
「“死の見世物”という原作の悪名高きコンセプトを、令和のSNS時代に鋭く突き刺す」映画『ジャンク7/Faces of Death(2026)』のあらすじから結末までのネタバレと、海外の感想評価をまとめて紹介する。アメリカで製作された本作は原題『Faces of Death』として2026年4月10日に公開され、Rotten Tomatoesで批評家支持率69%、Metacriticで63点を獲得したメタ・スラッシャーホラー作品だ。日本での配信・劇場公開は本稿執筆時点でまだ確定していない。
物語は、動画プラットフォームのコンテンツモデレーター(SNSや動画サイトなどに投稿されたテキスト、画像、動画を監視してコンプライアンスやガイドラインに違反する内容か精査し削除する専門職、メンタルを病みやすいとして有名な現代を象徴する職業)として働く女性が、あの悪名高き“死のドキュメンタリー”を模倣したかのような、あまりにリアルな殺人動画に出会ってしまうところから動き出す。それが本物なのか、精巧に作られた偽物なのか——彼女は次第に、SNS時代における「死」の消費のされ方そのものと対峙していくことになる。
本作の監督は『Cam』『How to Blow Up a Pipeline』のダニエル・ゴールドヘイバー(監督名)。主人公マーゴを演じるのはバービー・フェレイラ、殺人鬼アーサーを演じるのはデイクレ・モントゴメリーだ。
もくじ
ジャンクシリーズ/Faces of Deathについて

本作の元になった『ジャンク』(原題:Faces of Death)シリーズは、1978年に公開された、その名の通り「死」ばかりを映し出すモンドドキュメンタリー(やらせと本物を交えた見せ物として構成したドキュメンタリー風映画ジャンル)映画だ。処刑、解剖、事故、屠殺といった凄惨な映像を、覆面の医師が淡々と解説していくという体裁を取っており、公開当時からその過激さで物議を醸し、DVDボックスの宣伝文句によれば実に46カ国で上映禁止処分を受けたという、伝説的な悪名を誇る作品だ。
制作の中心人物であるジョン・アラン・シュワルツ監督は、長年「コナン・ル・シレール」という変名の裏に正体を隠し続けており、スタッフ全員が偽名を使っていたことから、その実在すら都市伝説的に語られてきた。2018年になってようやくガーディアン紙の取材により、シュワルツが実在する映画人であり、日本の東北新社からの依頼を受けて本作を制作したという経緯が明らかになっている。ドキュメンタリーと謳いながらも、その多くが特撮を用いた「やらせ」だったことも、後年のインタビューで本人の口から語られた。シリーズはその後、実際のニュース映像を寄せ集めた続編や、日本人スタッフによる現地取材主体の作品(『ジャンクV』)まで作られ、通算6作を数える一大シリーズへと成長していった。
なぜ半世紀近くも前のこの悪名高いシリーズが、今、劇映画として蘇ることになったのか。実は本作の企画自体は2006年にまで遡る。当時、『ザ・グラッジ』や『テキサス・チェーンソー』のリメイクがヒットしていたことを受け、Rogue Picturesがリメイク企画を進めていたが、この時は実現に至らなかった。転機が訪れたのは2021年、Legendary Entertainmentが映像化権を取得し、監督にダニエル・ゴールドヘイバーを迎えたことだった。ゴールドヘイバー監督自身、かつてSNSスタートアップ企業でコンテンツモデレーターとして働いていた経験があり、その仕事の中で目にした「暴力的な映像を延々と審査し続ける」という体験こそが、本作の題材として最適だと確信したのだという。悪名高き原点を、令和のSNS時代の「バズるコンテンツ」というテーマと結びつけることで、単なる過去作の再現ではない、新たな一本として本作は生まれ変わることになった。
30年前本作品はカルト的人気を誇り私の海沿いのど田舎のレンタルビデオ店でも何故かジャンクシリーズの棚があり常に誰かが借りていた。個人的にこの手のモンドドキュメンタリーVHSパッケージは独特の匂いがしており、コーナーに近づくと漂う異臭が今も思い出せてしまうため、できるだけポスターやパッケージを目に入れないようにしてきたが、まさかの30年後の現在、シリーズ最新作がアメリカで製作されたと聞いてあの臭いが復活かと戦慄した。
小学生の時、何故かこのジャンクの上映会をやると誘われた。好きな男の子もいたので行こうが迷ったが、夜泣きする自信があったので習い事があると嘘をついて断ったことを思い出した。後日どうなったのか聞けなかったが、あの時に一緒に見ていた男女でカップルが成立して中学高校と順調に交際を重ね結婚していたことを思い出してしまった。どうしてくれるんだ。
『ジャンク7/Faces of Death(2026)』あらすじ結末ネタバレ
ここから先は『ジャンク7/Faces of Death(2026)』の結末に関わる重大なネタバレを含む。動画プラットフォームのモデレーターが、悪名高き“死のドキュメンタリー”を模倣した殺人鬼と対峙していく顛末が描かれるため、鑑賞前の閲覧は避けることを強く推奨する。
審査される「死」
動画アプリ「キノ」のオフィスで、コンテンツモデレーターのマーゴ・ロメロ(バービー・フェレイラ)は、ポルノ、フェイク殺人、体を張った過激なものまで投稿された動画を次々とチェックしていた。ある日、公開処刑を再現したような斬首動画が目に留まる。マーゴはこれを「おそらく偽物」とコメントしつつ審査を通してしまうところから物語は始まる。
ある日上司ジョシュ(ジャーメイン・ファウラー)から新人研修のリーダーを任され、このチャンスを昇進への足がかりにしようとするマーゴはルームメイトのライアン(アーロン・ホリデイ)と共通の友人キャシディとの小さなパーティーを開きライアンから、護身用に口紅型のナイフをプレゼントされる。
パーティーの帰り道にマーゴを見た女性たちがマーゴを「電車の女」と言っているのを聞いて憤慨しながら帰宅する。帰宅したマーゴは亡き姉の留守電を聞き返し涙を流す。
二人目の男
動画の制作者であるアーサー・スペヴァック(デイクレ・モントゴメリー)は自身の投稿した動画の反応を確かめながら、地元で人気のインフルエンサー、サマンサ(ジョージー・トタ)を次のターゲットに定めると、電気回線業者の権限を悪用して彼女の居場所を特定する。
インフルエンサーのサマンサがシャワー中にマスクをつけたアーサーに襲われ、薬物を注射されて意識を失わされ、車のトランクに詰め込まれてしまう。
翌日、マーゴは新たな動画――男がハンマーで撲殺され、脳を抉り出される凄惨な内容――を目にし、今度は迷わず削除するが、最近の投稿は過激なものが多く夢で凄惨な動画が繰り返し流れるようになり、精神的に落ち込むマーゴは会社のビーチランチでジョシュに相談するが、「そんな真剣に向き合うな」と取り合ってもらえない。
精力的に活動するアーサーは、地元のニュースキャスター、ニール(カート・ユエ)を新たな標的に定め、怪我を装って接近したアーサーは、ニールの家に上がり込み、ニールを気絶させ物音に驚き駆けつけた息子のドリューまで拉致してしまう。
明かされる過去
マーゴの繰り返し見る夢の中で二人の若者が電車に轢かれそうになる夢を何度も見ていた。あとでこの夢はマーゴと姉の二人に実際に起きたことで、若い頃マーゴと姉の二人で線路脇で危険なダンス動画を撮影中、姉が線路に足を取られ転倒し、そのままやってきた電車に轢かれて命を落としてしまったのだった。この事件と動画は即座にSNSで拡散され、マーゴは「電車のバカな女」として不名誉な形で世界中で顔バレされた存在で、彼女は顔を晒す必要のないモデレーターの職業についていたのだった。
マーゴは凄惨な映像の幾つかをRedditに動画を投稿し、真偽を尋ねて何人かのユーザーが「本物では」と反応を議論していた。とあるユーザーから電気椅子の動画に映る男が、失踪中の映像作家ジャスティン・プロッドではないかと指摘され『ジャンク』ビデオシリーズが話題に上がる。
マーゴはルームメイトのライアンが偶然コレクションしていたシリーズの原点である『ジャンク1』のビデオテープを発見しマーゴが真偽を掴みきれなかった凄惨な動画はシリーズの構成を真似していること、シリーズの通りの殺し方を撮影してネットに流している模倣犯がいると確信、何故か会社のハードディスクを持ち出して、独自に犯人の正体を追い始める。(なんで?)
迫る危機
その頃、アーサーの自宅の地下で監禁されているサマンサ、ニール、ドリューを使って敬愛するジャンクシリーズの新たな作品を生み出そうと動き出していた。
まずアーサーはニールをシリーズの人気映像「一発勝負」の銃撃シーンの撮影を始める。ニールはドアの前で拘束された人質でアーサーが装置を作動させるとニールの周辺の警察官のマネキンの手に装着していた拳銃から一斉に発砲。動けないニールは警察官たちに一斉掃射されて無惨に死んでしまうという映像が完成。映像の仕上がりに満足しているが、返り血を極端に嫌うアーサーは何度も何度も手を洗いながらSNSに動画をアップロードすると即座に世界中から反応がありインフルエンサーを目指す彼は笑みが溢れる。
その頃マーゴはアーサーの投稿をいち早く見つけ、なんとか情報を抜き出そうとするが、マーゴの意図を見抜いたアーサーは逆に偽アカウントを使って彼女に接触し、彼女の勤務先や自宅、そして電車のバカ女の過去までも把握された挙句に個人情報をネットにばら撒かれてしまうのだった。マーゴはすぐに警察に相談し事件の調査を始めるが、当たり前だが調査の結果、そもそもマーゴは会社の内部データ持ち出していることが発覚して解雇されてしまう。他にやることがなくなったマーゴはアーサーを捕まえると意気込む。
その夜、アーサーはマーゴのアパートに侵入するとあっさりとライアンを殺害し、マーゴに薬物を打って拉致、目を覚ますとアーサーの自宅の檻の中に監禁されていた。
結末ネタバレ:真実の暴露
アーサーが次の映像制作の準備に取り掛かる間にマーゴは隠していた口紅型のナイフを使い拘束から脱出してサマンサを解放するが、ドリューの鍵だけが見つからずその場を離れる。マーゴはアーサーのパソコンから映像データを回収して逃げようとするが、サマンサがガラスを割って脱出を試みたためアーサーに気づかれてしまう。サマンサは外に出て走って逃げようとするが、そこは広大な牧草地でサマンサは2階から撃たれてしまう。マーゴは証拠のハードディスクとアーサーのスマートフォンを持って逃げ警察に通報し保護してもらうが、すでにアーサーは先回りして通報しており、マーゴを「例の電車のバカ女がバズらせ目的で不法侵入してきた」とでっちあげ警察の追及を逃れることに成功、マーゴは連行され病院に運ばれる。
アーサーから奪ったスマホにアーサーから「1時間以内にハードディスクを返さなければサマンサとドリューを殺す」という脅迫メッセージを受け取る。
マーゴは病院にあったナルカン(簡単に言えば解毒剤)を服用しバフをかけてアーサーの家へと向かう。到着したマーゴを、アーサーはライフルで出迎えガレージに案内するとサマンサとドリューの変わり果てた姿を紹介する。
アーサーはマーゴにフェンタニルを注射し意識を失ったふりをするマーゴを次の“作品”のポーズに仕立てようとするが、解毒のバフがかかっていたマーゴは油断したアーサーの足首を口紅ナイフで刺し、胸を何度も突き刺し、アーサーに致命傷を負わせる。
血を流しながら絶命していくアーサーの前で、マーゴはシャツの内側からボディカメラを取り出す。マーゴは解毒のバフだけではなく犯行を記録していたのだった。マーゴはその映像を元職場のキノへアップロードする。
アップロードが完了し、勝利を確信したマーゴは笑いと涙が入り混じった表情を浮かべが彼女を待っていたのは、動画に寄せられる不謹慎で軽薄なコメントの数々だった。
本物の恐怖と死をこの目で確認した後でさえ、誰もそれを真剣に受け止めようとしないのだ——アーサーが生前語っていた「誰も何も本気にしない」という言葉の正しさを、皮肉にも証明する形で物語は幕を閉じる。
『ジャンク7/Faces of Death(2026)』作品情報
『ジャンク7/Faces of Death(2026)』の制作を手がけた監督と出演俳優、作品の基本情報について紹介する。
興行収入
本作は2026年4月5日、シカゴのビヨンド・フェストで35mmフィルム上映によるワールドプレミアを迎えた後、同年4月10日に全米1,678館で劇場公開された。製作費740万ドルに対し、全米興行収入は260万ドルにとどまり、公開からわずか3週間となる4月30日には劇場から姿を消すという厳しい結果に終わった。同年5月12日にはプレミアムVOD配信が開始され、AMC+やShudderといった配信サービスでも視聴可能になっている。興行的には苦戦したものの、Rotten Tomatoesでは批評家支持率69%を獲得するなど、評価面では一定の成功を収めた一本だ。
ダニエル・ゴールドヘイバー監督情報
ウェブカメラモデルの世界を描いたNetflix映画「Cam」(2018年)や、環境活動家たちの過激な行動を描いた「How to Blow Up a Pipeline」(2023年)で高い評価を得てきた監督。共同脚本には「Cam」でもタッグを組んだイサ・マゼイが名を連ねている。前述の通り、自身がSNSスタートアップでコンテンツモデレーターとして働いていた実体験が、本作の題材選びに直結している。批評家からは、単なるノスタルジー狙いのリメイクに終わらせず、SNS時代における暴力の消費というテーマへと昇華させた手腕を高く評価されている。
マーゴ役「バービー・フェレイラ」情報
Netflixドラマ「ユーフォリア」への出演で広く知られる女優。本作では、姉の死という過去のトラウマを抱えながら、コンテンツモデレーターとして日々暴力的な映像に向き合い続ける主人公マーゴを演じている。
アーサー役「デイクレ・モントゴメリー」情報
Netflixドラマ「ストレンジャー・シングス」のビリー役で知られる俳優。本作では、原作『ジャンク』シリーズの殺害シーンを忠実に再現しながら、SNSでの注目と承認を渇望する殺人鬼アーサーを演じている。清潔好きで潔癖な一面と、残虐な犯行という二面性を体現した演技について、複数の批評家から本作最大の見どころとして名前が挙がっている。
海外の感想評価まとめ
本作は海外でどのような評価を受けているのか。Rotten Tomatoesでは批評家支持率69%、Metacriticでも「概ね好意的」の水準となる63点を記録しており、批評家からの評価は総じて高い。CinemaScoreでは観客から「C」評価にとどまるなど、一般観客の反応は批評家ほど熱狂的ではない。終盤の展開の粗さを指摘する声が特に多く、賛否が分かれるポイントとなっている。なぜこの評価になったのか、海外レビュアーたちの声を見ていこう。
IMDb(総合評価:6.0/10)
①「Helpful」投票数トップのレビュアーnicolasroopは、本作を単なるリメイクではなく「リメイクという概念そのものへのメタ的な批評」だと評価している。原作を知らなくても十分に楽しめる作りになっている点や、SNSが人々に及ぼす悪影響というテーマが、説教くさくならない絶妙な塩梅で描かれている点を高く評価し、主演バービー・フェレイラの好演と、デイクレ・モントゴメリーの狂気に満ちた悪役ぶりを称賛している。
②Grumpyzzは、原作『ジャンク』を「猟奇殺人鬼が社会に投稿する動画の再現」という設定で現代に置き換えた着眼点を評価しつつ、劇中で再現される暴力描写があまりに凄惨で、本来R指定ではなくNC-17指定にすべき内容だったと指摘している。SNSやインフルエンサーが世界に与えている害悪について、鋭い指摘を含んでいる点も評価している。
③salmon62は、本作を「引き込まれる部分と、完全に興味を失いかける部分が同居する、奇妙などっちつかずの映画」だと分析している。特に終盤、主人公が殺人鬼から逃げ延びる展開のリアリティの欠如を課題として挙げつつ、従来とは異なる体型の女優が「最後の生存者(ファイナルガール)」を演じたこと自体は、ジャンルの多様性という点で歓迎すべき変化だと評価している。
④ColinTheGorillaは、コンテンツモデレーターという着眼点自体は優れているとしつつ、これを刑事ものの犯罪スリラーとして描いていれば傑作になり得たはずだと惜しんでいる。ミステリーの謎解き部分がやや唐突に感じられる点や、新規のゴア描写よりも既存シリーズの再現映像に頼りすぎている点を課題として挙げる一方、デイクレ・モントゴメリーの怪演については「一瞬でアイコン的な殺人鬼になった」と絶賛している。
Rotten Tomatoes(批評家:69% / 観客:スコア未算出、CinemaScore「C」)
①Screen Rantの批評家は、監督ゴールドヘイバーの過去作「Cam」がウェブカムモデルの世界を93%というスコアで高く評価された実績を引き合いに出し、本作もその路線を受け継ぐ有望作だと紹介している。
②IndieWireの批評家は、本作を『スクリーム』シリーズが興行的には生き残ったものの、内容面では自らを食い尽くしてしまったことと対比しながら、本作はより醜く、より鋭い形でメディア消費というテーマを描き切っていると高く評価している。
③Letterboxdに投稿されたある批評家のレビューでは、本作を「うるさくて、下品で、賢くて、とにかく楽しい」と一言で評しており、原作へのオマージュとして機能しながらも、単体の作品としても十分に成立していると分析している。
④一般観客からは「ゴア表現には物足りなさがあったが、ストーリー重視の作りで、続編が作られるなら期待したい」という声がある一方、
⑤「主人公に感情移入できる作りで、トレンドと下品さについての優れた社会批評になっている。処刑や拷問の場面がリアルタイムで映されるため、緊張感は高かった」という肯定的な声も見られ、
⑥「死の真実味というテーマを扱った社会派作品のはずが、終盤ではリアリズムが“映画的なご都合主義”に取って代わられてしまった」と、テーマ性と脚本の整合性の乖離を指摘する声も見られた。
Rotten Tomatoes – Faces of Death
Metacritic(総合評価:63/100)
本作はMetacriticにおいて22件の批評家レビューをもとに63点、「概ね好意的」という評価を獲得している。Rotten Tomatoesと同様の傾向が見られ、社会批評としての鋭さと、終盤の脚本の粗さという両面が繰り返し指摘されている。CinemaScoreでの観客評価が「C」にとどまっている点からも、一般観客にとってはやや消化しづらい、テーマ性の強い一本だったことがうかがえる。
批評家レビュー
海外批評家の詳細な評価を見ていこう。
Rotten Tomatoes掲載評 スクリームを超える鋭さ
(無記名レビュー・批評家評)「“スクリーム”シリーズがすでに興行面以外では自らを食い尽くしてしまったのは残念なことだ、なぜならこのゴールドヘイバーの“ジャンク”は、その自己言及的な仕掛けを自力で締め上げられるだけの鋭さを持っているからだ」
この批評家は、本作がメディア消費や暴力への感覚麻痺というテーマを、同じくメタ的な手法を取る人気スラッシャーシリーズよりも、より醜く、より的確な形で描き切っていると評価している。悪名高い原作を掘り起こし、SNS時代における「死の見世物」がいかに陳腐なものと化してしまったかを突きつける構成を、知的で不穏な仕上がりだと称賛している。
評価点 メディア消費と暴力への感覚麻痺というテーマを、既存の人気メタスラッシャーシリーズよりも鋭く描き切った点
批判点 (本人が明確な批判点を挙げていないため割愛)
(Rotten Tomatoes – Faces of Death 批評家評)
Polygon 現代の裏にある真実
(無記名レビュー)「ゴールドヘイバーとマゼイは、単純なリメイクで終わってもおかしくなかった企画を、覗き見主義、加担、感覚麻痺、そして承認欲求という、幾重にも重なったテーマの探求へと変貌させた」
Polygonは、監督自身がSNS企業でコンテンツモデレーターとして実際に働いていた経験に着目し、その実体験が本作の説得力を大きく支えていると分析している。単なる過去作の再現に留まらず、現代のSNS文化そのものへの批評として機能している点を高く評価している。
評価点 監督自身の実体験に基づく、SNS文化への説得力のある批評性
批判点 (本人が明確な批判点を挙げていないため割愛)
(Polygon – Faces of Death インタビュー記事)
Dimestore Hog(IMDbユーザー投稿の長文評) ハリウッド製として悪くない
kevin_robbins氏「’90年代スラッシャーの雰囲気と、現代的なテック要素がうまく融合していた」
この長文レビューは、原作『ジャンク』シリーズの死のモチーフをうまく引用しながら、姉の死をめぐるサブプロットが特に効果的に機能していたと評価している。一方で、殺害シーンの全貌が画面に映されることが少なく、もっと過激な見せ場を期待していたと率直に述べている。電車のシーンや終盤の格闘シーンについては、本作屈指の見どころだったと結んでいる。
評価点 ’90年代スラッシャーの雰囲気と現代的なテーマの融合、特に電車のシーンと終盤の格闘シーンの完成度
批判点 殺害シーンの多くが画面外や部分的な描写にとどまり、期待したほどの過激さがなかった点
個人的な感想評価「ジャンク」シリーズの必要なし
かなり古い記憶だが、ジャンクシリーズは淡々と本当に淡々と人の死を映し出し続ける胸糞悪い映像集だった気がする。(他のシリーズだったらすまぬ)
その新シリーズ、、、続編、最新作と言われ、ポッカキットに乗るようなヤベェ映像とテリファー以上のグロいシーンを見せつけられると思ったが、シリーズを敬愛する模倣犯を追う間抜けな女を描いたグロを極力排除したホラー映画だった。
は?
あの強烈なインパクトを現代にどうやって蘇らせるのかと期待してた(期待していない)だけに、普通にホラー映画作ってしまったのは「?」となった。興行収入では爆死、メタスコアは63点、IMDbは5.8点とポパイ・ザ・スレイヤーの3.4点と比べると高評価なので、海外では受け入れられたようだが、、、、HSPで繊細さんな映画好きの私としては、絶対に見たくないし嫌だけど、あのトラウマのシリーズ復刻させるのならもっと過激なやつを期待していたので残念でしかない。
唯一エンディングだけは後味悪かったので評価したい。マーゴが命がけで手に入れた「本物の証拠」が、アップロードされた瞬間に「嘘乙」というコメントの波に飲み込まれていく——この後味の悪さが現代っぽくて好き。1978年の『ジャンク』のキャッチコピーが「これは本物か、偽物か」という問いを観客に突きつけたのに対して本作は「たとえ本物だと証明されても、もう誰も気にしない」という、より救いのない現代のリアルな反応だけは鳥肌がたった。でもそれだけなんだよなぁ。
娯楽として消費しきれない後味の悪さこそ、監督ゴールドヘイバーが本作に込めた最大の“毒”だったのだと思う。
まとめ
今回は映画『ジャンク7/Faces of Death(2026)』について、結末までのネタバレとあらすじ、そして海外での評価をまとめて紹介してきた。46カ国で上映禁止となった伝説のモンド映画『ジャンク』シリーズを、SNS時代のコンテンツモデレーターという設定で蘇らせた本作は、Rotten Tomatoesで批評家支持率69%、Metacriticで63点という高評価を獲得した一方、全米興行成績はわずか260万ドルにとどまり、CinemaScoreでも「C」評価と、一般観客の反応は芳しくなかった。監督自身の実体験に基づくSNS批評の鋭さや、主演二人の演技力を評価する声が多い一方、終盤の脚本の粗さを指摘する声も根強い。悪名高きシリーズの精神を令和に受け継いだこの一本が、日本でどのように紹介されるのか、今後の動向にも注目したい。







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