映画『死霊館 最後の儀式』完全ネタバレ徹底解説と海外の感想評価まとめ

「気をつけろ…死ぬほど怖いぞ」全米で2025年9月5日に公開された映画『死霊館 最後の儀式(原題:The Conjuring: Last Rites)』のあらすじ結末までネタバレ解説と海外の感想評価をまとめて紹介。ウォーレン夫妻の最後となる事件を描いたシリーズ完結編に相応しい集大成のような恐怖演出に大団円の展開に全てのファンが納得する作品となっている。IMDbで6.6点、マイケル・チャベス監督、パトリック・ウィルソン、ヴェラ・ファーミガ主演を紹介。

『死霊館 最後の儀式』物語結末ネタバレ

ここから先は『死霊館 最後の儀式』の核心である重大なネタバレを含む。

悪魔の鏡

1964年、若きエド・ウォーレン(オリオン・スミス)とロレイン・ウォーレン(マディソン・ローラー)は、ある骨董品店の店主から邪悪な霊によって父親が自殺に追い込まれたという相談を受けていた。

身重のロレインが店の奥に足を向けると、3人の天使が形どられた不気味な木枠の鏡を発見する。鏡の表面に触れた瞬間、ガラスにひびが入り、ロレインの映った姿が邪悪な笑みを浮かべる鏡の悪魔の顔へと変貌した。

直後にロレインは激しい陣痛に見舞われ、エドは病院へと急行する。ロレインは病院で処置を施されている間も、先ほどの鏡の悪魔の幻影が迫る悪夢に苛まれ続けた。

なんとか生まれた赤ん坊は心肺停止の状態で生まれてくる。諦められないロレインとエドの2人で必死に祈り続けると、奇跡的に赤ん坊は息を吹き返し、2人は娘をジュディと名付けた。

22年後の悪夢

1986年、ペンシルベニア州ウェスト・ピッツトンに住むスマール家は、父ジャック(エリオット・コーワン)、母ジャネット(レベッカ・カルダー)、ジャックの両親、そして4人の娘たちヘザー(キラ・ロード・キャシディ)、ドーン(ボー・ガドソン)、シャノン(モリー・カートライト)、カリン(ティリー・ウォーカー)が平和に暮らしていた。

ある日ヘザーの誕生日パーティーで、祖父のジョンがプレゼントとして巨大な鏡を贈る。それは22年前にウォーレン夫妻を襲った鏡の悪魔の宿る鏡と瓜二つだった。

家族みんながテーブルで団欒をしている最中に、突如天井の照明が落下し、ヘザーの額に傷を負わせる事故が起きる。それからスマール家では怪奇現象が頻発するようになった。

ヘザーとドーンは鏡が原因だと結論付け、鏡をゴミ収集車に突っ込む。しかし鏡が粉砕された途端、ドーンの口から大量の血液とガラス片が吐き出され、病院に運ばれる事態となった。

一方、エドは心臓の不調を抱え、超常現象の調査から身を引いて休養し、大学で講義を行う平穏な日々を送っていた。しかし成人したジュディ(ミア・トムリンソン)も母親譲りの霊視能力が強まり続け、日々アナベル人形や恐ろしい老婆の霊に脅かされる心臓に悪い日々を送っていた。

ジュディは婚約者トニー・スペラ(ベン・ハーディ)との結婚に向けてドレスの試着中、老婆の霊に襲われてしまう。

スマール家の超常現象はさらに激化する一方だった。ジャックは宙に浮かび、ヘザーは誕生日パーティーのビデオに悪魔の顔が映り込み、斧を持った殺人鬼の霊に襲われるなど、全員が恐怖のどん底に突き落とされていた。

絶望した一家はマスコミに事態を公表し、助けを求める。応じたゴードン神父(スティーブン・コルター)が家を訪れて聖水を撒くも、悪魔に憑依されてしまい飛び降り自殺をしてしまう。十字架をかざしても燃やされてしまうほど強力な悪魔であった。

ゴードン神父の葬儀に参列していたジュディが棺に触れた途端に、神父が不吉なことに巻き込まれて死んだビジョンを見て不安を覚える。ジュディはウォーレン一家と婚約者のトニーの4人でスマール家に挑むことになった。

結末ネタバレ:最後の戦い

スマール家に到着した一向は、ロレインの霊視により、この家で起きた過去の事件を知る。この家で夫が妻と義母を斧で殺害した事件が明らかになるが、それらは全て本当の悪魔を隠すための囮だった。

調査を続けるジュディは屋根裏部屋で例の鏡を発見し、巨大化したアナベル人形に追いかけられる幻覚を見せられる。これを発端に鏡の悪魔が本格的にウォーレン一家を襲い始めた。

手始めにロレインが地下室に閉じ込められ殺人鬼の霊に襲われ、ジュディに憑依して一家を襲わせ首吊り自殺をさせようとする。トニーがジュディを助け、エドが聖書を読んで悪魔祓いを始めるが、聖書は燃やされ、鏡が宙に浮きトニーを床に押しつけた。

しかしロレインが現れ、エド、ジュディの3人で鏡に手を置き聖書を読む。最後にジュディが「お前はそこにはいない」と宣言すると、悪魔は叫び声を上げて鏡から祓われ地獄に戻り、鏡は粉々に砕け散って一連の心霊現象が終焉を迎えた。

翌朝、ウォーレン夫妻はスマール家に別れを告げ帰宅する。トニーはエドと超常現象博物館のアナベル人形の隣に悪魔の鏡を設置した。

後日、ジュディとトニーの結婚式が執り行われ、過去にウォーレン夫妻が助けた家族たちが出席する。披露宴でエドとロレインが踊りながら、ロレインは二人が祖父母になっても人々を助け続ける未来のビジョンを見たとエドに伝えると、エドは「完璧だ」と応え物語は終了する。

エンディングで、スマール家がその後3年間その家に住み続け、超常現象により家族の絆が深まったと記される。エドとロレインは50年間結婚生活を続け、2006年にエドが亡くなり、ロレインは再婚することなく2019年に亡くなった。

ウォーレン夫妻の超常現象研究は科学界では高く評価されなかったが、彼らが行った活動と助けた人々において、この分野の先駆者として評価されていると記されて、本当に彼らの物語は幕を閉じる。

引用元:

『死霊館 最後の儀式』作品情報

死霊館 最後の儀式のネタバレを読んで興味を持った読者のために、ウォーレン夫妻の最後の事件となる本作の詳細について紹介する。12年間続いた死霊館ユニバースの完結編として、パトリック・ウィルソンとヴェラ・ファーミガが最後のウォーレン夫妻を演じ、1974年から1989年にかけてペンシルベニア州で実際に起きたスマール家憑依事件を基にした物語となっている。

元ネタスマール家憑依事件とは?

スマール家憑依事件(1974-1989年)
事件概要
ペンシルベニア州ウェスト・ピッツトンに住むスマール家で、1974年から1989年にかけて15年間にわたって続いた超常現象事件。ジャック・スマールとジャネット・スマール夫妻、その4人の娘、そして祖父母の3世代家族が体験した。

主な現象
物体の浮遊・移動
悪臭の発生
原因不明の騒音
家族への物理的攻撃
電化製品の異常動作
壁を叩く音
幽霊の目撃

特徴的な出来事
1986年にエド・ウォーレンとロレイン・ウォーレンが調査に入り、悪魔による憑依と判断。スマール家はマスコミに事態を公表し、全米で大きな注目を集めた。この事件は後に書籍化され、映画『死霊館 最後の儀式』の題材となっている。

結末
ウォーレン夫妻の調査と悪魔祓いにより現象は終息。スマール家はその後も3年間同じ家に住み続け、この体験により家族の絆が深まったと証言している。
実在の事件として、アメリカの超常現象史における重要なケースの一つとされている。

で、実際の映像がyoutube上に残されていたので必見、リアルすぎて本作と同じぐらい怖いので閲覧注意。

興行収入「シリーズ最高興収」

本作は2025年9月5日の全米公開で、木曜日プレビュー上映において850万ドルを記録し、コンジャリング・シリーズ史上最高のプレビュー興行収入となった。

この記録は2018年の『死霊館のシスター』の540万ドルを上回り、2025年のホラー映画としても最高の数字である。初週末には6500万ドル以上のオープニングが予想され、シリーズ最高記録を更新する見込みとなっている。

マイケル・チャベス監督紹介

マイケル・チャベス監督は1981年生まれのアメリカの映画監督で、『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』(2021年)、『死霊館のシスター2』(2023年)に続いてコンジャリング・ユニバースを手がけている。

元々は超常現象に懐疑的だったチャベス監督だが、本作の撮影中に「最も不気味な体験」をしたことで、完全に信じるようになったと語っている。死霊館シリーズの撮影中は撮影中にも関わらず原因不明の物音や足音、機材の故障、説明のつかない現象、そしてスタッフやキャストが感じる異常な雰囲気と空気感が漂うなど、説明のつかない超常現象が度々起きていた。

ジェームズ・ワン監督が築いたホラー・フランチャイズの継承者として、彼にも劣らない実用的な特殊効果と心理的恐怖を重視したアプローチで知られる。

エド・ウォーレン役「パトリック・ウィルソン」紹介

パトリック・ウィルソンは1973年生まれのアメリカの俳優・歌手で、ブロードウェイ出身の実力派として知られる。『オペラ座の怪人』の映画版(2004年)、『ヘアスプレー』(2007年)などのミュージカル映画で注目を集め、『死霊館』シリーズではエド・ウォーレン役として2013年から12年間にわたって出演している。

『インシディアス』シリーズでもジェームズ・ワン監督とタッグを組み、現代ホラーの顔として確固たる地位を築いている。実在のエド・ウォーレンの実直で家族思いな人柄を見事に演じ、ヴェラ・ファーミガとの夫婦役は映画界屈指の名コンビとして評価されている。

ロレイン・ウォーレン役「ヴェラ・ファーミガ」紹介

ヴェラ・ファーミガは1973年生まれのアメリカの女優・監督で、ウクライナ系の家庭に生まれ育った。『マーサ、あるいはマーシー・メイ』(2011年)でアカデミー助演女優賞にノミネートされ、『アップ・イン・ジ・エア』(2009年)でも同賞候補となった実力派女優である。

『ベイツ・モーテル』(2013-2017年)では主演と製作総指揮を務め、エミー賞にもノミネートされた。『死霊館』シリーズでは霊能力者ロレイン・ウォーレンを演じ、超自然的な恐怖と母性愛を兼ね備えた複雑な役柄を見事に表現している。パトリック・ウィルソンとの息の合った演技は、フランチャイズの心臓部として機能している。

海外の感想評価まとめ

2025年9月5日に全米公開された『死霊館 最後の儀式』は、12年間続いた死霊館ユニバースの完結編として注目を集めている。

批評家からは感情的な別れとしては成功しているものの、恐怖要素については賛否が分かれる評価を受けている。IMDbでは6.6点、Rotten Tomatoesでは批評家55%、Metacriticでは54点と、シリーズとしては中程度の評価となっている。

IMDb(総合評価:6.6/10)

①私はIMAX上映で鑑賞したが、確かに怖い映画だった。映画にはいくつかの欠点があることは認めるが、特に悪い印象を受けるようなことはない。批評家の偽りの評価に惑わされずに、ぜひ映画館に足を運んでほしい。

②私が最も評価するのは、メインキャストの演技力だ。特にロレインとエドの夫婦愛の化学反応は、このシリーズを支える重要な要素となっている。彼らの愛情は完璧で、すべてのシーンで感じられる。第1作のような数週間後まで背筋がゾクゾクするような恐怖は感じなかったが、それなりに楽しめた。

③私の感想では、この映画は悪魔の物語の展開に関心を示さず、スローな構築で進行し、多くの疑問が答えられないまま急いで終わってしまった。シリーズの続編があることを考えると、観客としてはもっと多くを期待していた。私にとって『死霊館2』は完璧な構築とキャラクターの活用で今でも最高傑作だ。

④私は壮大な送別を期待してこの映画を観に行ったが、フランチャイズのフィナーレというよりも悪いスピンオフのような、力の抜けたリサイクルされた混乱を見せられた。

IMDb – The Conjuring: Last Rites

Rotten Tomatoes(批評家:55% / 観客:未発表%)

①私は『死霊館 最後の儀式』を鑑賞して、キャラクター、演技、ストーリーを楽しんだ。単なる血まみれスラッシャーよりもずっと多くのプロットがある完璧な種類の恐怖映画だ。

②私の感想としては、もっと怖い映画になると思っていた。シリーズの素晴らしい結論で、怖くて感動的で、いくつかの笑いもあった。バランスが取れていて、恐怖シーンはかなり恐ろしかった。一部はチープだったが、こういった映画ではそれも好きな要素だ。

③私が問題に感じるのは、ひどいペース配分、すべての超自然的悪役の不明確な動機、頻繁な演技の問題、そして不当で理解しがたい気取った雰囲気だ。これが『死霊館』の終わりなら、それもいいじゃないか。

Rotten Tomatoes – The Conjuring: Last Rites

Metacritic(総合評価:54/100)

①私にとって『死霊館 最後の儀式』は、ファンにとって見逃せないホラー体験だ。この最終章は背筋が凍るような恐怖、雰囲気的緊張感、そしてエドとロレインへの感情的で力強い別れを提供している。不気味なビジュアル、心に残る音響設計、衝撃的なひねりが最後まで観客を夢中にさせる。

②私の評価では、恐怖映画としての『死霊館 最後の儀式』は、良くも悪くもない一般的な映画だ。観客に「合格か不合格か」で判断してもらうことを懇願しているようだ。『死霊館』シリーズの結論としては、もう少し成功しているが、それほどでもない。

③私は映画館を出たばかりで、共有すべきことがたくさんある。『死霊館 最後の儀式』は本当に強力な始まりを見せ、冒頭と展開は素晴らしく、観客をすぐに引き込む堅実なストーリーの基盤がある。残念ながら、エンディングは私には響かなかった。緊張感と恐怖は部分的にはあったが、期待していたレベルには決して到達しなかった。

Metacritic – The Conjuring: Last Rites

批評家レビュー

海外の専門批評家による『死霊館 最後の儀式』の詳細な評価を紹介する。12年間続いたフランチャイズの完結編として、ウォーレン夫妻への感情的な別れと恐怖要素のバランスが評価の分かれ目となっている。批評家たちはパトリック・ウィルソンとヴェラ・ファーミガの演技を高く評価する一方で、恐怖シーンの予測可能性と過度に長い上映時間について批判的な意見を述べている。

Variety 評価2.5/5

J・キム・マーフィー氏「ストーリーは型にはまり、かつてないほど小さな賭けしかない肥大化したフランチャイズ最高の上映時間にも関わらず、賭けは今まで以上に小さく感じられる」

この最終作は、ウォーレン夫妻をより多く演じる機会を与え、彼らはその機会に立ち上がった。彼らは微妙に調整された演技でジャンルのアイコンになったのは当然だ。しかし、『最後の儀式』は以前の作品よりも多くを求めており、ウォーレン夫妻を共生的な侵入者ではなく、事件の対象者に変えている。

悪魔たちはウォーレン夫妻自身に焦点を当てるようになり(スマール家はますます周辺的な存在となり、最終幕では文字通り逃げ出してしまう)、しかし私たちや、さらにはウォーレン夫妻でさえ、彼らの信仰が疑問視されているとは説得力がない。この非常に派生的なホラー・シリーズが、最も信頼できる創造物であるウォーレン夫妻への過度の投資によって底を突くのは、それがその有用性をはるかに超えていることの確実な兆候だ。

評価点
パトリック・ウィルソンとヴェラ・ファーミガの演技、改善されたマイケル・チャベス監督の演出

批判点
予測可能なホラー要素、肥大化した上映時間、型にはまったストーリー展開

(Variety – The Conjuring: Last Rites)

Roger Ebert 評価3/5

マット・ゾラー・サイツ氏「『最後の儀式』のクライマックスは、あなたが望むほど緊張感があり不安にさせるものだが、同時に温かく感動的でもある」

これは超自然的な要素という点では、歴代の偉大な『死霊館』映画の一つではない。エドとロレインは、映画の半分まで、この映画の憑りつかれた空間に足を踏み入れることさえしない。しかし、一度彼らが中に入ると、本当に、本当に入り込む。家族が一緒に働くときより強くなるという考えを売り込む多くの映画とは異なり、この映画は完全にそれを信じており、持てるすべての技術と感情でそれを売り込んでいる。

評価点
感動的なクライマックス、家族の絆への信念、ウォーレン夫妻への適切な別れ

批判点
超自然要素への集中不足、前半の展開の遅さ

(Roger Ebert – The Conjuring: Last Rites)

New York Times 評価2/5

ベアトリス・ロアイサ氏「現状では、この映画は期待外れの送別となっている。本当のスリラーというよりも、風変わりな家族ドラマだ」

『最後の儀式』が恐怖を演出しようとするたびに(映画がほとんどの時間無理をしすぎているため頻繁に起こる)、興味は失われる。それは絶えず自分自身を機能させ、恐怖させようとして(そして失敗して)いる。一つの斧を振るう瞬間を除いて、すべてが狂乱的だが恐怖のないPGファッションで展開され、音響効果チームは多くのきしむドアを異なって聞こえるよう懸命に働いている。

評価点
キャラクター開発、家族ドラマとしての側面

批判点
効果的でない恐怖シーン、過度な努力による不自然さ、予測可能なホラー要素

(New York Times – The Conjuring: Last Rites)

Deadline 評価3.5/5

グレゴリー・ナッセン氏「『最後の儀式』は適切に恐ろしく、2作目や3作目よりも恐怖シーンごとにはるかに成功しており、ワンの最初の『死霊館』の美的快楽への本当に泡立つような回帰だ」

『最後の儀式』は、シリーズで最も健全な章であることは間違いなく、神と信仰への主張が宗教的プロパガンダに近づいている。しかし、このアプローチは間違いなく効果的で、恐ろしいと同時に感情的に共鳴するクライマックスを持っている。『死霊館』では常に真実ではなかったが、映画の最も恐ろしい瞬間の多くは、キャラクターの感情的な賭けと seamlessly に結びついている。

評価点
効果的な恐怖シーン、感情的共鳴、ジェームズ・ワン風の美学への回帰

批判点
過度な宗教的要素、予測可能な展開

(Deadline – The Conjuring: Last Rites)

個人的な感想評価:70点

気持ちよく終わってよかった。

が、最初の感想。

長かったなぁ「死霊館」に最高に恐怖してからもう12年か。。。一緒に映画館で観たパートナーと結婚しちゃったしね感慨深い。

最初に言っておくけど、やはり「死霊館」の圧倒的な完成度には程遠いが、ジェームズ・ワンの後継者と言われるだけの見事な恐怖演出をテンポ良く大盤振る舞いしてくれるので、最悪のお化け屋敷に放り込まれたかのような感じで心底ビビりながら楽しめた。

特に殺人鬼の幽霊(実態)が影からいきなり登場したのは恐らく若干失禁したかもしれないぐらい、びびった。あれは反則。本当に嫌。あの演出だけはジェームズ・ワンを超えたと思う。新鮮だったし、実態のある殺意満々の殺人鬼がいきなり現れ無言で向かってくる恐怖と言ったらもう…

ただし、くるぞくるぞ…やっぱり来た!な演出が続くので食傷気味なのも事実。

シスターでもなく、アナベルでもなく、ありとあらゆる恐怖が集合したような作品になっているので、とにかく怖がりたい人には最適かも。

海外レビューを総括すると、『死霊館 最後の儀式』は完璧な恐怖映画というよりも、12年間にわたって愛され続けたウォーレン夫妻への感動的な別れの物語として機能している。実際にメタスコアは54点と低め、みんな大好き初代死霊館は68点(IMDb7.5点)。

皆がジェームズ・ワンが築いた初期作品の革新的な恐怖演出には及ばないと評価し、ジャンプスケアの多くが予測可能、135分という過去最長の上映時間も冗長さを感じさせる要因となっていると完璧には程遠いとしている。

それでも本作は、単なるホラー映画を超えた家族愛の物語として成立している。ジュディ・ウォーレンの成長物語、世代を超えた悪との戦い、そして愛する人を守るために立ち向かう勇気といったテーマが、恐怖以上に心に残る。特にクライマックスでの家族三世代が力を合わせて悪魔を退治するシーンは、このシリーズが常に描いてきた「愛こそが悪に打ち勝つ力」というメッセージの集大成として感動的だった。

まとめ

『死霊館 最後の儀式』は、12年間続いたコンジャリング・ユニバースにおけるウォーレン夫妻の物語を完結させる重要な作品である。この記事では、1964年のジュディ誕生時に始まった呪いの鏡との因縁から、1986年のスマール家事件での最終決戦まで、シリーズの起源と終焉を結ぶ壮大な物語の完全ネタバレを紹介した。

期待度について言えば、ファンは12年間愛し続けたウォーレン夫妻への適切な別れを求めており、その点では成功している。パトリック・ウィルソンとヴェラ・ファーミガの演技は円熟の域に達し、夫婦の絆と家族愛を説得力を持って描写している。また、実在のスマール家憑依事件を基にした重厚なストーリーと、ジュディ・ウォーレンの成長物語が感情的な深みを与えている。

内容の評価としては、恐怖映画としては物足りなさが残るものの、家族ドラマとしては高い完成度を誇る。批評家たちが指摘する通り、マイケル・チャベス監督の演出は改善されているが、初期作品の革新性には及ばない。それでも、シリーズファンにとっては十分に満足できる内容となっている。

海外での評価は、IMDb6.6点、Rotten Tomatoes批評家55%、Metacritic54点と中程度だが、興行的には木曜プレビューで850万ドルを記録し、シリーズ最高のオープニングを達成している。これは、批評家の評価以上に一般観客がウォーレン夫妻への愛着を示している証拠だろう。

総括すると、『死霊館 最後の儀式』は完璧な恐怖映画ではないが、愛すべきキャラクターたちへの感動的な別れの物語として、シリーズファンの心に深く刻まれる作品となっている。ウォーレン夫妻の物語はここで幕を閉じるが、彼らが築いた「愛と信仰で悪に立ち向かう」というメッセージは、今後も多くの人々に勇気を与え続けるだろう。

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