映画『Malum(2023)』物語ネタバレ「説明しすぎて駄作になった残念作品」




「自身の傑作作品のリメイクを失敗するとは何事だ」映画『Malum』物語結末までネタバレ、海外の感想評価、前作「Last Shift』作品情報も紹介。無人の警察署内で理不尽レベルの怪奇現象を受ける新人警察官の恐怖体験を描いた前作を潤沢予算でリメイクしたら駄作が生み出されてしまったという珍しい作品。何がダメだったのか?前作の何が良かったのか?がよく分かる映画ファンとして一度は読んでほしい記事です。

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前作『Last Shift』について

『Last Shift』は、2014年にAnthony DiBlasi監督によって制作されたホラー映画で、本作『Malum』はLast Shiftのリメイク作品となっています。

『Last Shift』はいくつかの映画祭で上映され、ホラー映画のジャンルで賞賛されました。特に、アンナリーズ・オブ・ホラー映画祭で最優秀撮影賞を受賞しました。

この『Last shift』のあらすじは、新米警官であるジェシカ・ローレンスが、最後のシフトで閉鎖された警察署で一晩を過ごすという物語です。彼女は署内で怪奇現象に遭遇し、昔の犯罪や悪夢が次々と彼女を襲います。ジェシカは恐怖と戦いながら、この恐ろしい署の真実にたどり着こうとします。

『Last Shift』は一言で言うとシンプルでシックスセンスを彷彿とさせるような描写力で多くのファンを喜ばせ多くの受賞をします。無人の警察署内という閉鎖的な空間で次々起きる怪奇現象は理不尽とも言えるレベルで次々起きるのに、そのほとんどが「なぜ起きたのか?」理由や原因が全く明かされず説明不足のまま。このおかげで視聴者にたくさんの疑問、想像、妄想を生み出すことに成功し、私たちもジェシカと同じ不安感と緊張感をもったまま一緒に警察署内を探索するという恐怖を味わうことができるという。体感型ホラーの中でも秀逸なホラーサスペンス体験ができます。

この映画は、ホラー映画ファンにとっては必見の作品であり、緊迫感と恐怖を味わいたい人にはおすすめです。

ここから先はその傑作ホラーのリメイク作品「Malum」のネタバレをしていくのでご注意ください。

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物語ネタバレ

古いカメラで撮影した映像が流れている。

そこには拉致されて監禁されているのか手足を縛られ座らされている複数の男女の姿、苦痛に歪んだ顔、人間のものか血と内臓、そして切り裂かれた豚の内臓が映し出されている。

警察官のウィル・ローレン(エリック・オルソン)は“ロー・ゴッド“と呼ばれる神を崇拝するカルト教団の指導者ジョン・マラムが、生贄にするために誘拐された少女たちを救出した助けた英雄と呼ばれていた。ウィルはここ最近、何か考え込むことが増えメンタルは芳しくないようだ。ある日ウィルはいつも通りの勤務を終えた後、ショットガンで同僚を次々に撃ち殺し、仲間たちに包囲されている中、“ロー・ゴッドに捧げる“と呟き自分の頭を吹き飛ばして自殺する。

カルト教団


1年後、

父ウィルを尊敬していたジェシカ・ローレン(ジェシカ・スーラ)は念願の警官になれたことを父のお墓に報告していた。そこに現れた母ダイアン(キャンディス・コーク)が現れるがジェシカのに愛情が薄いのか他人行儀な会話を終え立ち去るが、父のお墓の裏にローゴッドの紋章が描かれていたことには気付いていなかった。

ジェシカは警察署に向かう最中に、ローゴッドのカルト教団に内臓を投げつけられる嫌がらせを受け、かつて父が働いていた寂れた警察署に到着すると、古株の無礼な先輩警察官にジェシカの父親についての誹謗中傷をあらかた聞かされた後倉庫に向かう。ジェシカがこの署を希望した本当の理由は、謎の死を迎えた父親に関する情報を探し出すためだった。警察署内を探し回り施錠された父の古いロッカーを開けようと奮闘する。突然署内にかかってきた電話に出ると女性の声で “ブタ “と云う電話に邪魔されながらロッカーを開けると中にはカルト教団が原因の事件や被害者の生々しい捜査資料が大量に隠されていた。

何者が警察署の前に生きた豚を放置していたのを見つけたジェシカは、豚の体は五芒星、首輪にはベティと書かれていた。(被害者の名前?)ジェシカはかわいさと不憫に思ったのか豚を警察署内に引き入れ保護をする。

ほっと一息ついていると署内に物音がしたため、ジェシカは裏口の扉が開いているのを確認、警戒を続けていると突然“俺の娘はどこだ!”と叫ぶホームレスの大男が現れる。驚いたジェシカだったが咄嗟の判断でスタンガンを使って男を無力化、どうやら被害者の父親らしいが、手錠をかけ留置場に向かう。ジェシカは男を留置場に閉じ込めようとするが男が反抗した為、中に入って落ち着かせようとしていると、留置場の扉が勝手に閉まり2人は閉じ込められてしまう。真っ暗闇の中、男は出してくれと叫び続けジェシカが驚いていると突然首吊り男の幻覚がジェシカを追い詰める。すると扉が開きジェシカは解放される。

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幻覚か

初日からさまざまな事案が起き続けたジェシカは、父親のキャビネットの中にある箱の中にある、USBドライブを発見して持ち帰ることにする。家に帰ろうとすると風俗嬢のマリーゴールド(ナタリー・ビクトリア)が男に車から蹴飛ばされているのを見つけたので保護する。

昔からこの街で立ちんぼをしているマリーゴールドはジェシカの父ジョン・マラムが死んだ夜の出来事の詳細を話してくれる。しかしマリーゴールドは話している最中、ジェシカの背後に何かを見てしまい叫び出すと涙を流すと何かに怯えるように警察署から逃げ出す。

ジェシカはUSBに保存されていたデータをみると、そこにはカラムと信者の女たちが誘拐した女性の頭をかち割る映像、その遺体を豚に食べさせ、そしてカルト教団の一員がジェシカの母ダイアンと幼い頃のジェシカだった、そしてジェシカは過去にマルムの手で血の洗礼を受けていたことが映し出されていた。

パニックに陥った彼女は母ダイアンに電話をかけ、自分が警察署にいることを伝える。すると父ジョンと一緒に働いていた2人の警官がジェシカの様子を見に訪れる。2人が立ち去った後、ジェシカは怪物に襲われたため銃を撃つとそこにはジェシカが保護した豚の遺体だった。

母ダイアンが警察署の玄関のドアを叩き現れ、ジェシカは母を招き入れる。警察署内で叫び声が聞こえジェシカが向かうと彼女の目の前でカルト教団の女性が誘拐した女性を撃つ瞬間を目の当たりにする。ジェシカが咄嗟に撃った女性を銃殺すると背後からマスクを被った大量の信者が現れジェシカに襲いかかる。逃げた先で冒頭で保護したホームレスの男が足首を切り落とされ重傷を負った状態で襲いかかってきたのでジェシカは彼も撃ち殺す。

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エンディングネタバレ

すると警察署周辺からマラムの信者たちに囲まれ襲撃を受け始める。叫び声のする方に向かうと信者が女性の上に乗ってナイフを突き立てていたためジェシカは信者を撃ち殺すが、その女性は死んでしまう。その先では首を吊られた女性を見つけるがジェシカの目の前でロープが締まり続け首が吹き飛び大量の血飛沫を全身に浴びてしまう(ポスターのジェシカの姿)

次々現れる信者を撃ち殺しながら先に進むと、ずた袋を被った遺体が導くままに地下に降りていく。その先には玉座に座った教団のリーダーマルムがいた。マスクを外したマルムの姿は人間のものではなくなっておりジェシカが狼狽えているといつの間にか背後に大量の教団信者たちに囲まれていた。

信者が道を開けるとついに彼らが崇める“ロー・ゴッド“(荒川アンダーザブリッジの星の男と同じ頭)が姿を現す。いつの間にか警察署内に戻ったジェシカは父の命を絶ったショットガンを手にして悪魔を撃つ。しかしそこにいたのは母ダイアンで、腕の中で息絶えるのを目の当たりにしたジェシカは悲痛な涙を流す。いつの間にか現れた信者たちがジェシカを囲むと悲しむジェシカの姿を大笑いし始める。ジェシカで死んだはずの父ウィルがダイアンの遺体を見て泣き叫ぶ姿が、絶望したジェシカは警察の掟を繰り返し呟くと自分の頭を撃ち抜く。信者たち、そして警察官2人も合流して良くやった!とジェシカの遺体に向かって拍手をしている。

次の瞬間、玉座に座るマルムの横に新たな玉座と遺体のまま座らされているジェシカの姿が映し出されて物語は終了する。

結局、マラムは赤ん坊の時にジェシカに洗礼を授けて以来、ずっとこの少女に目をつけていたのだ。マラムとその信者が署内で自殺して以来、湧き上がった悪魔の存在が、ジェシカに命を奪う呪いをかけたのだ。誘拐された3人の少女が確かに殺害されたことは証明できるが、悪魔や死体はジェシカが心を炒めるために目撃させられた幻覚であった。結局、彼女は自ら命を絶ち、今、マラムの横に座っているのだから、ここは地獄なのだろう。マラムは信者たちが唱えていた地獄の王そのものであり、ジェシカは彼の横に座ることで、彼の女王になることを強要されたことを示唆している。マラムは、ジェシカが死んで地獄に行き、ジョン・マラムの計画がついに結実し、マラムこと低神が数年前にマークした魂を引き取るところで終わる。

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海外の感想評価 5.2/10

『Malum』は、『ラストシフト』のリメイクということで期待をしていたが、実際に観てみるとその期待を上回るものでした。
オリジナルのストーリーに新たな要素が追加され、より深い洞察が得られました。
監督は過去の作品からの反省を活かし、物語とキャラクターの発展に注力しているように感じました。特に、映像美とサウンドトラックのクオリティが向上しており、視覚と聴覚の両面で魅了されました。また、演技も非常に印象的で、特にヴィランの役割を演じた俳優には拍手を送りたいです。『Malum』は、緊迫感と恐怖を巧みに組み合わせた作品であり、ホラージャンルのファンにはおすすめです。

10点中5点
なぜこれほどの好意的なレビューがあるのか?時間やお金をかけて観る価値はない。

ホラー映画のカジュアルな視聴者として、特に平凡だった作品を再度押し出す監督たちを見るのは心配です。本作『マルム』は、『ラストシフト』のリメイクであり、自分たちの過去の失敗を大きな予算で取り戻そうとする自己中心的な監督たちの別の例です。
『ラストシフト』には潜在的な可能性がありました。しかし、監督が自分の過ちから学ぶことなく、大手プロデューサーの言われるがまま才能を出すことなく、ただただお金を費やすことに尽力した結果生まれたのだろうか、失望した。

『マルム』で改善されたのはサウンドトラックと製作価値だけですが、それは物語性やキャラクターの欠如を補ってはいません。正直言って、『マルム』は本物の内容や創造性を持たない、ただのありふれたホラー映画です。継続的な恐怖と暴力はすぐに飽きますし、一次元で興味深くないキャラクターに投資するのは難しいです。この映画には新鮮なアイデアや驚きがないのは残念であり、時間やお金をかけて観る価値は確かにありません。

4/10
ただのホラー映画。

『ラストシフト』が本当に好きでした。低予算で多くのことを成し遂げ、新しくてオリジナルな恐怖映画になりました。
『マルム』を見るのが本当に楽しみでした。批評家の中には不必要だと言う人もいましたが、元のストーリーに対するフィードバックや、より大きな予算、考える時間を与えられたDi Blasiが何をするかを見ることが好きでした。
まあ、大部分では『マルム』は『ラストシフト』にかなり忠実です。全体のプロットはほとんど同じで、『ラストシフト』の多くのプロットポイントが再現されています。

ただし、リメイクにあたって新たな設定や環境など多くのシーンを追加していますが、これらの追加が映画から実際に多くの魅力を奪っていることです。
「ラストシフト」のオリジナルの曖昧さが映画を輝かせたのに対し、視聴者にわかりやすさを提供しようとしてしまい映画としての魅力をほぼ失っているのだ。

他にも問題があります。錯乱したカルトの信者たちは、パフォーマンスを真剣に受け止めるのが難しいほどステレオタイプです。特殊効果は、明らかにより洗練されて高価になったとはいえ、実際にはずっと説得力に欠け。
そして、エンディングは予測可能であり、元の映画を見たかどうかに関係なく、非常に不満足でイライラするものです。
はっきり言いたいのは、私は『マルム』を憎んでいるわけではありません。深刻な欠点があるにもかかわらず、私は実際にそれを楽しんでいます。私の意見では、私を興味深く楽しませました。
ラストシフトの魅力を全く活かせない一発屋の監督だったということが露見されただけの作品だったのです。長い目で見ればもうこの監督に期待をすることがなく、失敗を見なくて済むということですね。

『Malum』は、『ラストシフト』というオリジナル作品に対するリメイクでありながら、物語性やクオリティに欠けるものでした。
監督は同じプロットを再利用し、新しい要素を追加することで作品を鮮新化しようとしましたが、結果としてそれはうまくいきませんでした。追加された要素は、映画の雰囲気を壊すだけであり、ストーリーの展開にも混乱を招きました。キャラクターの発展も不十分であり、演技も一部で不自然でした。特殊効果も期待外れであり、視覚的なインパクトを感じられませんでした。『Malum』は、オリジナル作品には及ばず、退屈で予測可能なホラー映画になってしまいました。ホラージャンルのファンでない限り、時間とお金を費やして観る価値はないでしょう。

まとめ「説明しすぎ、説明なさすぎ」

ジェシカは実は教団の王の妻になるべく育てられてましたーってオチ。それは別にいいんだけどさ、ジェシカに訪れる現象が本物なのか幻覚、妄想なのかがはっきりしないままなのでモヤモヤが残る。last shiftではすんなりと受け入れたジェシカに対する理不尽な恐怖体験も、彼女に関するなんだか壮大な物語があることが示唆されてしまったため、「何か理由があるのかな?」と思って見てしまうので、それから起きる意味不明な恐怖体験も「意味あるのかな?彼女に関係あるのかな?」と、何度も殺されている女の子は何?、なんでそんな幻覚を見せるんだろうか?悪魔を召喚するためには生贄三人程度で良いのか?とか余計な情報が映像を邪魔してくるのでなんとも残念な状態だった。
だったら、本当に何も知らない警察官のジェシカが呪われた警察署でひたすら一方的に恐怖体験させられまくる方が面白かったよね。あ、それが前作『Last Shift 』だったわ^^あはは。

。。。。。。

ごめんなさい、現実、しかも私事なんだけど、子供が泣き叫んでいるのにずっと放置するクソ親がいたこて全く集中できなかった。クソが。お前もマルム信者か?ってイライラしてしまった。

以上。

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