「シーハルクが出てるね」海外で賛否両論の怪作「THE MONKEY/ザ・モンキー」を完全ネタバレ解説。オズグッド・パーキンス監督×テオ・ジェームス主演のホラーコメディ、結末まで詳細あらすじ、RT78%・IMDb6.0点・Metacritic62点の海外評価を徹底分析。
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「THE MONKEY/ザ・モンキー」物語結末ネタバレ
呪われたおもちゃの猿がドラムを叩くたび、周囲の人間が次々と異常な死を遂げていく悪夢が始まった。
猿の呪い
1999年
血まみれの兵士男性ピーティ・シェルボーン(アダム・スコット)が質屋に駆け込む。ビーティはドラムを持った不気味な猿のおもちゃを買い取ってほしいと尋ねるが、店主は子供のおもちゃは買い取らないと最初は断る。
兵士は食い下がり「この猿は呪われている。ドラムを叩けば、みんな地獄行きになるんだ」と警告するが、店主は信じず猿のおもちゃを引き取ろうとしない。すると、2人の目の前で猿がドラムを叩き始めると店の銃が暴発して店主は死んでしまう。
ピーティーは質屋にあった火炎放射器を使って猿のおもちゃを焼き尽くすのだった。
時はたち、
ピーティの妻ロイス(タチアナ・マスラニー)と双子の息子ハルとビル(クリスチャン・コンヴェリー)は失踪したピーティの遺品整理をしていた。
ハルとビルは父の遺品から例の猿のおもちゃを発見し、好奇心でゼンマイを回すが何も起こらなかったため興味を無くしてしまう。しかし兄弟がパフォーマンスレストランで食事中、車に置いた猿がドラムを奏で始めると、料理人の包丁が暴走してハルの横にいたベビーシッターアニーの首を刎ね飛ばしてしまう。この頃から猿が呪物なのではないかとハルは疑い始める。
学校でいじめにあったハルは猿を使っていじめっ子を殺そうと猿のゼンマイを回すが、猿の呪いは母ロイスに向かい、ハルとビルの目の前でロイスは顔中から血を噴き出して死んでしまう。ハルは猿を使ったことを深く後悔し斧で猿をズタズタに切り裂くと、ビルと一緒に猿を捨てる。
結末ネタバレ:25年後
成人したハル(テオ・ジェームス)は息子ピーティ(コリン・オブライエン)を元妻と夫のテッド・ハマーマン(イライジャ・ウッド)から息子の親権を奪われそうになっていた。
同じ頃、地元警官のドラ息子リッキー(ローハン・キャンベル)が遺品整理セールの中から例の猿を見つけると、魅入られ何故か持ち帰ってゼンマイを回しまくり太鼓を叩きはじめる。
すると、ハルの関係者が次々と不可解な死を迎える(プールに室外機が落ちて大爆発、家の隣人が燃えたり、ゴルフしてる人の首にへびなどなど)その頃、ハルと息子のピーティの新しい家を紹介していた不動産会社の女性が扉を開けた途端にショットガンが暴発して2人の前で吹き飛び死んでしまう。
突如ハルとピーティの前に銃を持ったリッキーが現れピーティを誘拐する。案内された先にいたのはハルの兄弟ビルだった。ビルは猿を使って母を殺したハルを憎んでおり、手に入れた猿をピーティに叩かせてハルを殺そうと画策していたのだ。
早速ピーティに猿のゼンマイを巻かせて様子を見ると、猿は突如太鼓を乱打し始める。
最初にハルを脅していたリッキーが死に、次に彼らの背後で巨大な飛行機が町に墜落し大惨事となる。ハルはビルと話し合いをしてなんとか和解するが、猿がドラムをひと叩きし、鋭利な刃物がビルの頭部を吹っ飛ばしてしまう。
ハルとピーティが後部座席に猿を乗せて車に乗って走らせていると、町中が混乱に陥っている状況が映し出されている。
街を去ろうとする2人の前に白い馬に乗った青白い男(死神の化身?)がこちらを見つめながら立ち去るのを見た2人に対し、映画は不気味な余韻を残して終わる。
「THE MONKEY/ザ・モンキー」作品情報
「THE MONKEY/ザ・モンキー」は、『ロングレッグス』で注目を集めたオズグッド・パーキンス監督がスティーヴン・キングの短編小説を映画化したホラーコメディだ。主演のテオ・ジェームスが双子の兄弟を一人二役で演じ、ユニークなキャスティングと斬新な演出で話題となっている。
オズグッド・パーキンス監督情報

オズグッド・パーキンスは『サイコ』のアンソニー・パーキンスの息子として生まれ、独自の映像センスで注目されるホラー監督だ。代表作に『グレーテル&ヘンゼル』『ブラックコートの娘』『ロングレッグス』がある。
特に2024年の『ロングレッグス』では1000万ドル未満の予算で1億2700万ドルの興行収入を記録し、NEONにとって史上最高の国内興行成績を達成した。パーキンス自身が9.11で母親を亡くした経験から、死の不条理さを独特なユーモアで描く作風を確立している。
「THE MONKEY」では従来のシリアスなホラーアプローチを捨て、「死の不条理さに笑顔で向き合う」というコンセプトで制作。予告編は24時間で4300万回再生を記録し、72時間で1億回を突破する記録的な話題を呼んだ。
主演ハル/ビル役「テオ・ジェームス」情報

テオ・ジェームスは『ダイバージェント』シリーズや『ホワイトロータス』で知られるイギリス出身の俳優だ。今作では双子の兄弟ハルとビルを一人二役で演じ、全く異なる性格の二人を見事に演じ分けている。
『アンダーワールド』シリーズや『サンドイッチマン・イヤー』などのアクション作品で培った演技力を活かし、神経質な父親ハルと復讐心に燃えるビルという対照的なキャラクターを表現。天性の魅力的な外見を抑えて不安定な父親を演じる挑戦的な役作りが評価されている。
監督のパーキンスは「テオは生まれながらのスターだ。彼の自然なカリスマ性を抑制して臆病な父親役を演じる難しさがあったが、彼の演技力でそれを克服した」と絶賛している。
主演ロイス役「タチアナ・マスラニー」情報

タチアナ・マスラニーは『オーファン・ブラック』で一人何役もこなす演技力で高い評価を受けるカナダ出身の女優だ。『シー・ハルク』などのマーベル作品でも知られ、幅広い演技レンジを持つ実力派として注目されている。
今作では双子の母親ロイス役で、皮肉な人生観を持つ複雑なキャラクターを演じている。パーキンス監督の前作『キーパー』にも出演しており、監督との信頼関係から連続起用された。
マスラニーは「パーキンス監督との撮影は信頼と好意に満ちた体験だった。短期間での濃密な撮影だったが、監督の独特な世界観に完全に没入できた」とコメントしている。
海外の感想評価まとめ
「THE MONKEY/ザ・モンキー」は海外で賛否両論を巻き起こしている。批評家の間では創意工夫に富んだ殺害シーンとパーキンス監督の意外なコメディセンスが評価される一方、トーンの不安定さやペース配分に課題を指摘する声もある。観客からは「今年最高のホラーコメディ」との絶賛から「史上最悪の駄作」まで極端な評価が飛び交っている。
IMDb(総合評価:6.0/10)

① 「劇場を出た瞬間、『ファイナル・デスティネーション』と『ウィッシュ・アポン』の子供がこの映画だと思った。超自然ホラー、ダークコメディ、不条理さを組み合わせた作品で、ばかげているのに異常に面白い。
サイレント映画時代のスラプスティック・コメディに血しぶきと邪悪な運命を加えたような奇妙さだが、これが効いている。殺害シーンは陰湿で創造的で最高にクレイジーだ」
② 「この呪われたおもちゃを中心とした殺戮には、いたずらっぽい、ほとんど嬉しそうな犠牲者の運命を操る方法がある。
『ファイナル・デスティネーション』の精巧なルーブ・ゴールドバーグ式の死を愛するなら、ご褒物だ。すべてが異常にやり過ぎで、どういうわけかそれが陽気になってくる。暴力は誇張され、様式化され、非常に不条理で、ただショッキングなだけでなく、娯楽として一周回ってくる」
③ 「テオ・ジェームスはこれまでずっと魅力的なスターで、不安で神経質な父親という不可能な役を与えられた。
正直に言って、この男はそれには余りにもさりげなくスマートすぎる。どんなにオタクっぽい衣装を着せても、彼の生来の魅力を完全に取り除くことはできない。最善を尽くしているが、彼が完全に変身しているとは信じがたい感覚が残る」
④ 「サスペンスはしっかりしていて、殺害は法外で、ホラーコメディの実行は称賛に値する。もっと良くなった可能性があるか?確かに。死への、よりゆっくりとした、より緊張に満ちた構築があれば、さらに向上しただろう。
しかし現状では、それは間違いなく楽しいホラー映画で、自分自身をあまり真剣に受け取らない。血、混沌、ダークユーモーを愛するなら、これで爆発的に楽しめる」
(IMDb参照)
Rotten Tomatoes(批評家:78% / 観客:67%)

① 「『THE MONKEY』を楽しくしているのは、その真面目でないことだ。血に浸かった面白いホラーコメディで、あまり真剣に受け取らないが、不均一なペースと持続的な緊張感の欠如が多少足を引っ張っている。
それでも、パーキンスの最新作は楽しいスプラッター祭りで、時には死に対処する最良の方法は笑うこと、そしてたくさん笑うことだということを強調している」
② 「楽しかった。奇妙だった。ほとんど何も知らずに見る価値があるものだった。
私が知っていたのは、それがスティーヴン・キングの短編小説だということだけ。ユーモアは死を多少消化しやすくする。
しかし、ユーモアは誰もが本来すべきほど人々を気にかけていないように思わせ、それが私を困惑させた。あまり気にかけない人が死ぬなら、それほど大したことではないが、愛する人なら怖い。悪い映画ではない、非常に面白い」
③ 「血まみれの、楽しい、ホラーに満ちた。スティーヴン・キング映画に期待するすべてだ。予告編に基づいてこの映画をとても楽しみにしていた。
映画の前半は有望でスリリングな乗り物を設定するだけで、予測可能なプロットのひねりに終わってしまう。
しかし、残酷に巧妙で忘れられないほど血まみれのセットピースで、パーキンス監督のホラーの真価を再確認し、驚くべき病的なユーモアのセンスも明らかにしている」
Metacritic(総合評価:62/100)

① 「過度に血まみれのホラー作品で、ナラティブにあまり関心がないかもしれないが、一部の人々にはちょうど良いかもしれない。
しかし、かなりの量の実質を求める人にとっては、残念ながらこれは十分に満足のいくものではない可能性が高い。しかし、複雑なジャンルメカニズムは『THE MONKEY』の構造の基本だが、映画には本物の人間の感情で鼓動する心もある」
② 「病気でねじれたコメディの天才の作品で、パンチラインがあまりにも強くパンチするので爆発してしまう。
パーキンスは一度もコメディで知られていないが、『THE MONKEY』は残酷で、大声で笑えるほど面白く、ホラー映画史上最もユニークな死のいくつかと極端な血と流血を特徴としている。心の弱い人向けではない」
③ 「与えられた空虚なショックユーモアの過剰さを考えると、映画はおもちゃの猿のいたずら好きな死体数以外、ほとんど何についてでもあることを恐れているようだ。
『THE MONKEY』はトーンの名人だ。オズグッド・パーキンスは暴力、血みどろ、大きな笑いが画面上で同時に存在できることを巧みに実証している。
しかし、彼は血しぶきの陽気さとハルの感情状態のより複雑な扱いの間で一貫したトーンを維持せず、映画はそのために苦しんでいる」
批評家レビュー
Roger Ebert 3.5つ星
ブライアン・タリコ「死にさえもユーモアのセンスがある」
「THE MONKEY」では、まるで死にユーモアのセンスがあるかのようだ。火事、首刎ね、よく配置されたショットガンーーこの映画では死にユーモアのセンスがあるかのようだ。パーキンスが泣くのを止める最良の方法は死神の顔を見て笑うことだと気づいたからかもしれない。
これがキングの物語であると同時にパーキンスの物語でもあることについて言えば、アンソニー・パーキンスの息子が9.11でアメリカン航空11便の乗客として母親ベリー・ベレンソンを失ったときに想像を絶する苦痛を味わったことは注目に値する。その日、誰かが猿のゼンマイを回したのだろうか?
パーキンスは常に形式的に自信のある映画製作者だったが、「THE MONKEY」には彼の最も印象的な映像のいくつかが含まれており、ニコ・アギラーによって悪意で撮影され、編集者グラハム・フォーティンとグレッグ・ングによって完璧に組み立てられている。
評価点
98分という比較的短い上映時間で無駄のない構成、個人的な詳細が巧妙な作品の鑑賞を高める
批判点
説明者文化のエレベーテッドホラーに対する反発として機能するが、時として過度に哲学的
Variety 2つ星
オーウェン・グライバーマン「手に負えない混乱」
「THE MONKEY」は、不器用で、ぎこちなく明白な混乱であり、センセーショナルなホラー映画でさえ必要な人間的関心の輝きがない。パーキンスが今回採用するトーンは不気味で繊細ではなく、露骨に皮肉で人間嫌いで、あからさまだ。
キングの元の物語は傑作ではなかったが、1902年のW.W.ジェイコブスのホラー短編小説「猿の手」への挑発的な言及で、権力と運命についての瞑想で、道徳的な寓話になろうとしていた。「THE MONKEY」は、私たちを引きつけることのない兄弟のメロドラマに埋め込まれた、よろめくスラッシャー映画に近い。
この猿は怪物のように見えるので、何が起こるかがさらに明白になるだけだ。猿の右の前足がドラムスティックで叩きつけると、誰かが最も華やかな方法で死ぬことを意味する。しかし、実際には死はそれほど法外ではない。少なくとも過去40年間のホラーで見てきたものを考えれば。
評価点
アダム・スコットのカメオ出演は面白く、血まみれの制服を着たパイロット役が印象的
批判点
バロック式災難の数字による殺害バージョンを見ているような感覚、本物の恐怖や興味を欠く
The Hollywood Reporter 2.5つ星
フランク・シェック「自分自身に満足しすぎている」
ライブアクションのルーニー・テューンズを想像してみてほしい。そこでは死と破壊がリアルに血まみれのファッションでレンダリングされ、オズグッド・パーキンスが昨年のスマッシュヒット『ロングレッグス』のフォローアップで目指しているもののアイデアが得られる。
1980年のスティーヴン・キングの短編小説からゆるく(そして私は緩く意味する)翻案された「THE MONKEY」は、ホラーファンを史上最もクールなものとして印象づけるか、ただばかげているかのどちらかの主要なスタイリスティックUターンを証明する。
映画の主要なスタイリスティックな企みは、キャラクターたちを最も恐ろしくやり過ぎた方法で派遣させることであり、それは非常に迅速に薄くなるジョークだ。それは古典ECコミックスを想起させる勇気ある突拍子もなさで、ジョージ・A・ロメロとスティーヴン・キングのアンソロジー映画『クリープショー』のエピソードとしてうまくいっただろう。
評価点
パーキンスの否定できないスタイリスティックな才能と愚かな素材を実行する純粋な熱狂
批判点
テオ・ジェームスが不条理な流れに乗らず、コメディ素材を致命的に真剣に演じている
3 Brothers Film 1.5つ星
アレン・バーグストロム「一つのジョークを延々と繰り返す」
オズグッド・パーキンスのブラックコメディ「THE MONKEY」は、一つのジョークを何度も何度も地面に叩きつける。「THE MONKEY」には一つのジョークがあり、それは恐ろしいものではないが、本当に新しいものは何もないことに気づくまで吐き気を催すほど繰り返される。
『デッドプール』映画のように、ユーモアは幼稚で、それ自体は問題ではないが、幼児期のトラウマについての反省的な解説を装ったセンチメンタルなたわごとと結婚すると疲れ果て、さらには侮辱的になる。
パーキンスのビジュアル構築は余りにも硬直的だ。ほとんどのショットは中央にフレームされ、狭い被写界深度を使用してフレーム内とストーリーテリング内の両方で私たちの焦点を制限している。影が多く暗く、画面上で嫌なことが起こっても、過度にコントロールされ、暴力の混乱に合わない精密さがある。
評価点
パーキンスは明らかに才能があり、ショットをフレームしたりシーンでムードを設定する方法を知っている
批判点
形式と内容の間のトーンの不一致、自己言及的すぎて破壊的ではない
個人的な感想評価:50点

「THE MONKEY/ザ・モンキー」は、ホラーコメディというジャンルの危険な綱渡りを見事に体現した作品でパーキンス監督の「死の不条理さに笑顔で向き合う」というアプローチは斬新だが、同時に観客を選ぶ両刃の剣となっている。
ただし、人を選ぶことは間違いない。
笑いながらホラーを楽しむか。
ホラーを楽しみつつ笑いたいか。
なんとも半端なのだ、スリラーかな?と思わせ時ながら、なんとも創意工夫にあふれたピタゴラスの装置のような方法で人が次々と死んでいくが、映画の中では彼らは心底恐怖している顔を映し出したりと、HSPな気になりすぎる私のようなタイプは、毎シーン感情を振られてしまうので疲れてしまったのが正直なところ。
しかし短所でもあるが長所でもあるのが各殺害シーンの創意工夫だ。『ファイナル・デスティネーション』を彷彿とさせるルーブ・ゴールドバーグ式の連鎖反応による死は、確かに観る者を唖然とさせる。
でも、やはり問題は、その衝撃が回を重ねるごとに薄れていく点にある。割とゴア表現がしっかりとしていると思いきや、詳細は見せないようなヤキモキする微妙な殺害シーンの繰り返しに観客の感情移入は困難だ。
あ、あとさ、主役のテオ・ジェームスがハルとビルの一人二役してるんだけどさ、なんか、別に映画に深みとか、物語や映像が引き締まるような働きはしていないように感じる。結局節約して兄弟2人が2人同時に顔出ししないから、なんとも薄味な配役だなと感じた。
そもそも、テオ・ジェームス自体が父親役には合わないという皮肉な問題を抱えている。だから25年目以降、なんとも映画がフワフワとした印象を持ってしまったのかもしれない。
そこに微妙な兄弟の憎悪という一本筋な脚本も、猿が暴走して全く関係のない人を次々殺したりするモンだから興味というか、いまいちピンとこないまま映画が終わってしまった印象。
面白いはずが、なんともマイルドなファイナル・デスティネーション観た感じかな。
まとめ
この記事では、スティーヴン・キング原作「THE MONKEY/ザ・モンキー」の完全ネタバレあらすじから海外評価まで徹底解説した。
オズグッド・パーキンス監督が「死の不条理さ」をテーマに制作したホラーコメディは、期待値の高さゆえに賛否両論を巻き起こした。呪われた猿のおもちゃがドラムを叩くたび周囲の人間が異常死を遂げるという設定から、家族の絆と喪失を描く物語へと発展していく構成は意欲的だった。
海外では批評家78%(Rotten Tomatoes)、観客67%、IMDb6.0点、Metacritic62点という「賛否分かれる佳作」レベルの評価を獲得。「創意工夫に富んだ殺害シーンとパーキンスの意外なコメディセンス」が評価された一方、「トーンの不安定さと持続的緊張感の欠如」が批判された。
特に注目を集めたのは、監督自身の9.11体験から着想を得た「死への新しいアプローチ」だ。従来のシリアスなホラーを捨て、不条理な死を笑いで包み込む手法は革新的だったが、同時に「一つのジョークの繰り返し」という限界も露呈した。
海外では「史上最悪の駄作」との酷評も存在し、観客の反応が真っ二つに分かれる現象が起きている。この極端な評価の分かれ方こそが、パーキンス監督の挑戦的な演出が成功した証拠とも言えるだろう。
「THE MONKEY/ザ・モンキー」は完璧な作品ではないが、ホラーコメディというジャンルに新風を吹き込んだ意欲作として、映画史に独特な足跡を残した話題作である。
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