映画『シック・オブ・マイセルフ』物語ネタバレと海外の感想評価「承認欲求の成れ果てを描く」




「全世界の女性に見て欲しい精神疾患啓発作品」映画『シック・オブ・マイセルフ』物語エンディングまでネタバレと海外の感想評価。SNSで見かける自分を偽り嘘で塗り固め、注目を浴びるために病気のふりをする…この映画ではそんなどこにでもいる等身大の女性が陥るリアルな成れの果てが描かれており見る人を陰鬱な気分にさせてくれる映画です。

くれぐれもちょっと気持ちが落ち込んでいたり、睡眠薬や導入剤を飲んでいる人は気軽に見る映画ではないです。

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映画『シック・オブ・マイセルフ』物語ネタバレ

カフェのバリスタとして働くシグネ(クリスティーン・クヤス・ソープ)と盗んだ家具で作品を作り上げる芸術家のトーマス(エイリク・セーテル)はオスロで同棲しています。今までヒモ男のような存在だったトーマスの芸術作品が脚光を浴びたことでトーマスが世間から注目されるようになったことに嫉妬したシグネは、トーマスの大規模な個展のスピーチを邪魔するためだけに、激しいアレルギー反応を装って全てを台無しにします。

注目されたい女シグネ

ある日、シグネは”リデキソール”というロシアの抗不安薬が、服用者に重篤な皮膚病を引き起こしたという報告を受けて回収されたというニュース記事を目にします。シグネは早速売人のスティアン(スタイナー・クローマン・ハッラート)から大量に購入した彼女はすぐに服用を始め、徐々に彼女の皮膚を蝕む皮膚病の症状が現れ始めます。心配したトーマスが医師の診断を受けるように勧めますがシグネは理由をつけて断り症状は悪化する一方でした。

この日、私がこんな目に遭っているのに心配をしてくれない。とトーマスに逆恨みしたシグネはトーマスが夢見ていた大手雑誌の取材を受けている最中に、わざとリデキソールを過剰摂取し最悪の状態で記者たちの前に現れて台無しにした後に入院します。

母親の勧めで、シグネは重い病気を抱えた人たちのためのホリスティック・サポート・グループに参加しますが、彼女は自らの承認欲求を満たすためだけに、薬を無理やり服用して世間の目を浴びることに快感を浴びている嘘つきだと見抜かれてしまい皆から諭されますが彼女の耳には全く届くことはありませんでした。

自分の病気への世間の関心を高めるという名目で、大手ニュースメディアのインタビューに応じたシグネはさらに嘘を並べ悲運の皮膚病でも気高く生きる女性像を演じ切ります。しかし記事が公開される日に銃乱射事件が発生したため、シグネのインタビュー記事は全く相手にれず埋もれてしまうのでした。

しかし翌日、シグネのインタビュー記事が全国紙の一面に掲載され、シグネはモデル契約を結び、シグネの思い通りに注目を浴びて快感を得ることができましたが、彼女は悲運の皮膚病患者を演じるために売人からリデキソールを大量に購入しては大量に飲み続け結果、皮膚病はさらに悪化しますます醜くなっていきます。それでも彼女は脚光を浴びるための努力と称して構うことなく薬を飲み続けます。

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エンディングネタバレ

シグネは、リガードレスというファッションブランドのコマーシャルを美術館で撮影する当日にトーマスは家具を盗んでいたことがバレて逮捕されてしまい、シグネは呼吸をするかのようにもう一人のモデルをバスルームに閉じ込めて自分だけの撮影にしようとしますが、撮影中に病状が一気に悪化したシグネは突然倒れ全てが台無しになります。

シグネは見舞いに来たジャーナリストで友人のマルテ(ファニー・ヴァーガー)に、自分が数々のインタビューで伝えてきた”試練”と称した薬の服用による皮膚病を偽ってきたことを全て話します。

トーマスは刑務所に収監されてしまいました。

残されたシグネは慰めを求めて一度立ち去った支援グループに戻りますが、シグネの話す番になると彼女は再び自分の症状を捏造して嘘を話し始めるところで物語は終了します。

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海外の感想評価 IMDb 7.1/10「胸糞悪いが面白い」

9/10
注目に値する。
こんなに良いとは思わなかった。最近スカンジナビアには映画の才能がたくさんある。もしあなたがこれを読んでいて、「ドラマ、コメディ、ホラー」のコンボが魅力的に聞こえるなら、この作品を観ない手はない(私は単独で観ることをお勧めする)。この3つのジャンルを素晴らしいタイミングでうまくこなしている。笑いあり、恐怖あり、破滅的で美しい。多くの映画は(本当に多くの映画は)、冒頭を完璧に仕上げてから破綻したり、結末を一般的な形式に頼ったりするが、良い結末はそのすべてを価値あるものにし、全体に意味を与える。
これは本当に素晴らしい作品だ。知性、繊細さ、スタイルで表現された狂気への転落は、クローネンバーグの『ザ・フライ』やポランスキーの『反撥』のような重鎮に匹敵する。それに、彼女は本当にゴージャスだ。これはもっと注目されるべき作品だ。

7/10
世界の中心にいる少女
期待以上のことをするのが好きな少女がいる。世界の注目をつかみ、つかみ、ひっかき、むしり取り、つかむ。
クリスティン・クジャス・ソープが見事に演じたシグネが、目をとらえ、視線を集中させ、頭を斜めにし、呆れさせながら注意をそらす。

8/10
注目されたいマゾヒストの素晴らしい性格研究
注目されたいマゾヒストという、なんとも興味深い人物研究。主演のクリスティン・クジャス・ソープの演技が素晴らしく、クリストファー・ボルリの演出と編集が印象的だ。35mmで撮影するのは容易なことではないが、彼はそれをシームレスに見せるだけでなく、今後また見るのが楽しみな映像センスを持っている。アリ・アスターが彼の次回作をプロデュースする理由がわかる。この作品には、特にある種の障害についての描写など、いくつかの小さな欠点があると思うが、全体的には、この物語の背景を考えると、テーマはうまく機能している。興味深い人物研究が好きなら、ぜひこの作品をチェックすることをお勧めする。

8/10
アーティストの原点でありながら、メインストリームの感性
才能豊かなノルウェー人初監督・初脚本家のクリストファー・ボルグリによる、興味深くタイムリーな風刺映画。「Syk pike』は、現代の自己中心的な考え方、病的な決めつけ、過剰な反応を、愉快なほど手際よくコメントし、嘲笑している。この作品にはアーテイストでありながらメインストリームの感性があり、この組み合わせが即座に否定できない魅力を与えている。才能豊かなクリスティン・クヤス・スロープは、権利意識とモノマネの臭いがプンプンする、いわば無傷ではいられないような、素晴らしく不愉快な主人公を作り上げている。2022年ノルウェー映画ベストのひとつ。

7/10
残忍なナルシシズム
自分の正当な注目を取り戻すために悪辣な計画を練る女性を描いたこの映画は、なかなかユニークなストーリーで内容も面白く、間違いなく一味違う。随所にユーモアを盛り込んだのもスマートで、映画を生き生きとさせていたと思う。ナルシシズムがこの映画の中心テーマであり、その残忍さはほとんど恐ろしいほど奇妙だった。クレイジーなのは、この映画と同じような行為をしている人が実際にいるということだ。とても興味深いテーマだ!カメラと照明があまり良くなかったので、手作り映画のように感じることもあったが、同時に脚本と編集は素晴らしかったと思う。また、時間と現実がうまく使われていた。いつもと違う体験をしたい人にお勧め!

8/10
注目
ダジャレではなく、注目の的でなければならない2人について話しているのだ。そしてそれは、天国ではないが地獄でもない。しかし、彼らの態度は……特に彼女の態度は……タイトルから察するに、彼女は自分自身を嫌っているようだが、彼女が嫌っているのは自分自身に対する認識なのだ。
一方で、もし誰かが彼女のようなことをするのなら……予告編を見た人なら、私が何を言いたいかわかるだろう。もしそうでなければ、私が何を言いたいかは言わないので心配しないでほしい。
驚くほどクレイジーなことだと言えば十分だろう。そして、もしあなたが以前から彼女を憎めないと思っていたのなら……言わせてもらえば、あの煽動的な出来事の後では、彼女をこれ以上好きになることはないだろう。もちろん、誰もが想像できるように、それは制御不能のスパイラルに陥る。
映画が始まる前の監督の紹介(ビデオメッセージ)は面白かった。頭のいい人だけがこの映画を理解し、好きになることを示唆している。とはいえ、もちろん彼は映画を好まない人を侮辱しているわけではない。少なくとも、この映画に軽い苛立ちを覚える人がいるかもしれない理由はかなりある。少なくとも、登場人物と彼らの決断力のなさには。
主人公の頭の中に潜り込み、自分の将来がどうなると思っているのかが、突然消えていく。そして、それがいつ始まるのかいつもわからない。でも、夢のシークエンスであることはほとんどわかる。
信じられない気持ちを抑えて、自分が注目されるに値すると思っている人物と一緒にドライブに出かけよう……覚えておいて:これは単なる映画なので、家でこれを試さないでください。

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まとめ「難しい」

色々な感情がごちゃつく作品。君が悪いし、悪いジョークだし、彼女は承認欲求のためだけに体を蝕む薬を喰む。ところがどMのような一面も見せ、虚言癖もあり、注目されることに快感を得るために毒を飲み続ける。呼吸するように人を陥れ、騙し、嘘をつく。

ずっと彼女が怖かった。私の上司にそっくりだったからだ。

でもある意味こうも思った「あの女が映画化された」と。

だが最後まで冷や汗と脇汗とフラッシュバックに苛まれ彼女がラストに再び嘘を吐いた瞬間に涙が出てきて一気にメンタルが壊れそうになってしまった。

この映画のタイトルは「自分が嫌になる」という意味になるが…ウルセェ、お前にそんなことを言わせたくはない。一緒後悔して死んでほしい。ぐらいに暗い気持ちになった。

もしあなたが過去に自分の弱い点を必要にいじめ抜くような女上司と出会ったことがあるのならこの映画を見るのはあなたの大事なパートナーに手を握ってもらいながら見るべきだと思う。

映像は美しく面白いのだろうが、自分には涙と震えを堪えるに精一杯だった。

監督はこの映画は「理解できる人にしか理解できないだろう」と私と対極の「自称映画人」たちなら楽しめるだろうと示唆していた。そうだ、あなただ。きっとこの映画の言いたいことを深掘りできて満足できただろうか?この映画はいったいなんだったのか?ぜひクソみたいな要求なのは重々承知なのだが、ここまでこの文章を読んでいるあなたに伝えたい

「この映画の感想を教えてほしい」

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