映画『子鹿のゾンビ』完全ネタバレ徹底解説と海外の感想評価まとめ

ついに子鹿のバンビがホラー映画化!海外で話題沸騰の『子鹿のゾンビ』を完全ネタバレ解説。IMDb8.9点、Rotten Tomatoes63%の話題作。日本未公開のホラー映画のあらすじから結末まで、海外レビューと感想評価をまとめて紹介する。

『子鹿のゾンビ』物語結末ネタバレ

ここから先は『子鹿のゾンビ』の核心である重大なネタバレを含む。

バンビの悲しみ

むかしむかしあるところに子鹿のバンビが母親と幸せに暮らしていた。しかし密猟者によって母親が殺され失意に沈むがバンビは悲しみを乗り越え大人になると、ファリーンという雌鹿と出会い可愛い子鹿が生まれ幸せな日々を過ごしていた。

ところが運命は再び残酷な試練を与える。

バンビの住む森が破壊されてい行き住処を追われた親子が彷徨っていると夫のファリーンと子供が核廃棄物を積んだトラックに轢き殺されてしまう。絶望したバンビは廃棄物で緑色に汚染され川の水を飲み恐ろしい化け物へと変貌を遂げるのだった。

バンビの復讐

現在

ザナ(ロクサーヌ・マッキー)と息子のベンジ(トム・マルヘロン)は、認知症を患う祖母メアリーのもとを訪ねようとタクシーに乗っているところを巨大化した化け物バンビに襲われる。

怪物となったバンビはタクシーを簡単にひっくり返し、その巨体で踏みつけ車ごと踏み潰してくる。運転手は圧死してしまうがザナとベンジは隙をついて車から脱出して命からがら祖母メアリーの家にたどり着く。祖母の家にはザナの夫サイモンの兄弟アンドリューとその妻ハリエット、息子のハリソンが到着して2人を待っていた。

祖母はなぜかバンビをモチーフにした絵を一心不乱に描き続けていた。家族は痴呆症が原因だろうと無視している。

その頃、バンビを追う密猟者たちが横転したタクシーと運転手の遺体を見つけ、注意深く足跡を追い続ける。間抜けな密猟者は地元民を撃ち殺してしまうが、怪物のせいにしようと死体を隠してしまう。

祖母が絵を止めて窓に向かいバンビとつぶやく。ザナが心配して寄り添うと窓を突き破ってバンビが現れる。ハリエットが浴室に逃げ込み扉を閉めると、バンビは蹄のためドアノブを開けることができない。…そう思っていた時期が私にもありました。

バンビはあっさりと扉を開けてハリエットの背中を突き刺すが、ハリエットは致命傷を負いながらなんとか外に逃げ出す。しかし、ハリエットを待つ家族たちの前で無惨にも体を引き裂かれてしまうのだった。

アンドリューが車のエンジンをかけようとするが、お約束の法則が発動し、バンビがくる直前までエンジンがかからず当事者たちは死にかけるが、視聴者はニヤリとする。流石に車のスピードには追いつけないバンビは追跡を諦め森の中に消える。

密猟者たちはもぬけの殻となったメアリーの家に辿り着き、死にかけているハリエットを見つける。密猟者の1人が銃でとどめを刺そうとするが、もう1人の密猟者がそれを咎めるとナイフを取り出しゆっくりとハリエットの胸を突き刺し苦痛を先延ばしにする方法で命を奪いながら笑みを浮かべるのだった。ここでバンビを追う密猟者たちも普通ではないことがここで判明する。

結末ネタバレ:親子再会

車を止めたアンドリューとハリソンは道を塞ぐ倒木を取り除こうと外で作業をしていた。車の中で待っていたベンジがこちらに駆け寄ってくるバンビの姿を見て混乱し、突然アクセルを踏んでアンドリューとハリソンを置いて逃げ出す。アンドリューは倒木を退けるために用意していたロープが足に絡まり車に引き摺られ続け死に、ハリソンはバンビに追い詰められるがなぜかハリソンのことは無視して立ち去る。

己の保身のために母ザナと祖母メアリーだけを乗せて逃亡したベンジの運転する車がついに止まり、ザナは外に出てアンドリューの無惨な遺体を見つけるが、そのまま三人d森の中に逃げるのだった。

生き残ったハリソンは森で迷子になり人懐っこいウサギに絡まれていた。イラついていたハリソンはウサギを全力で蹴り飛ばし悪態をつくが、ウサギは数百の群れになって歯を剥き出してハリソンに襲いかかる。ハリソンが逃げようとすると運悪くトラばさみの罠を顔面で受けてしまい、ウサギの群れに身体中を齧られて死んでしまう。

ザナたちは運よく?密猟者の車に乗せてもらい彼らのアジトに向かう。そこで密猟者たちはバンビの子供を囮にして、バンビを狙っていること、彼らはバンビのように巨大な化け物動物たちを殺すことを生業にしているが、うっかり殺したり邪魔する人間は容赦なく排除するサイコパス集団だと知ったザナは逃げ出そうとするが密猟者に銃で脅されてしまう。

ベンジはバンビが子どもを囮にしていた密猟者2人をぶっ殺している間に檻を解いて子鹿を助け出す。アジトに入り込んだバンビは密猟者を次々殺していき、痴呆症のメアリーも結局食べようとするが、追い詰められた密猟者の女がガスボンベを撃ってアジトごと爆破させる。

逃げ出したバンビは子鹿を抱えるベンジと合流するが、密猟者たちに見つかってしまう。暴露を恐れる密猟者たちは、ザナたちを殺そうとするがバンビが現れ密猟者の1人を突き刺し、もう1人の密猟者は車に乗って1人で逃げ出す。ベンジが襲われかけるが、子鹿をバンビに差し出すとバンビは子鹿を舐めて久しぶりの再会を喜んでいるように見える。

しかし、死んだと思われていた密猟者がバンビを撃ちまくりバンビはあっさり死んでしまう。次に銃口をザナに定めるが爆発を生き延びていた祖母メアリーが密猟者の頭を打ち抜き生還する。

車で逃げた密猟者の1人は、車の中に潜んでいたウサギの大群に襲われて死ぬ。

生き残ったザナたちの前でバンビの死を悲しむ子鹿の姿が映し出されたところで物語は終了する。

『子鹿のゾンビ』作品情報

「映画『子鹿のゾンビ』」の監督と俳優の情報を紹介する。

『子鹿のゾンビ』興行収入

制作費は推定80万ドル、興行収入は全世界で196,976ドル、大幅な赤字となったが監督のダン・アレンは「低予算ホラーとしては話題性を獲得できた」、プロデューサーのスコット・ジェフリーも「カルト映画を目指している」とコメントしプーさん、ピーターパン、バンビと版権切れのキャラクターが一同に集まるアベンジャーズ的な映画制作が控えていることから、収益よりも話題性が大事と判断したようだ。

ダン・アレン監督紹介

イギリス出身のホラー映画監督。2017年『アンヒンジド』でデビュー、88フィルズとeOneから配給された。2018年「#3MinuteHorror」シリーズが200万再生を記録してCrypt TVからライセンス獲得。代表作『イット・ケイム・フロム・ビロウ』『マミー・リボーン』など。短編『ザ・マイム』はBAFTAとアカデミー賞対象映画祭でスクリーニング。過度な音響効果で観客に強烈な印象を与える演出スタイル。

ザナ役「ロクサーヌ・マッキー」紹介

イギリス出身女優、『ゲーム・オブ・スローンズ』ドルネイ・サンド役で世界的知名度獲得。1980年生まれ、『ホーリーオークス』でデビュー。『レイパーズ』『ストライク・バック』主演、映画『ヘラクレス』アレクメネ役。強い女性キャラクター演技に定評。『子鹿のゾンビ』で息子を守る母親を力強く演技。近年『ドミナ』『ワースト』で活躍継続。

ベンジ役「トム・マルヘロン」紹介

イギリス若手俳優、『カーネージ』で注目集める。1998年生まれ、子役時代から舞台・映画活動。ホラー映画演技に定評。『子鹿のゾンビ』で母親と共にバンビの恐怖に立ち向かう少年ベンジ役、恐怖の中でも勇気を見せる複雑な役柄を見事表現。「この役は僕にとって大きな挑戦だった。バンビという子供の頃の親しんだキャラクターが恐ろしい化け物になっているのは衝撃的だった」とインタビューで語る。今後のホラー映画界での活躍に期待されている。

アンドリューを車で引きずり殺した件については誰からもツッコまれていない様子。

海外の感想評価まとめ

海外での『子鹿のゾンビ』評価は賛否分かれ、IMDbが8.9点の高評価も、Rotten Tomatoes批評家63%、観客69%とやや控えめ。しかし最初から期待をしないで視聴した多くのレビュアーは「B級ホラーとしては優秀」「ツイステッド・チャイルドフッド・ユニバース最高傑作」とシリーズの中では最高だと評価している。

IMDb(総合評価:8.9/10)

①私は劇場でこの映画を観たが、変異したバンビの復讐劇は予想以上にエンターテイニングだった。CGIは安っぽいが、殺害シーンは独創的で血まみれだった。特にウサギとプロパンタンクのシークエンスは劇場で大爆笑してしまった。

②私はこの映画を観て、大胆で捻くれた名作の再話で、驚くほど機能していると感じた。無垢と自然の物語を残忍な復讐と生存の物語に変えているが、不条理な前提を全力で受け入れ、スタイリッシュで血生臭いホラー体験を提供している。

③私が観た印象では視覚的に美しく不気味で、森の風景と創造的な撮影技法が、まるで悪夢のようなおとぎ話の雰囲気を作り出していた。バンビのクリーチャーデザインは恐ろしく印象的で、優雅さと純粋な脅威を兼ね備えている。

④私の感想では伝統的な意味での良い映画ではないが、それこそが観る価値のある理由だ。この見事に頭のおかしい復讐ホラーパロディは、ディズニーの最も可憐な鹿を血に飢えた森の復讐者に変えている。

IMDb – 子鹿のゾンビ

Rotten Tomatoes(批評家:63% / 観客:69%)

①私はこの映画に投資していることに気づいた。良くも悪くも、これは私が期待していた通りのものだった。映画の技術チームは小さなクルーだったが、CGIでは良い仕事をしており、暗いシーンを保ち、必要な時だけホラークリーチャーを明かしている。

②私が観た感想では暗く血なまぐさく効果的なエコホラーだ。バンビの過去のカートゥーントラウマへのこの陰鬱なオマージュは、若い頃の血まみれで楽しい冒涜と、幼年期のトラウマの搾取を楽しみたい人々を満足させるはずだ。

③この不条理さレベルの復讐の血の海は見たことがない、『トキシック・アベンジャー』と出会うバンビに思えた。

Rotten Tomatoes

Metacritic(総合評価:データなし/100)

①私が観た感想ではこの映画は予想していたよりもずっと良かった。確かに安っぽい欠点はあるが、ほとんどの時間は楽しめる。これは直接DVD映画のアップグレード版だ。

②私の印象では大気的で不気味で、クールな照明、まともな演技、映画の色合いはあるが、映画はプロットに欠け、テーブルに何か新しいものを加えていない。

③私が観た限りではこれは観るに耐えないものではないが、確実に良い映画ではない。ポフニバース最悪の映画ではないが、欠点は過去の作品と同じようだ。

Metacritic – 子鹿のゾンビ

批評家レビュー

ここから先は映画批評家によるレビューを紹介。

Bloody Disgusting 評価点なし

ポール・レー氏「これはパブリックドメインホラーシリーズの中で最高の映画だ」

ツイステッド・チャイルドフッド・ユニバースは、過去のTCU作品の影に隠れているが、ダン・アレンはこのシリーズ初の本格的なクリーチャー・フィーチャーを解き放った。

この映画のバンビは人間型でも二足歩行でもなく、四足歩行を続け、話すこともなく、イングランドの田舎を引き裂き、印象的なボディカウントを積み上げながら、本物の雄鹿の面影をいくらか保っている。

映画は粗雑だが簡潔なアニメーションプロローグで再構成されたタイトルキャラクターの起源を説明し、残りの映画はモンスターの大混乱に集中することができる。

評価点
シンプルさがバンビ:ザ・レコニングを過去のTCU作品から際立たせている。エコロジカルホラーとして娯楽的な要素を提供している

批判点
露骨な日和見主義と映画的宇宙への接続があり、純粋な恐怖体験を損なう部分がある

(Bloody Disgusting)

Josh At The Movies ★★★★

ジョッシュ氏「予想外に楽しく爽快にシンプル、隠れた名作になるだろう」

監督ダン・アレンの驚くほど優秀な『イット・ケイム・フロム・ビロー』から生まれたツイステッド・チャイルドフッド・ユニバースの次回作だ。脚本家のリス・フレイク・ウォーターフィールドは、バンビの悲劇的な裏話の骨格を人間対動物のレンズを通してモダン化する方法を理解している。

映画は捻くれたおとぎ話のように始まり、慰めるようなイギリスのナレーターが絵本から読み上げる。バンビが復讐を求めることを決意している理由はすでに分かっているが、観客からの完全な同情を要求する彼の苦悩にはもう一つの層がある。

評価点
心、ユーモア、ホラーを持ち、さわやかなランタイム中ずっと暴動を起こし続ける優秀なB級映画

批判点
ベンジと母親以外のキャラクターは少し薄く、時折の映像が撮影技法の観点から少し醜く見える

(Josh At The Movies )

InSession Film 評価点なし

ジャイラン・サラー氏「グリム童話愛好家のためのクージョー、プーニバース最強の追加作品」

ポフニバースまたはツイステッド・チャイルドフッド・ユニバースは商標になっており、様々な理由でヒットとミスを繰り返すB級ホラーの指紋となっている。創造性の欠如が一つの理由だが、もう一つは手元にある豊富な素材の活用の失敗である。

この映画の最も印象的な側面の一つはクリーチャーCGIである。監督ダン・アレンは残忍な死、血の噴出、バンビの犠牲者の切断された死体を示すことに手加減しない。

評価点
血まみれで残酷で容赦なく、劇的でないことを気にしない、あるべきB級ホラーの姿を体現

批判点
一部のキャラクター開発と世界観設定において深みに欠ける部分がある

(InSession Film – 子鹿のゾンビ)

FandomWire 5/10

リッキー・ヴァレロ氏「良い意味でも悪い意味でも、期待通りだった」

ツイステッド・チャイルドフッド・ユニバースは、プーさんやピーター・パンなどの幼年期のクラシック作品の再話を見てきた。4番目のインストールメントは、フェリックス・ザルテンの『バンビ、森での生活』の再話で、『バンビ:ザ・レコニング』と題されている。

安っぽく見えたが、キラー・バニーはバンビと一緒にそれらの道化師を狩り落とすのにかなりクールだった。これは多くのキルシークエンスにつながり、血まみれでゴアだった。もう少し血まみれに傾倒してほしかったが、キルは確実に壮観だった。

評価点
ロクサーヌ・マッキーの演技が秀逸で、血生臭いキルシーンが印象的

批判点
全体的にB級映画の域を出ない質感で、深みのあるストーリー展開に欠ける

(FandomWire )

個人的な感想評価:65点

ホラーはこうであってほしい。

冒頭でバンビがなぜ人を襲うのかを可愛らしい絵本風に紹介した後は、さぁジェットコースターの始まり!ってな具合で人を殺しまくるから何も考えずに楽しめた。

『子鹿のゾンビ』は例の版権切れキャラを悉くホラー化するとんでもシリーズ「ツイステッド・チャイルドフッド・ユニバース」シリーズの中では最も完成度の高い作品に仕上がっているのは間違いない。予算は確実にプーさんとピーターパンよりありそうな感じ、でもCGの安っぽさは隠せていないが完成度は高いし、ずっと夜だけどそれは他の作品も同じだし、お約束はあるけど説得力はあるから見飽きない、残虐シーンは物足りないけど、シリーズの中ではホラー映画としての完成度は高いと感じた。

それにしてもプーさん『あくまのプーさん』は話題性だけで走ったため超低予算感すらも味方につけ、2に至ってはいかついティガーと予算アップでより血みどろに、ピーターパンなんて現実的なサイコパスな殺人鬼に特化させたことで色々な意味で裏切ってくれた。そんな中、バンビはジョーズやコカインベアのように圧倒的な力を持ったモンスターが人を殺しまくるというエンタメに特化させたため、どのシリーズとも似つかない楽しさを提供してくれた。

個人的にグッときたのはやっぱり息子ベンジが車で逃げたけど叔父のアンドリューを縄で引きずり殺してしまうシーン。大好き。

まとめ

この記事では、映画『子鹿のゾンビ』の完全ネタバレあらすじから海外での感想評価まで詳しく解説してきた。

期待度は前作の不評により高くなかったが、実際は「ツイステッド・チャイルドフッド・ユニバース」シリーズの転換点となる良作だった。限られた予算でクリーチャーデザインと血生臭い表現を両立させ、81分という絶妙な上映時間でB級ホラーの魅力を凝縮している。

海外ではIMDb8.9点の高評価を獲得し、「シリーズ最高傑作」との声が多数上がった。ダン・アレン監督の演出力とロクサーヌ・マッキーの演技が特に評価され、「エコロジカル・ホラーとして成功」「四つ足のジェイソン・ボーヒーズ」といった独特な魅力でカルト映画の地位を確立しつつある話題作なのである。

『プーニバース』シリーズ作品はこちら↓

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