映画『エターナル・ドーター』物語結末ネタバレと海外の感想評価まとめ




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映画『エターナル・ドーター』作品情報

IMDb
  • タイトル: エターナル・ドーター
  • 監督: ジョアンナ・ホッグ
  • 公開年: 2022年
  • 上映時間: 96分
  • ジャンル: ドラマ、ミステリー
  • 制作国: イギリス・アメリカ合作
  • 主なキャスト: ティルダ・スウィントン(ジュリー、ロザリンド)、ジョセフ・マイデル、カーリー=ソフィア・デイヴィス
  • 特徴・評価: この映画は、ゴシック調のミステリードラマとして、観客に心理的なサスペンスを提供します。ロッテントマトの評価は95%、Metascoreは80/100と高評価を得ています。
  • 興行収入: 約544,156ドル(約6,100万円)

映画『エターナル・ドーター』受賞歴

  • ベネチア国際映画祭(2022年):コンペティション部門出品
  • トロント国際映画祭(2022年):正式上映
  • ニューヨーク映画祭(2022年):正式上映
  • その他複数の映画祭でのノミネートと賞受賞
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ストーリーあらすじ

映画監督のジュリーとその年老いた母ロザリンドが、人里離れたホテルに滞在する。

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主要キャラクターの紹介

  • ジュリー(ティルダ・スウィントン):映画監督であり、母ロザリンドの娘。
  • ロザリンド(ティルダ・スウィントン):ジュリーの母親で、ホテルに滞在することで過去の秘密に直面する。
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ジョアンナ・ホッグ監督の紹介

ジョアンナ・ホッグは、イギリスの映画監督であり、独特な映画スタイルで知られています。彼女の作品は、しばしば人間関係の微妙なニュアンスを捉え、観客に深い感情的な体験を提供します。ホッグの映画は、リアリズムと内省的なスタイルを融合させ、主に中流階級の生活を描いています。

彼女の映画キャリアは、2007年の「Unrelated」でのデビュー作から始まり、家族内の緊張関係を描いたこの作品は、批評家から高い評価を受けました。その後の作品「Archipelago」(2010年)と「Exhibition」(2013年)も、家庭内の複雑な関係を探求するというホッグの特徴を引き続き示しています。

最も注目を集めたのは、2019年の「The Souvenir」とその続編「The Souvenir Part II」で、これらの作品は彼女の半自伝的な要素を含み、若い映画製作者の成長と恋愛を描いています。これらの映画は、ベルリン国際映画祭や英国インディペンデント映画賞など、数々の映画祭で高い評価を受け、彼女の才能を世界中に示しました。

最新作「エターナル・ドーター」では、ゴシックミステリーの要素を取り入れ、母娘の関係を深く掘り下げることで、再び批評家からの賞賛を受けています。ホッグの作品は、感情的な深みと精緻なキャラクター描写が特徴で、現代映画界における彼女の地位を不動のものにしています。

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主演ティルダ・スウィントンの紹介

IMDb

ティルダ・スウィントンは、その独特の美しさと多様な演技スタイルで知られるイギリスの女優です。彼女のキャリアは、アートハウス映画からメインストリームのブロックバスターまで幅広い作品に及びます。

スウィントンは、ダレク・ジャーマン監督の実験的な映画「カラヴァッジオ」や「エドワードII」に出演し、彼女のキャリアをスタートさせました。その後、サリー・ポッターの「オーランド」で性別を超えた主人公を演じ、ヨーロッパ映画賞の主演女優賞にノミネートされました。彼女の演技の幅は広く、ドラマからファンタジー、コメディまで様々なジャンルをカバーしています。

2007年には、法律スリラー「マイケル・クレイトン」での演技が高く評価され、アカデミー助演女優賞を受賞しました。その他にも、「ナルニア国物語」シリーズのホワイトウィッチや、「ドクター・ストレンジ」のエンシェント・ワンなど、大規模なブロックバスター作品にも出演しています。

スウィントンはまた、ウェス・アンダーソン監督の「ムーンライズ・キングダム」や「グランド・ブダペスト・ホテル」などの作品において、彼女の個性的なスタイルと才能を見せつけています。最新作「エターナル・ドーター」では、母親と娘の二役を演じ、その演技力を再び証明しました。

スウィントンの芸術的なアプローチと批評家からの高い評価は、彼女を映画業界で際立たせています。彼女は、自らのアンドロジナスな美しさと深みのある演技で、国際的な名声を確立しました。

視聴者の反応と評価

IMDb
  1. IMDbレビューでは、ティルダ・スウィントンの一人二役の演技が称賛されていますが、物語の展開については意見が分かれています。
  2. メタスコアでは、批評家からは一般的に肯定的な評価を受けており、特にそのゴシックな雰囲気と芸術的なアプローチが評価されています。
  3. 一部の視聴者は映画のペースやストーリーラインに関して不満を表明しており、映画の評価は好みが分かれるところです。
  4. 映画の象徴的なシーンや撮影技術に関する高い評価が見られます。
  5. 物語の意味深さやテーマの処理について、視聴者からの反応はさまざまで、深い印象を受けた人もいれば、期待外れと感じた人もいます。

タイトルの意味や象徴

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映画のタイトル『エターナル・ドーター』は、永遠の絆と世代を超えた母と娘の関係を象徴しています。このタイトルは、映画内での中心的なテーマである家族の絆、特に母と娘の深い結びつきと記憶の重要性を強調しています。映画では、過去と現在、生と死、現実と幻想が交錯し、タイトルが示す「永遠」の概念が際立っています。

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映画『エターナル・ドーター』物語結末ネタバレ

霧に覆われた殺風景な森の中をタクシーが走っている、後部座席に乗り運転手の男と話をしているのは映画監督のジュリー(ティルダ・スウィントン)、向かいで眠っている老婆はジュリーの母親のロザリンド(ティルダ・スウィントン)、そして、ジュリーの飼い犬が同乗している。

霧の中のホテル、対応の悪い受付

タクシーは古びた屋敷を改造したホテルに到着する。ジュリーが受付に向かうと、受付の若い女性(カーリー=ソフィア・デイヴィス)はジュリーの名前で予約はないと伝える。周囲を見る限りこのホテルは閑散としており、部屋は十二分に空いているように見えるが、受付嬢の女が、ため息混じりに案内されたツインの部屋は、良い部屋には見えない。

二人が荷解きを終えた後、ジュリーが廊下から受付を見ると、受付嬢はさっさと仕事を切り上げて車に乗って帰宅してしまう。だれ一人いないかのような静かなホテルに取り残された二人と一匹、それでも不気味な洋館、光の少ない庭で犬を散歩したあと、眠ろうとする。しかし上の部屋だろうか、どこからか人の出す物音が気になってジュリーは眠ることができなかったようだった。一応受付に苦情を言うが上の階には誰も住んでないのだと言う。

食事中、食堂には自分たちしかいない。この宿の住人は自分たちだけなのだろうか。

ここで、ジュリーは母についての映画の脚本作りのため、母と一緒に過ごしたいと考えこのホテルにきたこと、このホテルは、母ロザリンドのかつての実家で、幼少期から長い期間を親戚が所有していたこの屋敷で過ごしたことが明らかになる。ここで彼女は、流産や第二次世界大戦中に従姉妹のひとりを亡くした出来事など、この場所が辛い思い出の場所だったことが分かると、ジュリーはこれらの思い出を掘り起こしたことを後悔し始めるが、ロザリンドはそれは自分のせいではないし、彼女にも子供時代の家で幸せな思い出があったと断言してジュリーを慰める。

それから、ジュリーはロザリンドとの会話を録音し、相変わらず無愛想で失礼な受付嬢の対応を受けながら、夜になると物音で眠れなくなる日々を過ごす。その間もこの不気味な霧が晴れることはなく、夜になるとここには二人しかいないかのように不気味なほどに静まり返ったホテルのままだ。

屋敷の中の幽霊?

ジュリーはスランプのようだ。机に向かうがジュリーは一言も書くことができなくなったある夜、犬が勝手に外に出ていき行方不明になる。 ホテルの従業員のビル(ジョセフ・マイデル)に助けを借りて探し回り犬を見つける。(このとき、ジュリーはホテルの窓に女性の幻覚を見る)彼女はビルにお礼を言い、二人で酒を酌み交わしながら、ジュリーは父が亡くなり、ビルは妻が最近亡くなった話をして親交を深める。

翌日、ジュリーが階下に降りると、ロザリンドがビルが話しているのを見かける。そこでロザリンドは、子供がいないこと、そして私を溺愛するため、自分のように歳をとった後、面倒を見てくれる人がいなくなるのが心配だと話をしているのを耳にする。

ある日、ジュリーはロザリンドのためにいとこに誕生日プレゼントを用意してもらい外で受け取ると、ディナーの席を用意してロザリンドを着席させる。

ジュリーは母の誕生日を祝い、注文を尋ねると、ロザリンドはお腹が空いていないと言い出す。驚いたジュリーは、母さんが食べないなら私も食べないと言い、するとロザリンドはあなたは食べなさいと返答する。するとジュリーはあなたのために頑張っても喜ばせたいと思ってもいつもうまくいかないと伝えたあと、ジュリーは「私はずっと、あなたを幸せにしたいだけだった」と言って嗚咽をもらし始める。

不安そうな顔をした受付係が現れ、ケーキのことを思い出したジュリーは彼女から小さなバースデーケーキを受け取り、現れる。そこで無理やり絞り出したような声で “ハッピーバースデー、ママ “と歌いながらケーキを持ってくる。

席に座ったジュリーが自分でろうそくを吹き消す。

ここで初めて席に座っていたのはジュリー、一人しかいないことが分かる。

エンディングネタバレ「ジュリーの恐怖」

ロザリンドはいない。

ロザリンドはジュリーの想像の産物であり、現実には存在しないことが判明する。

部屋に戻ったジュリーは、ベッドの上で胎児のように丸くなって、ひとりで泣いている。心配したビルがドアをノックし、出てきたジュリーは泣きながらビルを抱きしめ、ビルは相変わらず微笑んでいる。ジュリーが安心したのがわかったビルはその場を立ち去る。

夜、ジュリーは久しぶりにぐっすりと眠る。夢の中でジュリーはホテルの部屋で穏やかそうに眠ろうとしているロザリンドの手を握り微笑み、彼女の最後を看取っていた。

朝、外の霧は晴れ、外には久しぶりに太陽の光が差し込んでいる。

ジュリーは母親が好きだった朝食(マーマレードトースト)を食べ、目覚めたかのようにPCを開き原稿を書き上げる。

帰り際、受付の女性はジュリーの顔色を見て「気分はよくなりましたか?」と挨拶をすると、ジュリーは笑顔で返答する。顔色は本当に健やかに見える。

彼女がホテルを出ようとすると、そこは宿泊客とスタッフでいっぱいだった。

ビルに見送られながらジュリーはタクシーに乗り込むと霧が晴れた道を走って立ち去るのだった。

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海外の感想評価まとめ

IMDb

次にご紹介するのは、映画『エターナル・ドーター』に対する海外での視聴者の感想と評価です。IMDbとメタスコアでのユーザーレビューを元に、映画がどのような評価を受けているのか、その傾向を紹介します。各レビューは、肯定的なものから否定的なものまで、様々な視点からこの作品を見た視聴者の声をお届けします。

IMDbの感想評価 6.0/10

IMDb
  1. タイトル: “永遠のぶらつき” 得点: 3/10 本文: このレビューでは、映画が提供する心理的な緊張感について述べられています。不気味な設定とゆっくりと進むストーリーラインが特徴的ですが、物語の展開に対する失望感が表明されています。レビュアーにとって、映画のスローペースと不明瞭なプロットは鑑賞体験を損なったようです。
  2. タイトル: “存在を正当化できず” 得点: 4/10 本文: このレビューでは、映画の「目的の欠如」に焦点を当てています。レビュアーは映画が持つプロットの不足に失望しており、映画が存在する理由が見いだせなかったと述べています。ティルダ・スウィントンの演技は評価されていますが、それ以外に特筆すべき点は少なかったようです。
  1. タイトル: “5.2/10。見る価値ありだがお勧めできない” 得点: 5/10 本文: このレビューでは、映画がドラマであるにもかかわらず、ホラーやミステリーとして誤解されやすい点が指摘されています。レビュアーは、ティルダ・スウィントンの母親と娘の役を演じる才能に感銘を受けていますが、映画全体としては不満足のようです。特に、映画の意外な展開が不必要であると感じ、ストーリーがより現実的であればよかったと述べています。
  2. タイトル: “ホラー/ミステリー映画でありながら、どちらも該当せず。意図せず笑える部分も” 得点: 4/10 本文: このレビューは、映画の低予算感と不適切な音楽スコアに注目しています。レビュアーは、映画が意図したシリアスな雰囲気ではなく、パロディのように感じられると述べています。ティルダ・スウィントンの二重役にも関わらず、映画はつまらないと評されており、特に視覚的な面での批判が目立ちます。
  3. タイトル: “非常に何もない” 得点: 3/10 本文: このレビューでは、映画の予想可能な「ひねり」に失望が表明されています。レビュアーは、映画の開始時点で結末を予測してしまったため、ストーリーに深みがなく、退屈だったと述べています。また、ティルダ・スウィントンの演技に対する評価もさほど高くないようです。この映画は、静かで騒がしくない背景音楽が必要な場合に適しているかもしれません。

メタスコアの感想評価 80点

  1. 批評家: カルロス・アギラー(TheWrap) スコア: 98 本文: 昨年の『The Souvenir Part II』で若々しい魅力を見せたホッグ監督が、今回は目立たないが驚異的な作品で帰ってきました。愛情、後悔、思い出の話が実際には正確でないかもしれませんが、感情的には偽りがないです。
  2. 批評家: トムリス・ラフリー(The Playlist) スコア: 91 本文: 『The Eternal Daughter』は、真に背筋が凍るような幽霊の雰囲気を売り出していますが、考えさせられるスタイルの実験に近い感じです。しかし、映画の最後に明かされる時間と論理を曲げる驚きは、それでも心に響くもので、現実的でありながらも幻想的な最後のメモがあります。
  3. 批評家: デイヴィッド・エーリッヒ(IndieWire) スコア: 83 本文: ホッグ監督の過去2作品では、彼女が記憶から自分自身のバージョンを描いていましたが、この作品では、彼女が自分自身のバージョンから記憶を追っています。
  4. 批評家: ピーター・ブラッドショー(The Guardian) スコア: 80 本文: ジョアンナ・ホッグによるこの心理ミステリーには、本当の親密さと感情的な寛容さがあります。彼女の以前の『The Souvenir』シリーズと同じ宇宙から来た、またはそれに非常に似た個人的な映画です。
  5. 批評家: フィオヌラ・ハリガン(Screen Daily) スコア: 80 本文: 『The Eternal Daughter』は、個人的な側面に深く入り込む時に最も感動的です。スウィントンの後退する母親と躓く娘の中に、監督の力が成長しているのを感じることができます。彼女は自己認識を続けています。

まとめと感想「うわ、」

背筋がゾクゾクする。

映画『エターナル・ドーター』は、深い感情の探求と家族の絆の強さを描いた作品である。世界的な評価では、その静謐な雰囲気と独特のストーリーテリングが高く評価されている。視聴者や批評家からは、ジョアンナ・ホッグ監督の繊細な演出とティルダ・スウィントンの印象的な演技が特に賞賛されている。

この映画を見て、私は時間と記憶、そして愛の複雑さについて深く考えさせられた。特に、スウィントンが演じる母娘の微妙な関係性は、観る者に深い感銘を与える。彼女の演技は、キャラクターの内面の葛藤を巧みに表現しており、視聴者を物語に引き込む。これはホラーなのか?何が起きているのか?常に考え続け、スローペースな展開の間にあっても、見える全てを疑ってしまいあっという間に感じてしまった。だからこそ、少しだけおちに関して言えば、感動半分と落胆半分という複雑な得点になってしまった。

映画の素晴らしい点として、まずそのビジュアルの美しさが挙げられる。美しい映像は、物語の幻想的な雰囲気を強調し、観る者をその世界に没入させる。また、脚本の巧みさも際立っており、予測不可能な展開が映画の魅力を一層高めている。

ただし、その独特のスタイルは万人に受け入れられるものではないかもしれない。物語の進行が遅いため、一部の観客には物足りなく感じられる可能性がある。

この映画は、深い感情を探求し、独特な映画体験を求める観客に特におすすめできる。『エターナル・ドーター』は、家族の絆の美しさと複雑さを描き出し、視聴者に深い印象を残す作品である。

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