
評価点 トーンの一貫性が素晴らしく、ハロウィンというテーマが各セグメントを効果的に結びつけている。実践的な特殊効果の質が高く、CGIに頼らない恐怖の演出が評価できる。
批判点 一部の観客にとっては、特に「キッドプリント」のような極端に不快なコンテンツは受け入れがたいかもしれない。エンターテインメントと不快さのバランスが難しい作品だ。
(Slant Magazine – V/H/S/Halloween)
個人的な感想評価
フランチャイズが長年抱えていた最大の問題である「トーンの不一致」を前作ビヨンドで払拭したことで一気に作品の質が引き締まったが、最新作V/H/Sハロウィンも文字通り「ハロウィン」をテーマに統一することで見事に解決している。
前作ビヨンドでは宇宙がテーマだったが、今回はそれよりも「ハロウィン」という文化がテーマなのも大当たりだと思った。このイベント自体が誰もが通過したことのある子供の頃の思い出であり、夜、恐怖、友人、怪物、イタズラ、お菓子、誰でも想像できるからこそ、監督の手腕が試されるテーマだったが、それぞれが面白おかしく作品を作ってくれたおかげで、確かに全体的に見応えのある作品に仕上がっている。
特に評価すべきは、実践的な特殊効果への回帰だ。近年のホラー映画がCGIに頼りすぎる傾向がある中、本作の「ホーム・ホーント」や「怪物マミー」は、手作りの怪物と実物大の装飾品を使用することで、触覚的な恐怖を生み出している。この選択は正しかったと思う。特殊効果の安っぽさ、チープさを逆手に取った「ファンサイズ」なんかはブラックコメディホラーとして秀逸な作りで、恐怖に慄く若者と戯けたキャンディ男との比較を楽しめた。
一方で、「キッドプリント」のような極端に不快なコンテンツの是非については議論の余地がある。子供への暴力という最もタブーなテーマに真正面から挑んだ勇気は認めるが、エンターテインメントとしての限度を超えているという批判も理解できる。ホラーは観客を不快にさせることが目的ではなく、恐怖を通じて何かを感じさせることが本質であるべきだろう。
「ファンサイズ」の視覚的な独創性と狂気のバランスは見事で、キャスパー・ケリーの演出センスが光っている。ブライアン・M・ファーガソンの「ダイエット・ファンタズマ」も、企業の倫理観欠如を風刺しながらスプラッターコメディとして成立させた手腕が素晴らしい。V/H/Sシリーズ最高傑作という評価にも納得できる、完成度の高いハロウィンホラーだ。
まとめ
本記事では、映画『V/H/Sハロウィン』の6つのセグメントすべての詳細なあらすじと結末ネタバレ、そして海外での批評家と観客の評価を紹介してきた。
2025年10月3日にShudderで配信された本作は、V/H/Sフランチャイズ第8作目として、前作を上回る期待を背負って登場した。ブライアン・M・ファーガソン、パコ・プラザ、キャスパー・ケリーら6人の監督が、それぞれの個性を活かしながらハロウィンの恐怖を描き出している。ダイエットソーダの恐ろしい副作用、都市伝説の怪物マミー、呪われた電話、人間をキャンディに変える工場、子供誘拐の闇、そして命を持つお化け屋敷の装飾品という、6つの独立したホラーストーリーが展開される。
海外での評価は非常に高く、Rotten Tomatoesでは批評家支持率92%、IMDbでは7.9点を獲得した。批評家たちは「フランチャイズ史上最もトーンが一貫している」「V/H/S/94以来の最高傑作」と絶賛し、特に実践的な特殊効果と各セグメントの独創性を高く評価している。RogerEbert.comのブライアン・タレリコ氏は3.0/4という高得点をつけ、「血まみれの頬に舌を突っ込むようなユーモアと常識を超えた境界を越える意欲」を称賛した。
一方で、一部のセグメント、特に「キッドプリント」の極端に不快なコンテンツについては個人的には無理だった。誘拐はリアルに起きていることで、これを笑うことができない。子供が爆発するのもギリギリだが、誘拐を扱ってしまうのはだめ。
あと途中で長いな。と思ったが確かにハロウィンはシリーズ最長の2時間近い上映時間だったようだ。「もっと短く編集できたはず」という指摘もあるのも頷ける。それでも、V/H/Sシリーズが8作目にして新たな高みに到達したことは間違いなく、ハロウィンシーズンの定番ホラーとして、今後も語り継がれる作品となるだろう。
ホラーファンにとって、本作は見逃せない一本だ。ただし、子供への暴力や極端なゴア表現が含まれているため、視聴には十分な注意が必要である。ハロウィンの夜に、仲間と一緒にスナックを片手に楽しむのに最適なホラーアンソロジーとして、V/H/Sハロウィンは期待を裏切らない恐怖を提供してくれる。
年に1本でこんなに質が高い作品が作れるのなら、できれば一生作ってほしいとすら願う。
シリーズ公開順(海外)
・V/H/S ネクストレベル(2013年)
・V/H/S ファイナル・インパクト(2014年)
・V/H/S 94(2021年)
・V/H/S 99(2022年)
・V/H/S 85(2023年)
・V/H/S ビヨンド(2024年)
・V/H/S ハロウィン(2025年)